ウチの古伊万里も底をついておりまして、とりあえず看板に偽りありを承知で大聖寺の小皿を紹介します。
「大聖寺色絵小皿」
よく見かける、どこから見ても大聖寺といった感じの四寸皿です
この手の大聖寺の本歌は勿論、元禄期の伊万里(献上手とか呼ばれる)ですが、江戸後期の伊万里にも同様の元禄写しが存在しますので
写しの写し(?)とでも言いたい品ではあります。
落款はこの手の大聖寺の典型である「奇玉宝鼎之珍」(通称「埼玉県の宝」)で、この手でも良い品だと表と打抜きになっていますが
このような量産品は裏面は手抜きの唐草です。
注目すべきは高台の部分で、大聖寺の特長としてよく知られる斜め切りされた高台になっています。
また、伊万里とは明らかに違うザラついた土の品もよく見られます。
唐草部分のUPですが、描き方に特長があるのと、染付の発色も特徴的な色をしているように感じます。(少なくともワタシは)
この手の品は昔は「江戸後期」として売っている業者が結構いましたが、明治中期~大正あたりの品だ、と業者さんに聞いたことがあります
この品は今から20年以上前、初期のヤフオクで購入した品なんですが、扱っていたは東京の業者さん(早い時期からネット販売を手掛けており、良い品が掲載されていた)
ですが、まるで当然のように「伊万里」として販売していました。
ま~、買う方も陶磁器初心者ですんで、伊万里も大聖寺もワカランという状況だったのは確かです。
今なら「これを伊万里として買うなんてアホ」とか言われそうですが、何事も身銭を切って勉強ということでしょうか。
私も昔、綺麗な伊万里を買って、別の骨董屋に見せたら、こりゃ大聖寺だ、と言われ、ガーンとなりました(^^;
明治中期ー大正ですか。でも、古伊万里を作らなくなった伊万里にかわって、時代に即した伊万里を大聖寺が作ってくれた、と考えれば、それなりに納得できます(^.^)
いまでも、良く出来た大聖寺のものは、見分けるのが難しいですね。
我が家にも、何点かは混じっていると思います(多分)。
初心者には綺麗で手のかかったお皿に見えるんですよね~・・・。
遅生さんも大聖寺と伊万里の間違いを経験されましたか
ワタシだけではなかったんですね。
染付でも、かの有名な藍九谷の竹虎文皿も大聖寺の写しがあるようです。
判らない品に手を出すことが骨董の醍醐味でもありますんで
なんというか悩ましいものですよね。