Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

北限のアグリアス

2020-06-15 23:24:05 | 
 世界的にコレクターの多い、「ジャングルの宝石」と呼ばれる蝶アグリアス(和名ミイロタテハ)は
中米から南米に生息しています。
今日、ウチの数少ないコレクションの中から紹介するのは、アグリアスの中でも北限であるメキシコに生息している
「アミドン・オアハカタ」(amydon oaxacata)です。


表の斑紋の特徴は前翅の斑紋が黄色に近いオレンジ色をしていることと、後翅に比較的広い青紋があることで
同様の斑紋を持つアミドン・アグリアスは他にもおりますが、青紋の大きさが魅力のひとつかも知れません。


裏面は他のアミドン・アグリアスよりも黒っぽい色をしているように思います・

さて、「オアハカタ」とは何でありましょうか?
実はメキシコの州の名前だったりします、ちなみに↓がオアハカ州の位置です


アミドン・オアハカタは、その名の通りオアハカ州の特産種で、現在の状況はともかく
この種類は特に個体数が少ない訳ではありませんが、近年は標本を見かけないように思います。

2種類のタテハ

2020-03-08 20:49:55 | 
ウチの蝶の在庫も底をつきつつありますが、とりあえず南米に生息しているタテハを2種類紹介します


どとらも5cmそこらの小さな蝶で、前翅にオレンジっぽい黄色、後翅に輝きのある青という点では共通いていますが
左は「マエキアカネタテハ(Asterope markii davisii )で、右は「ムラサキウズマキタテハ(Callicore pastazza)です。
表だけ見ると前翅の斑紋が違う同じ種類のように見えますが、裏はかなり違っています


右のウズマキタテハはその和名が示すように、後翅の斑紋が渦を巻いたような形をしており
一見すると先日紹介したアミドン系のアグリアスの裏面を簡素化したような感じにも見えますが
それに対してアカネタテハは規則的に点の並んだようなデザインで、色合いもまったく違っています。
この手の南米の小さなタテハは集め始めると大変そうですが、思いのほか美麗な種類もいて、楽しめる蝶だと思います。

2頭のアミドン・ペルヴィアナ

2020-02-29 23:52:00 | 
久々に、「ジャングルの宝石」である、アグリアス(ミイロタテハ)を紹介します
今回紹介するのは、ペルー産の「アミドン・ペルヴィアナ(Amydon Peruviana)」という種類のアグリアスです。

アグリアスは同じ地域に生息する同じ種類でも、個体ごとの変化が大きいことで知られていますが
↓の個体は前翅の斑紋がオレンジ色をしており、後翅の青色部は小さくしか出ていません。


これに対し同じペルヴィアナでも↓の個体は前翅の斑紋は赤に近い色で、後翅にが青色部が広くあります


裏面はというと①が前翅がオレンジ色の個体で、②が前翅が赤いタイプの個体ですが、表のように変化があるわけではありません





ちなみにアミドンミイロタテハは、同じアミドンの仲間として100種類以上の型や種、亜種に分類されており
この内、一部の種類をアミドンではなく独立した種として分類する場合もあるようで、分類が混乱しています。
(正直なところ良くは判りませんが・・・)
ペルヴィアナについては、後翅の青色部の下端の部分に金緑色がでているものが高く評価されるようで
そういった個体は高額で取引されるようです。

ティモールアオネアゲハとヘリボシアオネアゲハ

2020-02-24 23:44:53 | 
このところ遅生さんと青磁合戦を繰り広げてきましたが、もう一枚だけあったはずの伊万里青磁が行方不明のため
とりあえず、蝶のネタで時間稼ぎをすることにしました。

青磁は発色が安定しないこともあって、伊万里青磁でも青っぽい品と緑っぽい品が存在しますが
今回の蝶は同じ仲間ではあるものの、青っぽい斑紋と緑っぽい斑紋を持つ蝶を紹介します。

最初に登場するのは、「ティモールアオネアゲハ」(Papilio pericles)です

翅を開くと7cmほどのサイズで、わりと縦に細長い翅形を持った小型のアゲハです。
この蝶はティモール島からタンニバル諸島にかけて分布しており、同じアオネアゲハの仲間の中では小ぶりで
中央部の斑紋はオオルリアゲハほどではないものの、青に近い色をしています。
裏面は↓のように典型的なアキリデス(カラスアゲハの仲間)の姿だと言えるでしょうか。


続いての蝶は同じアオネアゲハの仲間で、「ヘリボシアオネアゲハ」(Papilio Iorquinianus)です

ティモールアオネに比べるとひとまわり大きく、翅を広げると9cmほどある中型のアゲハです
モルッカ諸島やイリアンジャヤに生息している種類で、一見してわかるように、中央部の斑紋は緑がかった色をしています
まったくこじつけではありますが、まさに伊万里青磁の発色の違いのように感じられます。
裏面についてはティモールアオネとさしたる違いはありません。


アオネアゲハの仲間は蝶の世界では人気薄でありまして、どちらもそれなりに奇麗なんですが
やはり地味な印象なのと、一般種であることも手伝って、安く買える種類でもあります。

チルドレナ・マエモンジャコウ

2020-02-19 21:13:16 | 
このところ、膨大なコレクションを誇る故玩館の主人(「ゲンセンカン主人」ではありません)、遅生さんと青磁合戦(?)を繰り広げてきましたが
ウチにもあと二つばかり伊万里青磁があるんですが、どっかにしまい込んでしまったので、とりあえず「蝶」で小休止です。

今回の蝶は、コスタリカ産の「Parides childrenae childrenae」(チルドレナ・マエモンジャコウアゲハ)です


前回紹介した「オルレアナ」よりも小ぶりで、翅を開いても6cmに満たない蝶です
個人的にはマエモンジャコウ(Parides)の中でもかなり美麗な種類だと思っていますが、特に前翅の明るい緑色の斑紋が印象的です
後翅の赤い文様も黒地に乗っているせいか、濃いピンクみたいな色に見える点も魅力的だと思っています。

↓が裏面ですが、表面の緑斑紋のある部分には斑紋はなく漆黒で、後翅には表よりも小さな赤い斑紋があります。


それにしても、黒地に緑と赤なんていう組み合わせは、なかなか思い浮かばないように思います。