『ふじや呉服店』のご主人・目黒さん
ふじやさんとのお付き合いは、わたしが28歳だった30年前に遡ります。まだ漫画家になって四年目。独り暮らし三年目。浴衣を買うのも迷って、お店の前をうろうろしていたら、声をかけてくれ、手に入るようおまけしてくださり、以来のお付き合いが始まりました。
花井幸子先生や槙村さとる先生をご紹介してくださったのも目黒さん。28年前と18年前の、懐かしい第一ホテルでの、立派なパーティーの写真も見せてくださり、『できるときにパーティーしといてよかった。いまの時代はもう呉服屋がパーティーなんかできない。写真もとっておくもんだよね』、と。
目黒さんは一年前に軽い脳梗塞をして、現在はリハビリ中ですが、変わらずダンディ❗
わたしが.ふじやさんで揃えた、渡辺雪三郎の着物を着ていったら喜んでくれ、『自宅に遊びにきてくれるなんて、また泣けちゃうよ』といってくださいました。お母さんと娘さんは松茸のお吸い物や煮物、見事なアップルパイをご用意くださり、かわいいテリアのノアちゃん、お孫さんもきて迎えてくれました。お孫さんはピアノもひいてくださいました。
わたしはこういう『家族団欒』を、ほとんど知らずに育ったので、本当にしあわせなじかんでした。またきます。不思議なことに最近の目黒さんは、わたしの実の父になんかよくにているんです、、。実の父とは2010年以来一度もあっていないし、育った町はもう38年、ほとんど帰っていません。祖母の米寿と、お葬式だけ。祖母だけはやさしくしてくれたので。
実の親とすごせなかった時間の代わりを、こうして主人と幸せにすごせて、本当にありがたいです。
食事の間、『フランスのお父さんだよ』と、イヴさんにwhatsapp を繋ぎました。イヴさんが元気だからみんなびっくり✨ 主人は『君は目黒さんがいて、ジャズの光井靖先生もいるし、フランスにイヴさんもいて、横田滋さんもよくしてくれたし、たくさんお父さんがいて幸せだね』といってくれました。わたしもそうおもいます。
目黒さんは来年米寿を迎えます。そのときは(その前も)、結婚のお祝いでつくっていただいた、黒い振り袖でお祝いしにきたいです。目黒さん、ずっと元気でいてね。わたしに着物を教えてくれ、槙村先生というお姉さんを与えてくれたかたです。
リハビリしてさらに元気になって、毎日楽しくすごしてくださいね✨