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高齢者は飲み過ぎで、お酒を飲む人は認知症が少ない!?

2017-10-03 12:03:01 | 附属酒類経済研究所
                           
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うーん、良く分からない。


インパクトのあるプレスリリースだったのか、あっちでもこっちでも出ていました。


あっち
(日経朝刊)


こっち
(毎日夕刊)


「高齢男性、半数飲み過ぎ」



「飲酒高齢者 飲み過ぎ」



お爺さんの半分は飲み過ぎってことでしょうか。

周囲を見渡し、心当たりが無いわけではありませんが、、、、これがオールジャパンだとすると大変ですよ。


でも、それにしてはウチのお酒は売れていない、、、、、、、、。


どんなことなのか、日経の方を、ネットニュースのヘッダで見てみましょう。

お酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1が健康を保つための「節度ある適度な飲酒(適正量)」の目安とされる「1日当たり日本酒1合」以上のアルコールを摂取していることが、厚生労働省研究班(代表、田宮菜奈子筑波大教授)の分析で1日、分かった。
このうち適正量の3倍を日常的に飲む「多量飲酒」は高齢男性の約5%に達し、適正量が十分に知られていないことが浮き彫りになった。



なるほど。

まず、スタートラインは、「お酒を飲む高齢者」がいて、「そのうちの男性の半数が1日当たり日本酒1合以上」ということのようです。

で、「お酒を飲む高齢者」というのは、「月一日以上飲酒する」ということで、15万人のデータのうち4万8000人ということですから全体の1/3です。


つまり、「半数」といいつつ、全体では1/6ということです。
ちょっと盛ってますよね。

さらに「そのうちの半数が一日日本酒1合以上」と書いてありますが、これも冷静に考えると、「毎日飲むかどうかは別にして、飲んだ時は1合以上」ということのようです。

一見「全員が毎日1合以上」と見えますが、これも違った。



また、記事では「認知症の人の1/7は飲酒の習慣があった」と、「飲酒する人は認知症になりやすい」的な記載もありますが、スタートラインでは「飲酒の習慣がある人は1/3」ですから、これだけから見ると、「飲酒の習慣がある人は認知症になりにくい」とも見えるし。

「半数」とか「○%」とか、母数を曖昧にしているのは、科学的ではのはもちろん、客観的ではないですよね。
(まあ、「酔っ払って事故にあった人の100%は飲酒している」というロジックみたいなもの)

もちろん、過度の飲酒(というか飲酒自体)は体に決して良いとは言えないので、その辺りの啓発は大事ですが、盛ってしまうと却って信頼感も薄れる。


最近、EBPMとか流行っていますが、この辺りの統計リテラシーの醸成も大事ですね。


#余談ですが、この調査、このために調査をしたのではなく、国民生活基礎調査のデータを活用しているようです。こういう二次利用って税金の有効活用のためにも大事だと思います。
ただ、その分、ちゃんと解析して、ちゃんと表現して欲しいです。
(まあ、桃山学院大学のトンデモ論文よりはましですが)




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