しばらくぶりで伊万里を入手しましたので紹介したいと思います
「吹墨色絵菊文五寸皿」
比較的作例の少ない中期((享保あたり?)の吹墨色絵の五寸皿です
吹墨が特に好きと言う訳ではないんですが、この品は一見した時点で「ぜひ入手せねば」と感じた品です。
見込み部分には大きな菊文が金彩と緑だけで絵付けされており、この組み合わせもあまり見かけないように感じます
落款は比較的上手が多い「大明萬暦年製」で、裏面には表に使われていない赤が使われています
惜しむらくは裏面が部分的に甘手ではあるんですが、それが故に安く入手できたというのも現実です。
以前に書いた「吹墨の伊万里」を見ると判るように、今回の品はウチにとって四枚目の吹墨皿ですが
今回の品と同様の色絵の品は、落款も同じ「大明萬暦年製」であることを思うと
この小皿も同じ窯で似たような時代に制作されたのかも知れません。
もっとも、ネットの世界は、暑さ、寒さは関係無いので、ニッパチ月の影響は無いのかもしれませんね(^_^)
それはさておき、これは珍しいですね。
色絵の吹墨というのは珍しいのに、これは更に珍しく、表面の色絵が金彩と緑だけなんですね!
金彩の保存状態が比較的に良いのも嬉しいですね(^-^*)
薄緑の葉に白菊、それを金彩で縁どる・・・憎い上品さです。
裏は一転して、萬暦赤絵のような賑やかさ。
表と裏の対比が、意表をついて見事です。
吹き墨いいですね!私はもっていませんが構図が素敵です。
そして酒田さんが手に入れられるお皿は裏側もまた素晴らしいですね!
丁寧に書き込まれておりすごく良いですね(^^)
そして萬歴年製の銘がいいですねー!
この時代様々銘はあるかとおもいますが個人的にこの銘は信頼度が高いと感じています笑
吹墨と色絵は普通に考えると組合せ的には「?」ですが
それでも作られているということは、他と違った品を作ろうとしたということでしょうか・・・。
この品の場合、見込みの絵柄に赤を使わなかったので落ち着いた感じになっているように感じます。
色絵との組合せが少ないのと、やはりこの色の組み合わせが意表をついているのは間違いなさそうです。
裏の文様の描き方や色使いは明らかに萬暦赤絵の影響を感じますよね!
恐らくは特定の窯でしか焼かれなかったのかも知れません。
「珍しい品に違いない」と思い、即決で購入した次第です。(安かったから)
中期の色絵の品にこの落款を見かけますが、ウチにもこれを含め二枚しかありません
どちらも吹墨色絵という共通点がありますが
同時期に同じ窯で焼かれたと考えれば納得できそうです。