How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

2014/3/29 益田川水系釣行・・・のはずが釣り場の視察

2014-03-31 01:37:57 | 渓流釣り 釣行記(益田川水系)

目が覚めたのは午前6時頃だった。
前日の長良川での不本意な釣行の後、そのままクルマを下呂方面に走らせた。
益田川支流の小坂川沿いの道の駅でクルマを停めて眠りに着いたのは23時頃。
睡眠は充分だ。
車中泊には違いないが、僕のクルマはセダンなので本格的なそれは出来ない。
何枚か重ね着した上に裏地に綿の入った防寒つなぎを着用し、毛布を顔まで被ったらシートを倒して寝るだけだ。
かつて釣り車のステーションワゴンを持っていた頃に、後部座席とカーゴルームをフラットにして眠っていた頃もある。
それが意外に窮屈に感じて全然眠った気がしなかった。
それよりもシートを倒すだけの方が僕には眠った気になれた。
実際その状態で10時間近く眠り込んだこともある。

外気温は3℃。
氷点下にこそならなかったが、この時期の山里の早朝はさすがにまだ寒い。
前日の敗因と今日の計画を思い巡らせながら、倒したシートの上で毛布にくるまっていると次第にもう一度眠気が訪れてきた。
このままでは二度寝をしてしまいそうだったので、少し早いが動き始めたのは6時半頃だった。

本流釣りを始めてからの僕は毎年4月中旬まで、遅い時はゴールデン・ウィーク辺りまで竿を握らない。
本流のアマゴたちが大きくなるのを待つならばもっと季節が進まねばならないが、さすがにそれまで我慢することは精神衛生上よろしくない。
そのような理由で毎年の僕の釣りは長良川のサツキマスから始まる。
それが2008年のシーズンは、ちょうど今ぐらいの時期にここ益田川水系を訪れた。
その年は春の訪れが早く、暖かい日が何日も続き、桜の開花も例年より何日も早かったと記憶している。
もしかしたら元気なアマゴが掛かってくれるんじゃないかと期待して竿を出したのだが、どのポイントでも全くアタリがなかった。
狙っていた流れが良くなかったとは、今になっても思えない。
だからやはり本流のアマゴたちを釣るにはもっと季節が進まねばならない。
そう思っていたはずなのだが、暖かい日が続くとそれもうまくいかない。
過去の経験から何も学習をしない愚かな僕は、またこの時期にここにやって来てしまった。

最初に入ったのはこのポイント↓↓↓
Dsc_0056

某サイトにて小坂川の紹介の項にこう書かれている。
「毎年必ず尺上が出るポイント」。
ところが僕は昨シーズンまでこのポイントで尺以上のアマゴを獲ったことがなかった。
通い始めたシーズンこそ泣き尺アマゴを複数釣ったが、それ以降はあまりいい思いをしたことがない。
理由を考えてみたのだが、恐らくネット上で紹介されるくらいだから有名なポイントなのだろう。
従って入川者が多いというのが先ず考えられた。
しかし、このポイントで先行者と鉢合わせたり、自分の後で誰かが入ってこようとしたということは殆どない。
不思議に思っていたが、あるとき件のサイトでこのポイントの紹介文と共に掲載されていた画像を見て思い当った。
淵が浅くなっている。
恐らく以前はもっと深い淵だったのだろう。それが次第に埋まってきたために大物が好むポイントではなくなってしまったのだろう。
そして2年前のシーズンは本当に酷い有様だった。
淵と呼んで語弊があるのではないかと思うくらい浅くなった。当然アマゴの姿はない。
それが昨シーズンは再び淵が掘られて深くなった。
そのお陰だと思う。僕は3本の尺アマゴを獲ることが出来た。


去年は何度もいい釣りをさせてくれた小坂川、今年も宜しく頼みますよと独りごとをつぶやきながら近づいていくとどうも様子がおかしい。
水が高いわけではないのに流れが速い。
踏み拉かれた小道を降って川面に近付いたときに僕は愕然とした。
またもや浅くなっていた。

画像をクリックして大きくしていただくと分かるのだが、川幅の半分くらいまで水底が見えるくらい浅くなっている。
奥の方がかろうじてまだ淵の様相を保ってはいるものの、恐らくかなり浅くなっていることだろう。
そしてその白泡の激しいこと(何故そんなに激しいのかその時は理由が分からなかった)。
これでは無理だろう。アマゴが冬を越すポイントではない。
でもせっかくここまで来たのだから念のためと思い流してみるがやはり反応は皆無。
悄然として次のポイントへ向かった。

 
 

 
 

Dsc_0057

画面からは途切れてしまったが、途切れた右側がかなり流れのゆるいプールになっている。
以前は地元の小学校の文字通りプール代わりにされていたようなポイントである。
大水の際にはアマゴたちの避難場所になっているようで、増水後に大釣りをしたことが何度もある。
それが昨シーズンは画面に映っている部分もプールも見事に浅くなった。
大釣りどころかシーズンを通して1匹しか釣れなかった。

そして訪れた今日のこの日。渓相に変化はない。
ということはここも期待できないと思いながら流したが予想通り反応は皆無。
期待していなかったのでさほど落胆はしなかったが、やはりここも水が高いわけではないのに流れが速くなっていた。
次のポイントが駄目ならもう今日の小坂は諦めようと思い移動した。
 
 

 

 


 

Dsc_0059

Dsc_0060

僕はもう空いた口が塞がらなかった。
一体どうしたというのだろう、この浅さは。
オフシーズンの間にどれだけの砂利が流れたのだろう。
変わり果てた見るも無残な姿。
渓流をそのままスケールアップしたように、大岩が点在して落差があり、大淵をいくつも形成していたダイナミックな流れの小坂川。
もし以前の渓相を知らなければこの状態でも全く悪い印象は与えないと思う。
しかし、僕は以前のというか、たった数カ月前の姿を知っているだけにその変わり様に酷く落胆した。
そしてこのポイントに来て漸く分かった。
恐らく昨シーズンの終了後に小坂川全域に渡って砂利や土砂が流れるようなことがあったのだろう。
淵のような堆積しやすいところには沢山溜まったのだろうが、堆積した砂利や土砂のせいで淵以外も少なからず水底が平坦になったのではないか。
そのために水はさほど高いようには見えなくても流れが速くなった。
飽く迄推測にすぎないが、このポイントを去った後も何箇所か川を見て歩いたが、やはり全体的に浅くなっている。
淵に関しては目を覆いたくなるような酷い有様だった。
 

 


このポイントも念のため流してみたが予想通り反応は皆無。
この時点で僕は今日も釣りを諦めた。
川の様子を見て回ることに決めた。

その決断通り、家路がてら川を見て歩いたのだが、益田川本流との出合いも驚くほど変わっていた。
もともとこの出会いの部分はちょくちょく様相が変化していたのだが、今日見たそれは本当に驚いた。
昨年の禁漁までは、二本の川筋がちょうどY字型に合流して一本になっており、川筋に挟まれた部分が中州のようになっていた。
今日見た出合いは、その中洲が姿を消して広大な平瀬になっていた。

その後も益田川本流を見ながらクルマを走らせた。
昨シーズン竿を出したポイントには立ち寄り川の様子を間近で確認した。
竿を出してみようかとも思ったが、本流は水が高かった。
盛期なら絶好の水だったが、今時期にこれだけの水が出ると厳しいだろう。
諦めては元も子もない、釣れる魚も釣れないとの思いも過ったが、前日から期待外れで落胆することが続いてもう気持ちも萎えていた。
アマゴたちの棲家はまだ寒いのだ。そっとしておいてやろう。
そのかわりに5月以降は存分に竿を絞ってきれなきゃ困るのだが。

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※天野さんは鮎釣りでも有名ですが、テンカラでも腕の立つことで知られています。
  当記事最初の画像のポイントで40cmを超えるアマゴを釣ったことがあると聞いてます。


2014/03/28 長良川 ~琥珀本流スーパーヤマメ御開帳…ならず(´・ω・`)

2014-03-30 01:48:46 | 渓流釣り 釣行記(一般)

気を持たせても仕方ないので結果から・・・何も釣れませんでした。

夜明けと共に竿を出すことが、その日の釣りを良きものにするためにどれほど有効かということは、渓流釣りをしたことのある方ならば今更説明することもなかろう。
それが盛期の頃ならともかく、今時期に早朝から川に入ってもさほどよいことはない。
釣り師も寒いのだから魚たちだって寒い。
ということで今日はいつも通りに起床して朝食を摂ってから出掛けるつもりでいた。

ところがだ、前々からこの日に釣りに行くと言っておいたのにも関わらず、家族の心無いひとことで一気に気分が損なわれた。
詳しく書いても愚痴になるだけなので省くが、そんなひとことのおかげですっかり行く気が失せた。

昼頃までうだうだしていたが、来週は釣りに行ける日もないし、
のっけからケチが付いたがまあ行ってみるかと気の進まないままに出掛けた。

 

釣り場への到着は既に15時。
今日の釣りの目的はアマゴを釣るためではなく、  新調した本流竿、ダイワの「琥珀本流スーパーヤマメ95MR」の調子を確かめるためだ。
いくら春めいて来たとは言え、アマゴたちはまだガツガツと餌に食い付いてくる元気もなかろうし、掛けたとしても20cmそこそこのものだろう。
スーパーヤマメを絞ってくれるとは考えにくい。
ここは寧ろ尺近いウグイとか40cm近いニゴイが掛かってくれた方が、竿の実釣性能を確かめるには都合が良いと考えて選んだフィールドは長良川の中流部。
岐阜県の美濃市内の流域だった。
もっと下流の方で解禁当初に成魚放流がなされたが、稚魚放流はしていなかったはずだ。
放流していたとしてもごく僅か。
魚は薄いだろうと思ったが、冬の間に上流から落ちてきた個体も居るだろうし、サツキマスを狙っているときにこの辺りでもアマゴは釣れるし、ウグイもニゴイも掛かる。
自分としては竿の調子を確かめるには最適と踏んだつもりだった。

画像で奥の方に見える流芯から外して緩流帯を流せば食ってくるだろうと思ったのだが、反応は無いに等しい。
2回ほどコツコツと感じたが、ウグイやニゴイというより寧ろアマゴのアタリのような気がする。
でも鈎に乗らない。
どこで竿を出しても律儀に挨拶に来るのに、肝心なときに寝ている全くもって使えないう~やん。
でもよく考えたら、鯉科魚類が動き出すのはもっと後だったか?
冷水性の鮭科魚類じゃあるまいし、まだ動かないのか?
長良川ではサツキマスを狙っているときに巨大なニゴイが掛かる・・・
上村川では遡りアマゴを狙っているときに尺ウグイが竿を絞る・・・
いずれも5月のことだ。
 
 

どうやら、スーパーヤマメを絞ってくれる魚にはまだ会えなさそうだ。
ならばせっかくだからちゃんとアマゴを狙おうと思い、魚の濃いところまで上がるかとクルマを上流の郡上市の方に進めた。
でも時間に余裕はない。それほど上流部までは走れない。
更に、今時期の長良川でちゃんとアマゴを釣るつもりなら、タックルも替えねばならない。
もしかしたら使うことがあるかもしれないと思い、常にクルマには小継竿も積んである。
ダイワの流覇Ⅱなのだが、この川で多くの人がやっているような細糸の仕掛けにはできない。
それに、それでは今日の釣りの目的が達成されない。
もう陽もかなり傾いてきたし、この際掛かればなんでもいいと半ば捨て鉢になり、スーパーヤマメを振るのに相応しいポイントとして相戸の堰堤で竿を出した。

相戸の堰堤↓↓↓
Dsc_0053

坂東堰、三川合流、高速下など、川の名前ではなくポイントの名前でももしかしたら全国区なんじゃないかと思うような箇所があるが、ここ相戸の堰堤もその仲間かもしれない。
ハイシーズンにはまず入れない。
以前夜中の1時半にここ相戸の堰堤に到着した時に、暗闇の河原で既に複数名の釣り師が待機していたのには驚いた。
夜が明けてくると、河原の至るところにギラギラした釣り師が居るのを見て、竿を出さずに場所を変えた。
そんな人だらけのところで釣りをしたいとは思わない。

でも今日なら閑散としているだろうし。たまにはいいかと思いながら入川した。
しかしながらアタリはあるものの相変わらず鈎に乗らない。
自分の仕掛けは本流で大物を狙うわりには細い方だと思う。
40cmオーバーが出る可能性のある高原川や禁漁間近の益田川水系で水中糸0.6号、ハリス0.5号が上限。
それ以外は殆どが水中糸0.5号、ハリス0.4号。
今日は更にひと回り細い0.4号と0.3号。
しかし、それでも長良川というか郡上のアマゴ達にとっては太仕掛けなのだろう。
所謂「郡上アタリ」にも達しないような掠ったアタリばかりでアワセのタイミングを掴めない。

釣りのスタイルは人それぞれなので、他人の釣りのスタイルを否定することになりかねない書き方をして恐縮なのだが、
スレた魚を釣るため、或いはスレていなくても数を釣るために細仕掛けにするというのは大いに理解できるのだが、
それで20cmそこそこのアマゴを数多く釣ることに僕は意味や意義を見いだせない。
僕は1匹でいい。1匹でいいから、目の前のポイントに居る一番デカイやつを獲りたいと思う。

長良川は、いい川だ。
随分と俗な言い方だが、紛れもなく「いい川」だと思う。
長良川で良い釣りをしたことなど殆どないのだけれども、釣り糸を垂れていたり、国道から見える川面を眺めていると、その度に感じる。
何がいいのかと問われても非常に答えにくい。
でも、「ああ、長良川はやっぱいい川だなあ」と思わせてくれる。

だから僕は出来ることなら長良川で自分の腕を磨きたい。
でも実際問題非常に困難なのだ。
解禁から多くの釣り師が入川しアマゴはスレる。
勢い細仕掛けに走ることになるだろう。
果たしてそれで尺上のアマゴが獲れるだろうか。
そして、鮎釣りが解禁すると朝のうちしか竿を出せないという現実もある。
だから、いつか、自分の釣技がある程度のレベルに到達したと自身で感じることが出来る日が来たら、長良川に通うつもりでいる。
その時は細仕掛けなんて使わない。
通常の仕掛けでどれだけのアマゴを掛けることが出来るか、どれほどの大型を獲ることが出来るのか、挑戦したいと思っている。

話は逸れたが、本流アマゴが大きくなる前にサツキマスを狙ってみるものの、毎年郡上まで追っかけずにその下流の長良川中央漁協管内で狙える期間が過ぎたら益田川水系に引っ越すというのは以上のような理由なのです。
だから、相戸の堰堤なんて、よだれが出るくらいのサツキマスの一級ポイントだけど、この次に入るのは一体いつのことになるやら・・・


暫く流してみたものの、僕の腕では鈎に乗せられないと分かり、その時点でその日はもう諦めました。
そもそも朝からケチが付いて気分悪かったし、もっと清々しい気分で釣りをしたい。

当初はそのまま長良川の近くに泊まっていこうと考えていたが、明日は土曜日。
ここ2、3日の暖かさも手伝って、恐らく明日の長良川は大盛況だろう。
それに例年の自分はそもそも今時期に釣りをしない上に、長良川について分かっている、知っているとは言えないのだ。
良い釣りは望めないだろう。

それ以前にやっぱりまだ本流で竿を絞ってくれる魚に会うこと自体が難しい。
ならばよく知った益田川水系の方がまだ有望なのではないか。

恐らく多くを期待してはいけないだろうと思いながらも、僕は益田川にクルマを向けた。
何処かで日帰り温泉に浸かって車中泊しよう。

~翌日の釣行記に続く

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さようなら エアマスター(仮)

2014-03-14 02:57:12 | 渓流釣り 道具

さようなら、エアマスター・・・
と、ねぎらいの言葉をかけて引退釣行でもしてあげたいところなのだが、どうやらもう1シーズン頑張ってもらわなければならないようだ。
だから、「(仮)」とつけた。

