■ 今日のおすすめ
『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(ケント・ギルバード著 講談社α新書)
■ 「日本人よ目を覚ませ」と著者は言う(はじめに)
著者は紹介本を通して『物事に対する考え方や捉え方が、日本人と中国人、そして韓国人とでは、根本から、正反対と言っていいほど違う。その違いの根源は「儒教」にある。特に最近の外交問題を見ると、「特亜三国(中国、韓国に北朝鮮が入る)」の非常識ぶりは際立っている。その源泉は「儒教」に由来する』と主張します。
私たち日本人は、この著者の主張を読んで“エッ、それって本当”と思われる人が多いのではないでしょうか。
「儒教」という言葉に対して、多くの日本人が持つイメージは「論語」「仁・義・礼・智・信」に代表される道徳的思想です。著者は『日本人は、儒教の良いところを取り入れ、仏教、神道と融合させ、最後は武士道という倫理・道徳規範として確立した』と説明します。更に、『その根底にあるのは「和」と「思いやり(利他の精神)」である』と説明します。
これに対し、『中国で生き残った「儒教」からは「仁・義・礼・智・信」が抜け落ちてしまった。これには、もはや偽善的な意味しか残っていない。中国では(歴史的に)、皇帝などを筆頭とする支配者層から見た場合、庶民は単に管理する対象でしかない。朝鮮(韓国・北朝鮮を指す)に至っては、「両班制度(“やんぱん”と訓む。14世紀の朝鮮王朝〈李朝〉時代に確立した[社会的支配階層制度]で現在も朝鮮〈韓国・北朝鮮〉の人々の意識に残っている)」から見てもわかるように、庶民とは搾取する対象でしかない。』と著者は、「特亜三国」の根底にある「儒教」文化を説明しています。
『この「儒教」文化が「中華思想」となり、漢民族、朝鮮民族に受け入れられた』と著者は付け加えます。『「中華思想」を維持する漢民族は、自分たちを周辺国より絶対的上位にあると位置付ける、選民思想を患わっている民族である』とし、『朝鮮民族は、中国にすり寄ることで、他の周辺国に対し、ナンバー2の優位性を保ち、自らを「小中華」と称し、上位にある世界の中心に座す中国には媚び、距離的に下位にある日本などに対しては、一方的な優越感を持ち、高圧的な姿勢を取るようになっている』と著者は更に付け加えます。
その上で、日本人に対し、『GHQによる日本人洗脳工作「WGIP(War Girt Information Program )」によって刷り込まれている「愛国心は悪」「平和ボケ」から目覚め、国際法などに照らし合せ、当然やるべきことを遂行・主張すべき』と著者は投げ掛けています。
著者は紹介本の中で、「特亜三国」の非常識な政治・外交問題を指摘しています。その中から幾つかを次項で採り上げてみたいと思います。
■ 多くの日本人が知らない中・韓・北朝鮮の事実
【人民解放軍とナチス】
著者は言います。『「中華思想」をメンタリティの中心に据えている中国人は世界の常識とかけ離れた行動をとります。20世紀には民族主義の高まりから、多くの植民地が独立を果たしました。しかし中国は世界の潮流とは全く逆の動きをします。チベットは、もともと独立国でした。1949年に中華人民共和国が成立すると、1951年には中国共産党の軍隊である人民解放軍による軍事侵攻を受けて制圧されます。様々な人権侵害を経て、1959年には君主であるダライ・ラマ十四世はインドに亡命、チベットは完全に中国の支配下に置かれたのです。かつて東トルキスタンと呼ばれていたイスラム教徒の国も、人民解放軍の軍事侵攻を受けて、今では新疆ウィグル自治区と呼ばれるようになりました。内モンゴル自治区も同様に制圧されました。これらの地域で数多くのチベット人やウィグル人、モンゴル人が虐殺され、ナチスがユダヤ人に行ったような迫害を現在も受け続けているという事実は、中国国内の問題だとして、日本のメディアはほとんど伝えません。』
【GDPの30%に及ぶ賄賂の背景】
著者は言います。『道徳心や高い倫理観を失った中国人は、自らの利益のためなら法を犯すことさえ厭いません。彼らは、息をするように嘘をつきますが、そこに罪悪感は微塵もありません。「騙す方より騙される方が悪い」と考えているからです。また、「公」よりも「私」を優先するので、国家への忠誠心もありません。その結果、中国の官僚の腐敗ぶりは、酷いものです。大和総研が発表したデータによると、2008年に中国全体で受け渡しされた賄賂の合計は116兆円近くに上ると。なんと中国のGDPの30%を占めたのです。』
【日本のODAに感謝しない理由】
著者は言います。『「中華思想」は、対外的に強烈な優越意識を持つことで支えられていますが、数千年に及ぶ長い歴史で積み上げられたこの過剰な自意識は、一朝一夕には改まらないようです。例えば、中国には、日本からの多額の援助金が渡っています。政府開発援助(ODA)だけでも、1979年以降、3兆円以上に上っています。一般的に、海外からの援助によりインフラが完成すると、援助してくれた外国に対して感謝の意を示すものです。これは当然のことでしょう。インフラにその国への謝意を示したプレートが飾られたリ、インフラの完成式典には援助国の代表を招き、スピーチをしてもらうのが慣例です。しかし、儒教的な考えで厳しい序列を定め、中華思想、小中華思想に染まった国家には、そのような常識が欠如しているようです。それこそ、日本からの援助は、「朝貢」だとでも見ているのではないでしょうか。』
【その他の非常識な政治・外交問題】
上述の他「オレ様主義と沖縄」「国境という意識のない中国人の愚」「(中国外交部)2050年マップ」「公害大国を生んだ中国人の発想」「キリストも孔子も韓国人」など、“エッと驚く”記事が掲載されています。詳しくは紹介本をお読みください。
■ 彼を知り己を知れば、百戦して殆(あやう)からず(むすび)
紹介本は「特亜三国」の非常識さ、日本の「対応の甘さ」を数多く指摘しています。この様な事は、政治の舞台だけではありません。企業経営、すなわち海外進出、海外契約、外国人雇用などの場面で、「特亜三国」に限らず、外国企業、外国人と関係を持つ機会が多くあります。そのような機会に直面した時、著者のような指摘を明確にする日本人は少ないでしょうから、紹介本の指摘から多くの「メタ(meta=一般的情報の背後にある、決断の根拠にできる事実情報)」を把握すると同時に、自身(自社)の強み・弱みも的確にとらえ、対応していくことが大切と思います。「彼を知り己を知れば、百戦殆からず(孫子 謀攻篇)」です。
同時に、『小異を残して大同につく(一般的には「小異を捨てて大同につく」)』の格言ではありませんが、お互いが「共通のアイデンティティー(ビジョン)」を共有し、それに向かって進んでいく前向きの姿勢も大切にしたいものです。
【酒井 闊プロフィール】
10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。
企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます