How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

どうなるギブソン

2018-02-22 01:11:52 | 音楽徒然


コラム:米ギターの名門ギブソン、破産法申請不可避か

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時代が変わってきたということだろうなあ。
フェンダーの経営が芳しくなくてギブソンが破産不可避とか、僕が現役でギターを弾いていた頃では考えられない。

仕方ないのだろうな。
ギターを弾けなくてもコンピュータで音楽を造り出せるようになったからね。
高価な楽器一本に投資するよりコンピュータに投資した方が効率的なのだろう。
やむを得まい。


でもさ、中国製の楽器でも良い音が出るとか書いてあるけどさ、何十年も前に手作業に近い生産方法で組み込まれて、何十年にも渡り弾き込まれたギターの枯れた音は、新しいギターとは違うのだよ(古い楽器の音を擬似的に作り出すことは可能だけど)。

そういう古い楽器の魅力を分かってくれる奏者が減っていくのは寂しいね。
分かっているのは、引用記事の本文中に書かれている「たるんだ体型の高齢ベビーブーマー」なのだろう。
全然カッコ良くない。
若者の憧れの対象とは成り得ないね。
そりゃあギターも売れなくなるよ。


因みに僕は所謂「ロック・ギター」とか「ロック・ギタリスト」には興味もなく憧憬も抱いたことがない。
「ギター・ヒーロー」みたいなギタリストも居なかった。
最初は単に曲が作りたくて楽器を手に取ったという感じです。

だからレス・ポールもフライングVもSGも、所有したこともなければ弾いたこともない。
僕はギブソンのギターはホロウ・ボディのギターが好きだな。
ボディが木の塊ではなくてで中身が空洞になってるやつね。

1964年製のES-330は(画像参照)、わけあって放出したけど、本当に深みのある、枯れ始めだけど艶っぽい魅力的な音だったな。

 

 

【追記】

レス・ポールはそもそもジャズ向きのギターとして誕生したということは存じております。


ビートルズ・ビジネス ~ハイレゾ音源のサージェント・ペパーズ

2018-01-21 09:49:27 | 音楽徒然
ビートルズ8作目 ハイレゾ版の音に注目すべき理由 - 週刊アスキー


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僕が初めてSgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band を聴いたのは1993年だった。
リリースされてから26年が経過していた。
「凄いな。26年前の録音とは思えないな。」と感じた。



そのアルバムのハイレゾ音源が配信され始めたという記事を読んだ。
ミキシングの基本のイロハの記述もあって、記事そのものはとても良いと思う。
それを読む限り、1967年リリースのオリジナル音源とは相当な違いがあるのだろうなと思わせる。
興味のある人にとっては、録音手法、ミックス・ダウンの手法の検証の素材としても凄く良いのだろうな。


いまだに何らかのビートルズネタで毎年のように話題になる。
要するに「ビートルズ・ビジネス」がある。
興味のある人が居て、ビジネスとして成立する限り続くだろう。
それはいいんだよ。
否定しないよ。
ハイレゾ音源のサージェント・ペパーズ、僕も聴いてみたいよ。
でもそこには当時の雰囲気を伝えてくれるものが欠けているのだよ。
4トラックのレコーダーを駆使して、1967年にあの音源を完成させたという偉業を知ることができないのだよ。
そして当時の媒体はレコード盤だよ。
ハイレゾ音源はなんだ?
ネット配信?
ダウンロード?
それを聴いたなら、是非ともオリジナル音源も聴いてほしいよ。

「50年前でこの録音か。なんて素晴らしいんだ。凄すぎる。」
そう感じるはずだよ。


でも、もしかしたら、50年代以前のチリチリのノイズだらけの音源を僕らが聴きにくいと感じるのと同様に、今の若い世代はオリジナル音源のSgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band は聴きにくいのかな。
だとしても仕方ないのかな。


Then I Kissed Her / Don't Worry Baby / God Only Knows / Winter Couples

2018-01-14 00:48:17 | 音楽徒然

生きていくためには食わねばならぬ。
食うためには稼がねばならぬ。
というわけで僕は勤め人をやっています。
職種は営業です。
殆ど営業してないけど組織上は「営業職」ってことになっています。
だから客先を訪問します。
所謂「外回り」です。



つい先日のこと、昼近くまで社内で事務仕事をしてから外回りに出かけた。
何処か公園の駐車場にでも停めて車内で昼食にしようと考えていた。
最近はどの営業車に乗るかはだいたい決まっていたのだが、その日はたまたまいつもとは違う車両に乗り込んだ。
エンジンをかけると聴いたことのあるメロディが流れ始めた。

僕は勤務中は音楽やラジオは流さないことにしているのだが、その日はいつもとは異なる車両に乗り込んだため、前日に運転した同僚が合わせていたFM局の放送がかかり始めたのだった。
流れた曲は The Beach Boys の "Don't Worry Baby" だった。

始動直後のエンジン音は騒々しい。
更には車外から車内へ荷物を積み、前日までに同僚が散らかした車内を片付けようとしていたため、最初は流れ始めた曲が何だったか思い出せなかった。
「あ~なんだっけなあ、聴いたことあるなあ」と思いながら耳を傾けていると "Don't Worry Baby" だと気付いた。
営業車に乗り込むと、僕はそのまま暫くクルマを出さずに、"Don't Worry Baby" に聴き入って美しい旋律を味わっていた。


この曲との出会いは日本人女性シンガーの日本語カヴァー・ヴァージョンだった。
年末にもこのブログで記事を書いたが、野田幹子さんの"Winter Couples” に収録されていたヴァージョンだった。
僕のビーチ・ボーイズ原体験は幹子おねえさまのヴェルヴェット・ヴォイスとともにある。


"Don't Worry Baby" が終わると僕はクルマを走らせた。
ラジオのパーソナリティが語りを始め、やがて次の曲を紹介した。
"Then I Kissed Her" だった。
これもまたビーチ・ボーイズの曲だ。

これは英語特有の表現なのだろうか。
単に"I Kissed Her" とするのではなく "Then" をつけることによって独特の「間」が生まれる。
その前に何かしら出来事があった上での " I Kissed Her" であり、出来事と " I Kissed Her" までの時間経過と、それに伴う "I" の心境変化を想起させるのだ。
僕はビートルズの "And I Love Her" にも同じ感覚を抱く。
この感覚が妙に切なくてよいんだな。

しかしこの "Then I Kissed Her" という曲そのものについては全く切なくない。
タイトルだけ読むと一抹の切なさがあるのだが、曲を聴くととても温かな持ちになる。
"Summer Days" というタイトルのアルバムに収められた曲だが、能天気なサーフィンソングではないビーチ・ボーイズの曲は、よく晴れて寒い冬の日にもお似合いかなと思えてくる。

僕は英文科の学生だったので英文は読めるのだが英会話が出来ない。
基本的に英語を聴きとれない。
でも "Then I Kissed Her" の詞くらいだったら結構聴きとれるし、内容はだいたい分かる。
「一緒にダンスを踊って彼女に惚れて、両親に挨拶して結婚します」というおめでたい内容だ。
全く切なくない。
公園の駐車場にクルマを停めて、僕は昼食を食べながらyoutubeでもう一度 "Then I Kissed Her" を聴き、英語の歌詞を検索して内容を確認した。
凄く寒い晴れた冬の日だったけど、温かで幸せな気持ちになれた。



そして週末、僕は"Then I Kissed Her" と "Don't Worry Baby" を何度も聴いていた。
"Don't Worry Baby" に関しては、Lorrie Morgan がリード・ヴォーカルを取り、ビーチ・ボーイズのメンバーがコーラスをするという豪華すぎるカヴァー・ヴァージョンも聴いていた。
Lorrie Morgan というシンガーについては僕はよく知らなかったのだが、カントリーの歌い手さんのようだ。
表現力も豊かだし、声の質も凄く良いな。
この女性シンガーが歌う "Don't Worry Baby" を聴いていると、この曲は "God Only Knows" に匹敵する名曲ではないかと思えてきた。
どちらも野田幹子さんの "Winter Couples” に収録されている。


またここでも宣伝しますが、ビーチ・ボーイズが好きなら、是非とも聴いて欲しい。
野田幹子さんの "Winter Couples” を。
クリスマスは過ぎたけど、まだ冬です。
間に合います。






関連動画をたくさん貼っておきます。
興味があれば是非観て聴いてください。

 

"Then I Kissed Her" / The Beach Boys


"Don't Worry Baby" / The Beach Boys


"Don't Worry Baby"  / The Beach Boys and Lorrie Morgan


"Don't Worry Baby" / 野田幹子さん 日本語カヴァー  ※動画のセンスは投稿者のセンスですので当方は責任を持ちません。


"God Only Knows" / 野田幹子さん 日本語カヴァー


"God Only Knows" / The Beach Boys










クリスマスにはこれを聴け その2 ~Stina Nordenstam 「Soon after Chriatmas」

2017-12-24 08:25:06 | 音楽徒然

大学に上がって1年が過ぎて、僕はもうすぐ21歳になろうとしているところだった。
池袋のHMVの試聴コーナーに、Stina Nordenstam(スティーナ・ノルデンスタム)という名のスウェーデンの女性シンガーのセカンドアルバム「And she closed her eyes」が置かれていた。
一聴して魅かれた。