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ダイワの渓流竿、「琥珀本流エアマスター」のお披露目は2007年。
当時のダイワの渓流釣りカタログに掲載された売り文句をざっとまとめるとこうだ。
「年々拡大する本流フィールド。未踏のポイントへ届く長尺ロッド。パワーと軽さを兼ね備え、風を斬る細身設計で操作性と感度を損なうことなく、全てを高次元でバランスさせた本流ヤマメスペシャル・・・」。
大袈裟ではあるが、コンセプトはよく分かる。


僕はエアマスターが発売された2007年のシーズン途中でこの竿を入手した。
その前年、小継の竿ではどうしても届かない大堰堤を攻めたくて、行き付けの釣り具屋に置いてあった竿の中で適当と思われるものを選んで購入したのが、ダイワの「翡翠」という8.0mの本流竿だった。

その翡翠なのだが、とにかく使いにくかった。
「小継竿からの持ち替えでも違和感の無いように先調子にした」とあったが、却ってその調子のために振り込みにくく、魚を掛けた後でも手元の方まで手応えが伝わらない感じがして好きになれなかった。

でもその使いにくさの理由に気付いたのは、初代の「琥珀本流ハイパードリフト サツキ」を使い始めてからだった。
翡翠のあまりにもの使いにくさに辟易して別の本流竿を入手しようと考えたのだが、当時の僕は使いにくさの理由を竿の調子によるものだと推察することが出来ず、長さによるものだと考えた。
そこで7.5mというレングスの「ハイパードリフト サツキ」に白羽の矢が当たった。

郡上竿をベースにしたその調子は確かに独特ではあったが、本流釣りに慣れていない当時の自分にも使いにくいという感じはなく、寧ろその竿を使いたいがために、それに適したフィールドを選んでいたくらいだった。
そして当然のことながら、翡翠の使いにくさは長さによるものではなく、調子によるものだと思い当った。

そうなるとやはり7.5mというレングスではあまりにも限界が近いと感じるようになった。
気の進まないままに8.0mの翡翠を持ち出しても、この竿はなんて使いにくいのだと思わされるだけで楽しくなかった。
「とにかく長い竿が欲しい。その竿で届かなければもう諦めるしかない。」
そんな竿を僕は求めていた。



渓で小継の竿を使った釣りしかしてこなかった自分にとって、本流釣りを始めた頃は試行錯誤の連続だった。
振り込みはまともに出来たものの、餌を流すとなると一体どのように流すのが良いのかよく分からなかった。
渓の釣りでは流すというよりピンポイントで「打つ」という感じで釣っていたことが多かったし、若干開けたフィールドで流す場合でも「あたかも自然に流れるように」というナチュラルドリフトだった。

幾筋もの流れが入り混じる本流、しかも水勢も強い。
そのようなポイントではナチュラルドリフトをすること自体難しい上に、うまく流せたとしてもそれだけでは色んなポイントに太刀打ちできない。
ああでもない、こうでもない・・・と考えては試し、というのを繰り返していく中で僕は以下のような考えに至った。

大きなオモリで素早く沈めて竿でコントロールするという方法はどうか・・・
いや、でも、それでは竿の動きが餌に伝わって不自然になり魚が警戒してしまうだろう・・・
水中ウキを使うのはどうか?
いや、それだってウキが流れの抵抗を受けて餌を引っ張るだろう・・・
じゃあ、目印を沈めるというのはどうだろうか・・・

そんなときにとある渓流釣り雑誌で、ダイワのフィールドテスターである笹尾浩行さんの記事を読んだ。
「上波ドラグ釣法」と銘打たれていたその釣法は、「大物を獲るために太い糸を使うと水の抵抗が増すのでオモリを大きくせざるを得ない。そのままだと根掛かりの危険性が増すため、目印を沈めてその浮力で仕掛けの沈下をコントロールする」というものだった。

僕が途中まで考えていたことをそのまま完成形に導いてくれたように思えた。
実は僕はその時に初めて「ドラグドリフト」「オバセ」という言葉を知った。
やはり自分自身で試行錯誤するだけでは釣技の向上には限界があるなと思い知り、幾つか渓流釣り雑誌を買ってきて、笹尾さんの記事があれば穴が開くほど何度も読んだ。

