How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

2014/07/12 高原川釣行 ヤマメ祭り

2014-07-15 23:49:20 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)

この週末はどの川へ行こうか。
例年5月中は長良川の水況が気になるのだが、7月以降は天気予報と前日までの降水状況や水位などから釣行先を決める。
数日前には幾つかパターンを思い描き、釣行先から入川箇所の順序、それに従った仕掛けの準備などに取り掛かる。
しかし今回は出発する段になっても決めあぐねていた。

思ったより増水した後に減水に転じたもののなかなか水位が下がらないため、果たして竿を出せるのか、出せたとしても場所が限られているであろう南飛騨の益田川水系。
思ったほど増水しなかったが、水況的には恐らく最高に近い状態が予測されるものの、万が一上流域の支流や沢で局地的に大量の降雨があると白濁する奥飛騨の高原川。

いずれにしろ途中までは同じ道程でクルマを進める。
走りながら考えよう。

 
2014年7月12日。日付が変わる前に僕は自宅を出て飛騨方面へと向かった。
国道257号を中津川方面から北進し、国道41号と合流する付近で一旦クルマを停め、インターネットで益田川の水位を確認した。
やはり、釣りをするにはまだ少し水が高い。
今日は高原に行こう。

自宅から益田川流域の中心街である下呂までは約90~100km。
そこから約20~30kmで小坂の集落に着く。
今日は小坂から更に70km北進して高原川へ向かう。
全て一般道を使い、釣り場に到着したのは午前3時だった。

高原川で朝一番に入るポイントはだいたい決まっている。
その釣り場でよく顔を合わす釣り師がおひとり、既にクルマを停めて車中で仮眠されていた。
その方は左岸側がお気に入りのようだ。
僕は左岸でも右岸でも構わない。
そのようなわけで、その方のクルマが停まっている日は僕は右岸側に入る。
仮眠をとることも考えたが、寝過ごす恐れもあったのでそのまま身支度を整え、暗い中を頭に投光器を付けて藪の中を河原へと降りていった。

岩場に背中をもたれさせ、その姿勢のまま明るくなるまでうとうとしていた。
ふと目が覚めると辺りは先ほどよりほんの少しだけ明るくなったようだ。
灰色だか藍色だか言葉には著しにくい色合いの夜明け前の河原を見ると、既に対岸で例の釣り師の方が竿を振っていた。

さすがに今の状態では目印は全く見えない。
朝一番は岸寄りから探っていきたいのだが、このポイントは岸近くに大石がごろごろ入っており油断するとすぐに根掛かりする。
もう少し待っていることにしてまた少しうとうとした。

 
さて、始めようか。
まだ目印は見えにくかったが根掛かりしないよう注意を払って流し始めた。
岸からさほど遠くない流芯の脇のかけあがりを流していたとき、手元にアタリが伝わってきた。
短く鋭いアワセを入れると鈎に乗った。
激しく首を振り抵抗する。
間違いなくヤマメの引きだ。
重量感も結構ある。
バラシは絶対避けねばならんと少し慎重に遣り取りしていたが、重量感はそこそこあるのに意外に早く寄ってきた。
手尻を1m近く取ってある仕掛けなので、取り込みの際に玉網を持った左手が魚に届かないという事態に陥らぬよう、首尾よく取り込める場所をそのポイントでは決めてある。
最終的にはその取り込み場所まで魚を誘導するのだが、意外に早く寄ってきたのでこのままタモ入れにするかとすこし侮ったのがいけなかった。

弱り切っていなかったので岸に近づいてから抵抗する。
竿の弾力も活かしにくくなるし、逃げ回られて石の下に入ってしまった。
やっちまったと思ったが、魚が隠れた石というのが岸際の石。
しかも魚体全てが隠れているわけではない。
玉網を水中に入れ、枠で魚体に触れると慌てて動き出し、まんまと網に収まってくれた。

Dsc_0252
高原川のヤマメ32cm
 

幸先よく尺上が上がったなと思い続けて少し離れた筋を流すと根掛かり。
朝一のゴールデンタイムに何という時間のロスなんだといらいらしながら仕掛けを新しいものに付け替えて同じ筋を流すとまたヤマメのアタリ。
しかしこれは掛かりが浅かったため水面に顔を上げた際にバレてしまった。

手応えとしては尺に届かないくらいだったろうと思いながら、流しているとまた根掛かり。
まだ明るくなりきらないため投餌先や目印を見失うことが多く、そのためにタナが不適切になってしまうのが原因だった。
時間のロスは避けたい。別の筋を流すかと思ったが、流す順序というものもある。
今日は予備仕掛けを作ってくる時間がなかったため、その場で新たな仕掛けを作りながら考えた結果、思い切って別の筋を流すこととした。

しかし、先ほどのようにすぐにアタリはなかった。
立ち位置や筋、タナを少しずつ変えながら探っていくと、どうやらその日の食い波というものに当たったようだ。
以後、飽きない程度にヤマメのアタリが訪れた。
サイズは20cm前半のものが数匹、泣き尺多数。
実は今日は数匹持ち帰ることに決めていた。
盆休みに甥がやってくるのだが、春先にアマゴを食べて凄く喜んでいたので、次回は自宅の庭で炭火焼にしてやろうと思っていたのだ。
出来れば小坂のアマゴを振る舞いたかったのだが、今シーズンの小坂ははっきり言って釣れない。
思うように魚が確保できる保証はない。
鮮度は落ちてしまうが、高原で食べごろサイズのヤマメが釣れたら数匹持ち帰ろうと考えていたのだ。

