牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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酒屋にしかないものpart?:白鷹・樽酒の量り売り

2008-04-23 12:11:28 | 酒のご紹介
以前、コンビニでは用が足らない、「酒屋にしかないもの/できないもの」として、「お供えの一升瓶」とか「一升瓶の二本縛りの技」とか「瓶のリサイクル」等々を記事にしました。

また一つ、思いついたのがタイトルのコレ。

そう、樽からの量り売りです。

写真は、月桂冠さんのHPにあった昔の写真ですが、現代日本では、先週のお得意先紹介でご案内した、升本小沢商店さんでやっています。

ところで、神楽坂涵清閣。今日の順位は?

量り売りの流儀(?)としては、「お客さんが来る都度、樽から瓶に詰める」流儀と、「それでは香りが付きすぎる」と「予め瓶に取り分けておく」流儀があるようですが、升本小沢商店さんは前者のスタイル。

樽ごと冷蔵されており、注文が入るとご主人が奥様に声を掛け、奥様が瓶に詰めて下さいます。(ナゼ、ご主人は詰メナイノカ、理由ハ不明デス)

瓶には手製の洒落たラベルが貼ってあります(誰が作ったんだろう。。。白鷹の営業主任さん的なデザインなのですが)。
早速、皆で試飲してみました。


紺屋の白袴、ではありませんが、我々も樽酒は鏡開きの時に飲むくらいなので、開けたてのものしか飲んだことがありません。

今回購入したものが、樽を開けてから何日目かは聞きそびれたのですが、ほんのりと甘さのある杉の香りがしっかりと付いています。

淡麗なお酒だと、こうした甘い香りが得てして甘ったるい印象を与えてしまうのですが、そこはしっかりとしたボディのある白鷹。甘い香りもむしろコクとして感じられます。

ちなみにこれは青松白鷹(上撰です)。
神楽坂の伊勢藤さんの絶妙の燗付けの青松も素晴らしいが升本小沢さんの青松・樽酒もまた素晴らしい!!

720ml詰めで1,350円(瓶込、税込)だそうです(確か瓶代100円)。
えっ??と思ったのは、その値段設定。
価格表によれば、二斗の仮巻樽の参考小売価格は61,278円。
これに二斗=36リットル入っているわけですから、一リットル当たり1,702円。720ml換算だと1,225円になります。瓶代を考ると、ほとんど割り算どおりの価格。
小分けにする手間とか、小分けにする際のロスとか、保管のリスクとか、さらには樽が吸う分などのコストは全く考えられていません。

ご主人の心意気でしょうか?

さて、こんな樽酒の量り売りですが、季節のイベントとして行っているお店や、通信販売で手がけているところなどはあるようですが、普段から行っているお店は数少ないようです(ネットで検索しても数店くらいでしょうか)。
確かに、上述した手間等を考えると、割に合わないのかもしれませんが、いや、本当においしい。
消費者の方にも是非知って頂きたいし、酒販店さんでもその復活、をお願いしたいものです。

江戸・東京の「樽酒量り売り酒販店さんリスト」、つくってみようかな。。。

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牛込・神楽坂 酒類卸 升本総本店
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コメント (3)
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