Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 16(色絵古九谷雪輪文小皿)

2019-09-20 20:01:42 | 古伊万里
 色絵古九谷は伊万里全体の相場が下がった現在でもそれなりのお値段がしますので
ウチのような貧乏サラリーマンには似つかわしくない品であることは間違いありません。
とはいえ、何とか手に入れたいと思うのがコレクターの性でありまして、結果的に多少のキズは我慢という結論に至ります。

今回の品もそんな中のひとつで、ニュウが一本あることで安く入手した品です


見込みを青の圏線で囲み、その内側と外側に緑と紫で雪輪文を散らしています
重要なことは、この青の圏線は釉剥ぎされた上から色絵付けされていることで、これは重ね焼されたことを意味しています
この手のタイプは初期赤絵でも見られますので、小皿ゆえにある程度の数を量産するために行われたと考えるのが妥当でしょうか。



ところで、この雪輪の間に描かれている放射状の文様は何でしょうか?、ワタシには当初判らなかったのですが
先輩コレクターより、「雪輪と組み合わさっているのだから、雪の結晶を文様化したものでは」というお言葉をいただき
「なるほど~」と納得した次第です。



この品、とても上質な土が使われているようで、まさに純白です
そういった点を考えると、古九谷様式から柿右衛門様式への移行期の品という想像もできるでしょうか。

キズ物ながら、古九谷ならでは愛らしい小皿だと思っています。
(直径14cm)




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4 コメント

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雪輪紋 (遅生)
2019-09-21 09:33:16
この皿もデザイン的に非常に優れていますね。特に、青色の小さな二つ。これがあることで、全体のふくらみが増していると思います。現代アートと一緒に並べても、十分にいけるのではないでしょうか。このような抽象画が、江戸前期に描けるのはどうしてか、非常に不思議です。
 ただ、前から疑問に思っていた雪輪紋。博物学が流行した江戸後期ならありうるかもしれませんが、17世紀の日本で、雪の結晶の形が日本に陶工によって図案化され、描かれることは考え難いです。もし雪であれば人々の興味を強く引くはずですから、当時の絵や出版物にも描かれていると思うのですが。
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遅生さんへ (酒田の人)
2019-09-22 08:31:11
江戸前期のデザインには様式化されない自由さがあるように感じますよね~
その自由さと産業として拡大していく時代のエネルギーが
多彩なデザインを生み出した原動力なのかも知れません。
「雪輪文」、いつ頃から存在するのかは知りませんが、伊万里ではかなり初期から登場することを思うと、このデザインの原点が何であるのかは興味を惹かれますよね。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2019-09-22 20:09:15
今では、典型的な古九谷様式の皿として定着していますが、以前は、一時、何処で作られた物なのか分からないという時期がありましたね。

ホント、↑ で、遅生さんが言われていますように、現代アートにも通じ、デザイン的に優れていますよね。
ただ、それがどこから来たのか、私も、遅生さん同様、雪の結晶からきているとは思えないのですが、、、。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2019-09-23 07:28:51
古九谷が伊万里の一時代を作った様式であることが認知されたのはそれほど古い時代ではなかったんですよね。
平成に出版された図録では「古九谷」として掲載されていたように思います。

古九谷様式にはモダンなデザインが多いですが、誰が考えたのか不思議な感じはしますよね~。
とはいえ、この放射状の文様は妙に印象的で、この文様があることで、この小皿の存在感が増しているように感じます。
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