ウチの収集品は傷物が多いのは今まで紹介してきた通りですが、他にも値段の高い七寸サイズ以上の品も多くありません。
収集を続けるには経済力に見合った品を買うしかないという事情が大きいのは確かで、そういった意味では今回の品は傷物で小皿ですから
ウチの収集品としてはうってつけの品ということになるでしょうか。
「色絵鳳凰文隅切り小皿」
11cm四方の小皿で、隅切りされた特徴的な成形がされています
見込み中央には赤・黄・緑・青を使って鳳凰文が描かれ、四隅にはなにやら良く判らない文様が描かれています。
輪郭線を黒で描き、中を色絵で塗るというスタイルから判断して柿右衛門様式であることは間違いありませんが
赤の発色については盛期柿右衛門の赤ではなく、しかも色絵が結構厚塗りだったりします。
表にはニュウが一本あり、裏を見ると高台内には甘手の貫入が見られますので
決してコンディションは良くありません。
思えば、状態はともかく「色絵柿右衛門」という名前に惚れて購入したのは確かです。
抽象化がすごいですね。
よくある鳳凰紋の元になった絵柄か、逆にそれれをさらにデザイン化したものでしょうか。
にゅうもあまても、写真では全くわかるません。
この手も私の好きなタイプです(^_^)
これが本当の(?)柿右衛門様式のものなんでしょうね。
これまでに言われて来た盛期柿右衛門というものは、むしろ、後期柿右衛門というところでしょうか、、?
勢いが違いますよね。
この品はさしずめ「団鳳凰」といった感じでしょうか。
画像だとある程度のサイズにしないと判りませんが、高台の内側は貫入でピリピリです、でも叩くと鈍い音がするわけではありませんで
完全な甘手という訳でもなさそうです。
傷物なら良い品を安く入手できる、これがすべてだったかも知れません。
ドクターの好きなタイプの品でしたか!
盛期柿右衛門は様式として完成された魅力がありますが
このあたりの品には不思議な生命力が感じられますよね。
大きく発展していく時代の勢いというか、力強さなのかも知れません。