その笹尾さんが開発に携わった竿ということで紹介されていたのが、「琥珀本流エアマスター」だった。
「欲しい。何としても手に入れたい。」
僕は切望したが、あまりにも高価だった。
定価は15万円(後に価格が改定され16万円に値上がりした)。
軽い気持ちで購入できる価格ではない。
他の竿でも何とかなるのではないか、9.0mでもいいのではないか・・・
なんとかして諦める努力を試みたが失敗した。

結局僕は、定価の2割引きの12万円で、清水の舞台から100回くらい飛び降りたつもりで購入した。
10mと9mの2種のレングスがラインアップされていたが、僕が購入したのは10mの方だ。
「琥珀本流エアマスター 100MV」というのが、カタログに表記されていた正式名称だ。
10mというそのレングスは発売当時では一般に流通している渓流竿としては唯一にして最長。
最初は札束を振り回しているように感じた愛竿「琥珀本流エアマスター」。
僕は2007年7月の購入以来、2013年のシーズン終了まで7シーズンの間、盛期にはほぼ毎週末のように出動させた。

さすがに高価な竿だけあって、一般的な普及価格帯の竿に比べると経年によるヤレは少ないと感じる。
意図せず付けてしまった傷や、迂闊にも砂利を噛み込んだまま振り出したり仕舞ったりしたことによるダメージが認められた節に関しては、時機を見て更新していた。

そういうこともあって、過労死するほど使い込んだわりにはしっかりしていると思う。
今でも40cmオーバーのニジマスの引きを矯められるパワーはある。
でも魚との遣り取りの最中にいつ割れたり砕けたりしてもおかしくはないほどダメージは受けているだろう。

 

 

2011年のシーズン辺りから、エアマスターにもしものことがあったときのために、サブの長尺本流竿を持っておいた方がよいだろうと感じるようになった。
しかし、いくらサブとは言え、エアマスターの代替になるような竿はなかった。
シマノからは「スーパーゲーム ロングスペシャル」という10mの本流竿がリリースされてはいるが、パワーランクはシマノのいうところのM。
適合ハリスは0.6号まで。
エアマスターが1.0号まで使えることを思うと、ダイワでいうところのパワーゼロの競合製品ではないかと思い候補からはそもそも外していた。

正直言うと、エアマスターはそのスペックの割には高価に過ぎる。
長さからすると驚くほどに軽量で細身なのは揺るぎ無い事実だ。
とはいえ、やはりその長さゆえ受ける風の抵抗は相当なものである。
強風に煽られると穂先も流れるため、暫し釣りを断念せざるを得ないこともあった。
また、かなり元竿近くから曲がるその調子と長さが相まって、振り込み時のモーメントもかなり大きい。
横風を受けるような立ち位置で振り込む際には、慎重にならないと折ってしまう懸念が付きまとった。
僕としては、多少の重量増は構わないし、塗装もエアグロスフィニッシュなどという豪華な塗装でなくても構わないから、調子はそのままにしてもう少しシャンとしていた方がよいと感じていた。
「エアマスターと名乗るのならそれくらいは求めてもよかろう。今後の改良点だろうな。」などと考えながら、もしかしたら僕の望み通りに改良された後継機種が近々リリースされるかも知れないと淡い期待を抱き、無理にサブロッドを買うことを控えた。


 

2012年にダイワから「琥珀本流ハイパードリフト スーパーヤマメ95MR」が発売された。
郡上在住で鮎釣りにも造詣の深い白滝さんと、エアマスターの開発に携わった笹尾さんお二人の共同開発ということだった。
ただ、白滝さんによれば「メインは笹尾さんです」ということだったため、9.5mというレングスを考えると、これがエアマスターの後継機種かなと思った。

しかし同時にこうも思った。
「琥珀本流」の名を冠してはいるものの飽く迄それは「ハイパードリフト」のシリーズなのではないか。
だとしたら郡上竿をベースにした調子を売り物にしている竿だ。
初代の「ハイパードリフト サツキ」は売り文句の通り「小さい魚は穂先であしらい、大物が掛かると胴に入って粘る」竿だった。
0.4号のナイロンで46cmのブラウントラウトも獲れた。
もう糸が切れるんじゃないか、竿が折れるんじゃないかと遣り取りの半ばで何度も諦めたが獲ることが出来た。
しかもナイロンの水中糸は渓流釣り用としてではなく、一般川釣り用として売られている「銀鱗」だった。
恐らく竿がハイパードリフトでなければ、46cmのブラウンは獲れなかっただろう。