少女のようなウィスパー・ヴォイスと言えばよいのか、或いは童女の雰囲気を醸し出す成人女性の声と言えばよいのか。
果ては幼さを残したまま年を重ねた実は老婆なのだと言われても納得しそうなとにかく不思議な声。
過去のブログにも書いたのだが、歴とした英語ではあるが宇宙語とでも言えそうな発音と、水の中で録音したかのようなブクブクという泡の音が聞こえてきそうな浮遊感のあるサウンド。
もっと深く時間をかけて聴きたいし、アーティストのことも知りたい。
だが当時は今のようにインターネットで情報を入手することなどできない。
日本盤は約1カ月遅れてリリースされるとのことだったので一先ずそれを待つことにして、代わりにファースト・アルバム「memories of a color」を日本盤で購入した。
収録されていた「Soon after Christmas」に魅かれて、今日で24回目のクリスマスが訪れた。




彼女のことを紹介するのに適切な表現を見つけるのがとても難しい。
非常に個性豊かな才能なのだ。
その後にThe Cardigans(カーディガンズ)やCloudberry Jam(クラウドベリー・ジャム)などのスウェディッシュ・ポップが多数紹介されても、スティーナが話題に上がることはなかった。
とにかく特異な才能だった。

サードアルバム「Dynamite」でサウンドの方向性に変化があり、僕の好みからは外れた。
以降、積極的に聴くことはなかったのだが、「Soon after Christmas」はずっと脳内再生していた。
スティーナの楽曲の中ではかなりストレートな詞だった。




多くの人が経験していることなのだろう。
離れたくはなかったが、離れざるを得なかった人、離れなければならなかった人、離れないわけにはいかなかった人。
大好きだったけれども、深く愛していたけれども、それをうまく伝えることができなかった人。
最初は些細なことから始まったけど、気付けばあなたは離れ始めていて、そしてそれはとても衝撃だった。
夜は嵐のように胸がざわめき、昼でも真冬の木枯らしに吹き曝されるように冷たく。
もう、私は別の人と人生を歩んでいるけれども、今は、こんな冬の日には、全身であなたを感じていたい。


そんな気持ちをスティーナが歌ってくれた。
彼女の中ではその時の情景が冬だったのだろう。
偶然クリスマスが近かっただけなのだろう。
流行歌とも受け取られかねないタイトル「Soon after Christmas」。
彼女の作品群を思えば、タイトルに「Christmas」を含めることを厭いそうなのにこの曲では用いられた。
詞を読んでみると手に取るように判る。
とても純粋な気持ちを歌ったのだろう。
たまたまクリスマスが近かっただけなのだろう。
安い流行歌のような印象でも構わないと考えたのだろう。
虚飾や見栄やプライドはかなぐり捨てた、スティーナの純粋な気持ち、心の叫びを歌ってくれたのだろう。
そしてそれは曲を聴く多くの人にも通じるものだったのだろう。

静謐なアコースティック・ピアノの伴奏がまた心に沁み入ります。
Stina Nordenstamの「Soon after Christmas」 (タイトルをクリックでyoutubeへ)




Sonn after Christmas
詞/曲:Stina Nordenstam
訳:鮭一


I've called you now a thousand times           何度も何度もあなたのことを呼んでみた。
I think I know now, you're not home           そして今ようやく分かった。あなたはもう居ないね。

I've said your name a thousand times           あなたのなまえを口に出して何度も何度も呼んだよ。
To be prepared if you'd be there               もしかしたら今頃あなたは帰ってきてるんじゃないかなと思って。

I wanted so to have you                     あなたにはいつも隣に居てほしかった。
And I wanted you to know                   そしてそれをあなたに知って欲しかった。

I wanted to write songs                     そんな曲を書こうと思ったよ。
About how we're walking in the snow           二人で雪を踏みしめながらここまで歩いてきたよねって曲を書きたかったな。


You've got me slightly disappointed            あなたにはちょっぴりがっかりさせられてしまったよ。
Just a bit and just enough                   ほんの少しだったけどね、毎晩眠れなくさせるには充分過ぎたよ。
To keep me up another night                 明くる日も、そのまた明くる日も、ずっとあなたのことばかり考えていた。
Waiting for another day




The city is taking a day off                   今日は休日だったかな。
The streets are empty                       街には人気が無いね。
No one's out tonight                
My life is in another's hands                  そう、今はね、別の人と一緒に居るよ。

I wanted so to have you                     あなたにはいつもそばに居てほしかった。
And I wanted you to know                    とにかくそれをあなたに知って欲しかった。

I wanted to write songs                     そんな曲を書こうと思ったよ。
About how we're walking in the snow           雪を踏みしめながらて二人で歩いてきた道のりのことを書きたかった。


