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酒持ってこい!ではなくて、お酒チョーダイ!です。
昨日の日経新聞のコラム「春秋」に、天皇陛下が上皇になったら京都に、という声が出ていることを引き合いに、維新の際の明治天皇の東京入りのことが書かれていました。
曰く、天皇の東京入りは遷都ではないと言外ににじませつつ、なし崩し的に東京が帝都になった、と。
ピンと来ましたよ!
実は最近、とあるプロジェクトを進めていることもあり、昔の資料等を見ることも多いのですが、一昨日、見た絵です。
こちら
ちょっと見づらいですが、「御酒頂戴(ごしゅちょうだい)」という錦絵。
明治元年、東京入りして江戸城滞在中の明治天皇から江戸(東京)の町民に対して挨拶代わりに酒を振舞った、という豪勢なお話。
なんでも、大町(百軒以上の大きな町には3樽、50軒以上の「中町」には2樽、それ以下の小町には1樽、総数で2563樽を下された、ということです。
当時、維新になってどうなるんだろう?と不安もあった市民にとってはかなりの大事件(うれしい意味で)で、「御酒頂戴」あるいは「天酒頂戴」という画題で錦絵や版画などが出ているようです。
東京府御酒頂戴 江戸橋日本橋風景
(歌川国輝)
上の絵にも見られるように、町の代表が樽を受け取り、幟や旗で飾り、鉦や太鼓で囃しながら町内に帰っていった、らしい。
拡大
(大坂町は3樽貰った)
これは天酒頂戴
(3代目歌川広重)
これなどは、皆で既に飲んでいる感じ。
東京府御酒被下之図
(歌川芳盛)
拡大
ここまで来ると、ほとんどブリューゲルの民衆、のようですね。
ほら
しかし、もし天皇陛下が京都に住まわれることになったら、京都でこんな感じでお酒を配るのでしょうか。
特需ですね!
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