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大人の会合「伊勢志摩サミット」の乾杯の日本酒報道はお子ちゃま?

2016-05-22 12:35:47 | 酒の情報(酒エトセトラ)
                           
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伊勢志摩サミットが近づいてきました。



ここ数日、検索して辿りつく人がとてとても増えているのは、こちらの記事、です。



こちらの筆者もその一人かもしれません。


こちら



毎日新聞の朝刊コラム「余禄」です。



朝日の「天声人語」よりも知名度は低いですが、個人的には毎日新聞は好き。





ちょっと長くなりますが、全文を引用(毎日新聞さん、ごめんなさい。叱られたら消します)

 互いの目を見てグラスを合わせる乾杯の起源には諸説ある。中世のヨーロッパで、相手とともに杯に口をつけ、毒は盛っていないことを知らせたというのが有力だ。
疑心暗鬼渦巻く時代だったのだ▲まもなく伊勢志摩サミットで主要7カ国の首脳らが夕食会に集い、乾杯する。その杯の中身が注目だ。
毒のあるなしではない。どんな酒が選ばれるか、である▲2000年の九州・沖縄は栃木県足利市の「ココ・ファーム・ワイナリー」の発泡ワイン「NOVO」だった。知的障害者が育てたブドウで造ったという物語性もあった。08年の北海道洞爺(とうや)湖は、静岡県焼津市の磯自慢(いそじまん)酒造の「中取り純米大吟醸(だいぎんじょう)35」だ。飲み比べの審査で外務省が選んだという▲さて今回である。ひそかに思いを寄せるのが福島県酒造協同組合だ。有数の酒どころは、原発事故の風評被害にいまだに苦しむ。そうした中、世界最大のワイン品評会「IWC2015」の日本酒部門で、ほまれ酒造の「会津ほまれ 純米大吟醸酒」が最高賞に輝いた。
組合首脳は2月、安倍晋三首相に受賞を報告し「サミットで、ぜひ」と訴えている▲ところが先日、地元・三重県鈴鹿市の清水清三郎商店の「作(ざく)」に決まったという報道が流れた。
毎年のように国内外の賞をとる名高い酒だ。だが、電話すると「何も聞いていない。困惑しています」との返事である。
先走った報道だったのか。最終的には首相の一存ともいう▲日本酒の魅力は世界に広がりつつある。晴れのうたげの酒に選ばれれば、知名度を高め大きなアピールの機会を得るだろう。
首脳同士の議論以上に気になる人も多いに違いない。





「毎日新聞は好きなんです」という立場からは、ちょっとびっくり(というか残念)。


毎朝、ある意味時計代わりにつけているワイドショー情報番組は、見ている側として言うのも何ですが、と思うのは、いまだにスポーツ新聞や週刊誌、ネット上での話題等を後追いして、しかも「○○誌によれば」と付加価値もつけずに出すのは何だかなぁ、と思ってしまいます。

その点で、活字媒体はしっかり、と思っていましたが、このコラムは、、、、、、。


裏も取らず、蔵元さんの名前が出ていますよ。


コラムとはいえ、天下の毎日新聞ですから、これで全国津々浦々に広まる、という訳です。





ちなみに、毎日新聞の筆者が引いた「報道」は時事通信のこちらでしょう。



「三重尽くし」のサミット=日本酒は「作」、真珠も

 8年ぶりの日本開催となる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開幕が26日に迫った。
ホストを務める安倍晋三首相にとって、表舞台の議論取りまとめだけでなく、各国首脳をどうもてなすかも重要な課題だ。
首相自身の強い思い入れで三重県開催を決めたとあって、夕食会のメニューや贈り物は「三重尽くし」となる。
 「日本の原風景とも言える美しい自然がある」。首相は昨年6月、三重県志摩市でのサミット開催を発表した際、その理由をこう説明。
「日本のふるさとの情景をリーダーたちに肌で感じてもらいたい」と語った。
 26日夜の夕食会を彩るメインディッシュは、地元伊勢湾の名を冠し縁起物でもある伊勢エビと名産のアワビ、三重県が世界に誇る高級ブランドの松阪牛。
海外でもブームが広がる日本酒は、1869年に創業した同県鈴鹿市の蔵元「清水清三郎商店」の「作」(ざく)を選択した。
料理を試食した政府関係者は「絶品だった。各国首脳をあっと言わせてほしい」と太鼓判を押す。



確かに酒類業界でも、こちらの蔵元さんのお名前は早くから出ていました(実は先般の記事を書いた時点でも聞いていました)。

しかし、裏も取らずにネタにするのは気が引けますし、乾杯酒などは当日に、というのがお楽しみでもあるし、触れ回ったりしない、という、自分も含め皆さん大人の対応をしていたと理解しているのですが。。。。。


ついでに、だが、電話すると「何も聞いていない。困惑しています」との返事である。という一節も気になります。


渦中の蔵元さんにしたって、仮にビンゴ!だとしても、「はい、そうなんですよ」と答えられる訳がありません。
(サミット用にはそれ専用のタンクを1本仕込むでしょうから、使うのであれば冬には相談がある)。


それをそんなやり取りまでまとめて一面コラムに載せるとは!


時事通信さんの記事はある意味スクープ的に出したもので、それはそれで一つの見識だと思うのですが、毎日新聞さんの方は、ネタとしての聞き書きでありながら、実はそれを言いたい、的な扱いで、「セコさ」さえ感じます。



しかも、最後の部分も、わざわざ「天声人語余禄」として言うことなのでしょうか?


日本酒の魅力は世界に広がりつつある。晴れのうたげの酒に選ばれれば、知名度を高め大きなアピールの機会を得るだろう。
首脳同士の議論以上に気になる人も多いに違いない。



はい、その通りですけど、それが言いたかったのですか?


毎日新聞×政治×お酒、と言えば、「エリゼ宮の食卓」で有名な西川恵さんがいらっしゃいます(確か今は編集委員?)が、その人おひざ元でこんなコラムが出ちゃうんですね。


ちょっと残念です。



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