タイムスタンプ 2016-04-12 19:47:01
あちらこちらで紹介されるが
お世話になっている「フジパン」さんのページで県内の話を読めた。
私が幼少時に父から「自分の母親から寝る時に聞いた話」として聞いたものは,「むがしあったけど」に始まり「とっぴんからりんねっけど」と終わるので,だいぶ地域で異なっている。
「むかしあったそうだ」と導入しながら,「とっぴんからりん」という音(おん)に「なかった話」(ねっけど)という,子供には謎めいた締めくくりだった。
私はともかく,懸命に聞き,覚えていたように思ったのだけれど,聞くだけでは覚えていなかったのだ。
父が長生きであれば聞き取りしたのだろうが,アッと死なれてはもう遅い。
踊り,笛や太鼓と,何でもござれの父だったので,昔話も上手だった。
婿探しの話に乗って,最後は分不相応な身を沢(猿沢)に流されて行った。
何とも物悲しく,小さい頃は父に不合理さを「なんで猿は流さっだなや?(流されたの?)」と何度も聞いていた気がする。
あちらこちらで紹介されるが
お世話になっている「フジパン」さんのページで県内の話を読めた。
私が幼少時に父から「自分の母親から寝る時に聞いた話」として聞いたものは,「むがしあったけど」に始まり「とっぴんからりんねっけど」と終わるので,だいぶ地域で異なっている。
「むかしあったそうだ」と導入しながら,「とっぴんからりん」という音(おん)に「なかった話」(ねっけど)という,子供には謎めいた締めくくりだった。
私はともかく,懸命に聞き,覚えていたように思ったのだけれど,聞くだけでは覚えていなかったのだ。
父が長生きであれば聞き取りしたのだろうが,アッと死なれてはもう遅い。
踊り,笛や太鼓と,何でもござれの父だったので,昔話も上手だった。
婿探しの話に乗って,最後は分不相応な身を沢(猿沢)に流されて行った。
何とも物悲しく,小さい頃は父に不合理さを「なんで猿は流さっだなや?(流されたの?)」と何度も聞いていた気がする。
物凄く感動的な最後です。
サルは流され、娘っこは「嫁に行かずにすんだ」とほっとしていると、流されながら娘っこに、こう語りかけるサルの声が聞こえるのです。
「花っこ取れて良かったな~本当に良かったな~」
私はこの話を聞いて、サルの優しさに号泣しました。
本当に、良い話ですよね。
なかなかこのお猿さんの心境に慣れない人間です。
>サルの声「花っこ取れて良かったな~本当に良かったな~」
当地の伝聞では娘のセリフはなく,指示する内容はエグいが,話は淡々として冷徹。
「もっと天辺!」,「もっと天辺!」とサルを枝のほうに誘う。
猿は「良い人」でもあるが「調子に乗った存在」ととらえられ,少し私の性格ともダブッて見えた。
説明だけだが以下は越後の話。
昔は上杉領(越後~会津時代)だった庄内,これに似ていて不思議でないかも。
婿を連れて嫁の実家に挨拶に行く里帰りの日に、娘は土産に餅をついて行きたいが、弁当や重箱に入れるのでは匂いがついて駄目という。サルが臼を背負って後ろから嫁がつきながら行く。途中で桜の花がきれいに咲いていて、それを取って欲しいとサルに頼む。サルは、臼を下ろして木に登ろうとすると、地面に下ろすと土の匂いが付くからといって、嫁は下ろさせず、やむなくサルは臼を背負って、木に登る。高く上って行くうちに臼の重みで枝が折れて、サルは川に落ちて流される。その時「サルはサル川へ流れても、娘の命が可愛可愛」と歌いつつ流れてゆく。そして娘はそのまま家に帰ってくるという筋である。