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お花畑から越えてきた鬼ヶ城コースの稜線を見上げる。
昨日、薬師岳で下山時にご一緒した盛岡市のNiさんから「岩手山で一番面白いのは鬼ヶ城の周回です」と紹介された七滝コースにトライ。
実は、2年前に焼走りコースから岩手山を再訪した時に、岩手山の裏側に岩峰を連ねる稜線とその下に見えた楽園のような湖や湿原がとても気になっていた。Niさんお勧めのコースは、まさにそれを周回するコースだった。
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本日の歩いたコース(ヤマップの登山地図)。
七滝コース登山口からスタート。大地獄谷分岐からは鬼ヶ城コースへ登り、最高地点1890mピーク下の不動平避難小屋から、岩手山山頂には寄らずに、お花畑コースへ下って周回した。
5:00、夜を明かした七滝コース登山口をスタート。この時点では、岩手山山頂部には雲が懸かっていたが、鬼ヶ城コースには雲は懸かっていなかった。
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40分ほど歩いて、まずは、コース名の由来となっている七滝に寄る。
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6:35、1時間半ほど単調な林の中の快適な登山道を進むと、目の前が急に開け、黒倉岳の切り立った岩壁が飛び込んでくる。ここからが楽しい変化に富んだコースの始まりだった。
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左手には温泉でも流れているような川や湯華の塊のようなものも見える。
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登山道のそばにあった「湯華採取跡」
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さらに進むと、大地獄谷に到着。
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ロープが設置された大地獄谷横の尾根。ここはロープがなければザレで滑って登り下りはできなかった。
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さらに、このような痩せ尾根もある。
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7:10、大地獄谷分岐に到着。ここが周回の起点である。岩手山山頂を目指すのなら、ここからお花畑コースを通るのが近い。しかし、今日は鬼ヶ城コースからの周回が目的なので、ギザギザの岩峰を連ねる稜線の鬼ヶ城コースへ進む。
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「切通し」という地点で黒倉岳方向からの縦走路に合流し、岩峰の連なる鬼ヶ城の稜線歩きとなる。
Niさんは、「北アルプスの稜線歩きの気分を味わえる」とのことだったが、北海道人としては、「左側にカール壁を抱いた日高山脈の主稜線歩きを彷彿させる稜線歩き」だった。こちらの岩は溶岩なのが日高山脈とは大きく違うが…。
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左手眼下には、帰りに通る御苗代湖と湿原のお花畑か見える。御釜湖は林に隠れているのか、見えなかった。
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右手眼下には網張高原が広がる。
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振り返ると、昨年縦走した秋田駒ヶ岳~乳頭山と思われる山並みか見える。
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この稜線の登山道は岩峰の根元を巻くように続き、アップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。一番奥のピークが最高地点の1890ピークである。
地図上では、左のピークが鬼ヶ城となっているが、この稜線全体を称しているらしい。このピークの上には踏み跡すらなかった。
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最後の2つのピークの先には岩手山山頂部も見える。
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手前のピークへの岩の上の登り。
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最後のピークへは、ルンゼを登る。
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鬼ヶ城稜線の最高ピーク(1890m)から下っていくと、岩手山山頂への登山道と眼下に不動平避難小屋が見える。岩手山山頂は2回登っているので、今回はパス。
9:25、4時間25分で、周回折り返し地点の不動平避難小屋に到着。10分ほど休憩。
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避難小屋からお花畑コースへ下る。眼下にいかにも火口湖といった感じの御釜湖とお花畑、その先には来るときに振り仰いだ黒倉岳の岩壁が見える。
結構急な下りである。反対回りにしなくて良かった。
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下りから越えてきた鬼ヶ城稜線を見上げる。
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10:15、岩手山を目指すという3人の学生が休んでいるお花畑に到着。ここで、こちらも腹ごしらえ。
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振り返ると、岩手山山頂部と下りてきた鬼ヶ城稜線とのコルも見える。
お花畑の分岐から御釜湖と御苗代湖を往復する。
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火口湖の御釜湖の湖面と岩手山山頂部
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広い御苗代湖
11:05、大地獄谷分岐に戻り、周回終了。
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大地獄谷の尾根の向こうには八幡平の連なりが見える。
この大地獄谷の尾根の下りは、ズルズル滑るので、非常に怖かった。
12:45、天候にも恵まれ、なかなか目にできない変化に富んだ岩手山の裏の顔を満喫した魅力的な8時間山行に大満足のゴール。
やはり地元の方の情報は貴重だ。当初の計画上にもなかった、思いがけない印象的な楽しい山行に感謝・感激・感動。
下山後、すぐ近くの八幡平温泉森乃湯でのんびりし、ブログを打った。
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