この写真は、先日の伊勢鉢山の地滑り地塊の上で見つけたミズナラの立ち上がり枝である。専門家のTaoさんに教えてもらわなければ見過ごすところであった。
素人目にも、この幹が長い間倒れていて、その間に枝が上を向いて生長したことが判る。この場合は、この木が地滑り発生時に倒れて、その後立ち上がったものらしい。
Taoさんは、このことから、ここの地滑りが起きた時期を予測した。すなわち、この一番太い枝が8cmほどだったことから、この地滑りが起きたのは、およそ30年前前後だろうと・・・すなわち、Taoさんの経験から割り出した数式は、ミズナラの場合は直径×4前後が、その成長経過年数だそうな・・・8×4=32。
その後、この地滑り発生年が1980年(1979年との情報もあり)ということが判った。すなわち32~33年前である・・・みごと!というほかはない。専門的な知識や経験とは凄いものだと、つくづく思う。
彼は、地滑りの滑り台となった層があるはずと、その残骸をあちこちで探していた。それは海中堆積物と思われる火山礫がまだ固まっていない状態の凝灰岩の層である。それがとてもよく判る岩だと、私が見つけて褒められたのが、上掲の崩れた凝灰岩の写真である。手でつまむと、含水していてすぐに砕けて、軟らかく指間でぬるりとする凝灰岩であった。