話が逸れたが、要するに「ハイパードリフト スーパーヤマメ」はいくら笹尾さんがメインで開発に携わったとは言え、郡上竿の調子をベースにしたものであれば、その調子はエアマスターとは全くキャラクターが異なるだろう。
だとすれば後継機種というにはちょっと違う。
今は購入は見合わせた方が良かろうと判断した。


この画像、不鮮明で恐縮ですが見てください。
↓↓↓

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エアマスターが発売された2007年のダイワの渓流カタログの裏表紙に掲載されているカットである。
アングラーは笹尾さん、使用している竿はエアマスター(恐らくプロト)である。
ご覧の通り、かなり元竿に近いところから曲がっている。
魚にとっては、10m以上の糸を引きずりながら、10mの竿を曲げるというのは相当体力を消耗するのだろうと思う。
竿が柔らかいため走られるけれども、それを止めようとしてグッと矯めるとそれ以上は大きく走らない。
しかも強引なテンションを与えないからなのか必要以上に暴れない。
即ち首振りをしないということなのだが、そのおかげでバラシが極端に少なくなった。
大型を掛けても、この笹尾さんのカットのように竿を立てて腰を落として矯めていれば、知らないうちに魚が寄って来ているという感じになる。

郡上調子の「ハイパードリフト サツキ」は確かに良く出来た竿だったし、あんな調子の竿で魚と遊ぶのも面白い。
しかし、もう何年もエアマスターをメインロッドとしてその調子を身体で覚えているため、果たしてハイパードリフトで思うような釣りが出来るのか・・・

それに、ダイワはモデルチェンジをする際にはその名前をそのまま残す。
例えば「遡」シリーズはずっと「遡」の名を冠したままである。
エアマスターがモデルチェンジするなら、後継機種も「エアマスター」になるだろう。



エアマスター破損の不安とモデルチェンジへの期待を抱きながら、結局僕は2013年のシーズンも悲鳴を上げているエアマスターを使い続けた。
でも、もうかなり限界に近い。
元上は買い替えが必要な状態だ。
でもその節だけで45000円以上。
スーパーヤマメがもう少しで購入できる価格である。
いっそのこと今の内にエアマスターを丸ごと買い替えようかとも考えた。

しかし、エアマスターが発売されたのは2007年だから今年で8年目。
その間に竿作りの技術も上がっただろう。
「スペシャルVジョイント」こそ取り入れられてはいるものの、「Vコブシ」も「Xトルク」も不採用。
というか、エアマスター発売当時にはまだ存在しなかった技術である。
そう考えると、スーパーヤマメがあの価格で買えるというのは非常にお値打ちなのではないか。

スーパーヤマメはハリス1.2号まで使用可能な郡上調子の竿ならば、サツキマスにも充分対応できるだろう。
いや、寧ろ僕が持っているシマノの「スパーゲーム パワースペックH」よりもサツキマスには適していると言える。
パワースペックHはサツキマスには些か強過ぎる。
竿を矯めると魚が暴れる。
お陰で昨シーズンは3度もバラした。
いや、でも、スーパーヤマメだと、エアマスターでは楽しめていた25、6cmから泣き尺サイズのアマゴだとあっさり寄って来て楽しくないんじゃないか・・・

 

ついに、2014年のダイワの渓流カタログから「琥珀本流 エアマスター」の名が消えた。
後継機種は発表されないまま、つまりモデルチェンジすることなくカタログから消えたのだ。
こうなったら頭の中で考えていても始まらない。
ここは一度本物を手に取るに限る。
そう思い、釣り具屋さんで「琥珀本流スーパーヤマメ95MR」を手に取った。


