昨日も触れた、伊丹から江戸まで船で酒樽を運ぶという「伊丹諸白下り酒プロジェクト」の江戸到着イベント@夢の島マリーナ。
御紹介したような新川締めや鏡開き~振る舞い酒などの他に、興味深い実演がありました。
実演された「岸本吉二商店」さんのパンフ
「岸本吉二商店」さんの名前は酒樽とか枡とかと一緒に良くお見掛けしますね。
パンフにも「菰樽」とあるし、いらしていた社長さんや社員の方も背中に「菰樽」と染め抜かれた半纏を着られていましたが、菰樽屋さんとは?
社長さんにお話を聞くに、樽廻船に樽を積む際に緩衝材や銘柄の区別をつけるための菰(銘柄付きは「印菰」というらしい)や菰縄を作るのが菰屋さんで、酒どころに囲まれた尼崎で農家の冬場の仕事として成立したようです。
そしてこれらの菰を各蔵元さんで酒樽に巻いていたのが、今では各蔵元さんに菰を巻く職人さんがいるわけではないので、菰を巻く作業も菰屋さんが手掛け、「菰樽屋さん」になったということです。
イベントでは、実際に四斗樽に菰を巻く実演も。
菰の裏側に緩衝材の藁を入れて、
樽を寝かせて菰巻き開始
なかなかの力仕事(お酒が入っているとさらに大変らしい)
手際よく10分前後が完成です。
お疲れさまでした!!!
「ふーん」だったのは、菰を巻く職人さんのことを「荷師(にし)」と呼ぶということと、大きな四斗樽を巻くためには長い藁が必要で、コシヒカリなどの普通の食米ではなく、背の高い山田錦など酒米の藁を使わざるを得ないそうです。
酒樽には食米ではなく酒米の藁で作った菰が、というのはまさにSDGsですね?
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