先日おめでとうございます!!!となった、日本の伝統的酒造りのユネスコ世界遺産への登録。
業界外の方とも話題になったりしているので、一応要件を確認しようとしたのですが、世界遺産登録に際してのルールは特にないようですが、それに準するものとして申請資料の中に要件が記載されているようです。
【登録の要件】
一 原料を酒造りに適した状態に前処理すること。
1 こうじにする原料の状態を見極め,手作業により水分調整すること。
2 蒸きょうを行うこと。
二 酒造りに適したバラこうじをつくること。
1 こうじにする原料は,米又は麦とすること。
2 こうじ菌は伝統的なアスペルギルス属の菌を用いること。
3 木蓋、木箱又はこれに準じた機能を有する器具を用いること。
4 こうじ菌の生育状態を見極め,手作業により製麴管理すること。
三 もろみを発酵させ,目的の酒質にすること。
1 発酵はこうじを用いた並行複発酵によること。
2 水以外の物品を添加しないこと。
3 もろみの状態を見極め,手作業により発酵管理すること。
なるほどなるほど、これが伝統的酒造りと言われると、確かにそうなりますね。
こうしたことを何百年続け、進化させてきたというのが誇るべき日本の酒造りですが、その一方で、進化の先は「伝統的酒造り」ではなくなってしまうのでしょうか。
例えば、要件一の1「こうじにする原料の状態を見極め,手作業により水分調整すること」などは、大手さんなどではデータを元に機械化されているような気もします。
また、要件の二も3も、木蓋(麹蓋)ではなくて機械製麹法を使っている蔵元さんもあるでしょうし、それはある意味進化とも言えるかも。
灘酒研究会HPより
まあ、この辺りの機会かは大きなメーカーさんが手掛けている場合が多いので「大きなメーカーさんの大量生産品は該当しない」という話になってもやむを得ない、という整理もあると思います。
その上で、解釈がまだよく判らないのが、要件三の2「水以外の物品を添加しないこと」。
これ、「水以外の物品」として何が当たるのか。
速醸での乳酸添加がこれに該当するとすると、現状、速譲と生酛系の生産量比率は9:1とも言われているし、酒類総研の新酒鑑評会の入賞酒にも速醸が多数を占めているし、これらが「伝統的酒造りではない」となるとマーケティング上もややこしそう。
まあ。ウチとしては担いでいる「白鷹」は王道生酛なので都合がいいんですど、お客様的には速醸をお好みの人もいるし、自分的には速醸も「伝統的」とも思うのですが、その辺り、どうなんでしょうね。
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