忘れかけていた感触が甦った。
新しい竿とはこんなにもシャンとしているものなのだと驚いた。
10mという長さとその調子のおかげで、振り込んだ後の穂先はお世辞にも「止まる」とは言えなかったエアマスターだが、50cm短いとはいえスーパーヤマメはピタッと止まる。
「細身設計」を謳っていたエアマスターと比べても何ら太くない。
というか、ほぼ同等である。

そして、胴が物凄くしっかりしている。
これはやはり郡上調子をベースにしているからなのだろう。
間違いなくサツキマスに最適な竿だと感じた。

そもそもこれまで僕は真剣にサツキマスを狙っていたわけではなく、本流アマゴが大きくなるまで待っているのもつまらないし、という感じでやってきた。
もともと生息数の少ない魚だし、餌をバクバク食うわけでもないし、万が一獲れたら物凄く嬉しいけど、「獲れたらいいな」というくらいの感じでやってきた。

それが何故か昨シーズンは真剣に狙ってみようという気になった。
不運なことに昨シーズンはサツキマス不漁の年。
戻りのような個体を1本獲っただけであとは3度バラして終わった。

結局僕はそのまま「琥珀本流ハイパードリフト スーパーヤマメ95MR」を自宅に連れて帰った。

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何故か竿を持った時にサツキマスのことで頭がいっぱいになった。
益田川水系で40cmアップのアマゴを獲るという目標を忘れてしまった。
これも郡上調子のなせる業なのか。
とにかくこれで今年こそこの竿を使って「怪しげ」ではない「まっとうな」サツキマスを釣らねばならい。
そうしないことにはエアマスターに申し訳ない。

長々と書いてきたが、結局真の意味でエアマスターに代わる竿は見つかっていない。
シマノの「スパーゲーム ライトスペック 90-95MH」がかなり満足できる調子だったが、あの調子なら是非とも10m欲しい。
50cmの差は、実釣では大きく効いてくると思う。
かりに50cmの差に目をつむったとしても、残念ながら今の僕の経済力では1シーズンに数万円の竿を何本も買うことは出来ない。
なんとかもう1シーズンこのままエアマスターに頑張ってもらって、10mの竿でしか太刀打ちできないという大場所では出動してもらおうと思う。
それは僕が益田川水系で40cmアップのアマゴを狙えると踏んでいる場所がまさしくそうであるが。
エアマスターに頑張ってもらうのだから僕も頑張ろう。
なんとか元上を買うお金を用意して、補修部品が入手可能なうちにエアマスターの延命措置を打たねばならない。
最新技術を身にまとい、でもエアグロスフィニッシュとか高価な塗装はしないで、価格的には初代よりも手に届きやすくなった2代目のエアマスターが発売されることを祈りながら。

ダイワ 琥珀本流 ハイパードリフト スーパーヤマメ95MR ダイワ 琥珀本流 ハイパードリフト スーパーヤマメ95MR
価格:¥ 71,400(税込)
発売日:

ダイワ 琥珀本流 ハイパードリフト メタルチューン サツキ 82 ダイワ 琥珀本流 ハイパードリフト メタルチューン サツキ 82
価格:¥ 68,250(税込)
発売日:

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価格:¥ 73,500(税込)
発売日:


福之進 ご機嫌ななめ 

2014-03-14 00:19:33 | ねこ

我が家の福之進。
後頭部がオッサンぽかったので写真撮影してみた。

Dsc_0001
 



ん?ニャンだ?勝手に撮ったな?
Dsc_0002



目を覚ましたことだし、もうそろそろ3歳になるので、歯の汚れ具合を見てやろうと思い・・・Dsc_0015
指を突っ込んで口を開かせようとしたけど激しく抵抗され・・・
 

 

 
 

Dsc_0004
ニャニャーン!!と怒りを買ってしまった。


2013/08/17 恵那 上村川 アマゴ 30cm

2014-03-13 18:43:48 | 原色美魚図鑑

Img00414

2013/08/17 恵那 上村川 尺アマゴ

思い入れのある1本となった上村川の尺アマゴ。
ブログ記事にくどいくらい長い文章でアップしましたのご参照ください。

http://blog.goo.ne.jp/sakeichi-mashita-takahara/d/20140312