But there's no snow this winter               でも今年の冬は雪が降らないね。
There's no words for what I feel for you         これではあなたのことを歌えないな。
It's not enough though it's too much           満たされないことが多すぎる。
Why must it always be like that?               なんでいつもこうなんだろう。


The TV screen is lighting up my room           真っ暗な部屋で、テレビの画面だけが浮かび上がっているよ。
The film has ended                         物語はもう終わったね。
Every inch of my skin is crying for your hands    ああ、今、あなたに触れて欲しい。身体中にあなたの温もりを感じたい。    


And I wanted so to have you                 あなたのことが本当に大好きだった。
And I wanted you to know                   いつも隣に居てほしかった。どうしてあなたに伝わらなかったのかな。

I wanted to write songs                     だから曲を書こうと思ったよ。
About how we're walking in the snow           いつも二人で、一歩一歩踏みしめながら歩いてきたよねって。


You've got me slightly disappointed            ああでも、あなたにはほんの少しがっかりしたな。
Just a bit and just enough                   でも、ほんの少しって強がってみたけど、やっぱり辛かったな。
To keep me up another night                 毎晩眠れなくて、来る日も来る日も、あなたのことをずっと思っていたよ。
Waiting for another day                     明日になれば、あなたはまたこっちを向いてくれているんじゃないかなって思ってた。

 

 



 





クリスマスにはこれを聴け その1~野田幹子さん 「Winter Couples」

2017-12-23 23:50:31 | 音楽徒然

僕が17歳のときの12月にリリースされた音源。
高校2年生だった。






色々と思い悩むことがあって学業の成績がどんどん落ち始めた頃だ。
遅刻や欠席が増え、誰にも何も告げずに自主的に早退したりしていた。
とにかく何もする気になれなかったし、話もしたくなかった。

そんな頃に聴いた1枚のアルバム。
野田幹子さんの「Winter Couples」は、冷えて沈んだ僕の心をホットミルクのように温めてくれた。

僕はこのアルバムを聴いて初めて ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)のことを知った。
そして後に村上春樹の「風の歌を聴け」を読み、彼らの「California Girls」という曲を知ることになる。



僕がビーチ・ボーイズの音源に触れるのは、最初に日本人女性シンガーが独自の日本語詞をつけたカヴァー・ヴァージョンで、次に日本人作家の小説中で紹介された曲のタイトルに触れてからだった。
「ビートルズと同時代に、互いに影響しあいながらアメリカで活躍したバンド」ということでとても興味を持っていたビーチ・ボーイズ。
音源に触れたのは、野田幹子さんの「Winter Couples」を聴いてから約2年半が経過していた。

そして僕はこう感じるのだ。
ビートルズやビーチ・ボーイズを聴くとよく分かるな。
野田幹子さんはそこいらの単なる女性ヴォーカリストじゃないな。
「I Like happy Ending(ハッピー・エンドが好き)」は60年代UKサウンドだよ。
ギターの音はグレッチやリッケンバッカーのビートルズ・サウンド。
モータウンやフィル・スペクターの「ウォール・オブ・サウンド」的なアレンジも聴ける。
そして「Winter Couples」はビーチ・ボーイズの珠玉のカヴァー・アルバムになっているじゃないか。
ビーチ・ボーイズが大好きだということが凄くよく伝わってくるとても感じのよいカヴァー・アルバムじゃないか。




以降20年以上が経過しているが、僕は各所で折に触れて言っている。
しつこいくらいに何度も言っている。
60年UKが好きなら、野田幹子さんの「ハッピー・エンドが好き」を聴けよ。
聴いていてとにかく楽しいから。
ビーチ・ボーイズが好きなら「Winter Couples」を聴けよ。
最後のオリジナル曲「Smile」はタイトルだけじゃなくイントロのコーラスを聴いた瞬間に涙が出るくらい感動するから。
とにかくビーチ・ボーイズ愛に満ちたアルバムだから。


しかしながら、賛同者が殆どいないのですよ(笑)
なんでだろう。
ビートルズやビーチ・ボーイズが好きなら絶対に気に入ると思うんだけどなあ。

でもね、ビートルズやビーチ・ボーイズを特に聴いたことが無くても聴きやすいいいアルバムですよ。
取り合えす、何年か前に僕がyoutubeに上げた「God Only Knows」と、別の誰かが上げた曲を貼っておきますのでよかったら聴いてください。


「God Only Knows(神のみぞ知る)/野田幹子さん」   ビーチ・ボーイズの日本語カヴァー (タイトルクリックでyoutubeへ)

 

「Christmas Day/野田幹子さん」   ビーチ・ボーイズの日本語カヴァー (タイトルクリックでyoutubeへ)