そのようなわけで釣り上げた魚は最初の2匹まではストリンガーに活かしておいたが、この調子だとフックが足りなくなると思い、かなり久しぶりに舟を使った。
その舟も満杯になりつつあるころに少しアタリが遠のいた。

 
暫しポイントを休ませるついでに自分も休息を入れ、再開時は岸から離れて立ち位置を取り、岸近くで一気に深くなって渦を巻いている筋を流してみた。
すぐにアタリがありアワセを入れるとトルクのある図太い引き。
ジャンプこそしないがスタミナがありなかなか浮いてこない。
これはニジマスだなと予測を付けると、その通り35cmくらいのニジマスが上がってきた。
この魚は舟に入れずすぐにリリースし、もう一度同じ筋を流し始めた。

今しがたニジマスが食った地点より少し遠目に流した地点でゴツンと一回、力強いアタリがあった。
アワセの瞬間から手元にずっしりと重い感触が伝わってきた。
今日使っている竿はダイワのHDスーパーヤマメ。
エアマスターより確実にパワーのあるこの竿だと、尺クラスの個体でも楽に寄せられる。
しかし、今かかっている魚は簡単には寄ってこない。
鈎に乗ると激しく首を振り続けながら沖へと向かう。
このまま伸されるとまずいなと思い、竿を絞ると余計に抵抗して首を振りながら深場に潜る。
あまり首を振られるのもバラシの懸念があるので避けたい。
そこで敢えて竿のテンションを緩めると魚も止まった。
まるで潜水艦が巡行を停止する直前のように深場でゆっくりと泳いでいる。
引きの感じからしてニジマスではないだろう、ヤマメならばいいサイズに違いないと思いそのまま相手を宥めるように騙し騙し少しずつ岸の方に誘導した。

しかしそのまま誤魔化されるほどのバカな魚ではない。
再び抵抗を始めた。
首こそ振らなくなったが深場へ潜る様に竿を絞り込む。
僕が大好きな引き方だ。
エアマスターなら穂先が自分の目の前まで降りてくるくらいの力強い引きだが、HDスーパーヤマメだと限界はまだまだ先だと感じた。

尾を使わせ魚に体力を消耗させながら竿を矯めていると少しずつ魚体が浮いてきた。
しかしまだ魚体は見えない。
水面下50cm程度の深さで弧を描くように抵抗する相手を少しずつ寄せ、描かれる弧を次第に小さくして行きながら岸から2m辺りまで寄せたところで初めて魚体が見えた。
尺は確実に超えている雄のヤマメだ。
取り込みで失敗しないように確実に弱らせようと尚も泳がせていたが、どうやら抵抗する体力が尽きたようだった。
ひとたび水面に顔を上げられると、そのままおとなしく引き寄せられて玉網に収まった。

Dsc_0301_3
34cmの雄のヤマメだった。

どうやら過去に鵜か何か鳥に襲われたようで、尻鰭から尾の付け根辺りにかけて歪んだまま成長していた。
右側の体側にはまだ癒え切らない傷跡があった。

Dsc_0303

 
この魚を舟に入れると、舟の中が通勤電車みたくなってしまうのでストリンガーに活かしておくことにした。
しかし、どうやらこの魚が今日の大取りとなったようだ。
尚も筋を変えて流し続けたものの、ヤマメのアタリはかなり遠くなった。
いままでヤマメが食ってきた筋でもウグイが食いついてくるようになった。
たまに釣れるヤマメは明らかにサイズが小さく、20cmに満たないものばかりになった。
そろそろ引き上げ時だろうと思っていたときに25cmくらいのアマゴを釣った。
体側が紫色から桃色がかっていたり、微かに朱点のようなものがあるヤマメ(だと思うのだが)は、ここ高原川では割とよく出る。
その中で「これは完全にアマゴやろう」という個体も毎年1匹は確実に釣れる(実際には交雑しているかもしれないが)。

この日釣ったのも朱点がはっきりと認められるアマゴと判断出来る個体だった。
しかも、尾鰭をよく見ると再生されたようだった。
ということは、漁協によって放流された成魚の残りなのだろうか?
それが事実なら意図的な放流なのか、意図せず混じってしまったものなのだろうか。
推測に基づく推論を書き続けるのはあまりよろしくないのでこれ以上は書かないが、アマゴ好きの僕でも高原川で釣れると複雑な心境だった。


小型の個体は釣り上げてすぐにリリースしたため、トータルで何匹釣ったかということは毎度のことながら把握していない。
最終的には34cmのヤマメ以外に32cmが1匹、30cmが2匹、泣き尺が多数、それより小さいものも多数、35cmくらいのニジマス1匹、アマゴが1匹という釣果だった。
食べ頃サイズを4匹持ち帰ることにしてその他は全て流れに返し、釣り場を辞した。
 
 
 
その後は日中の風が強い時間帯は木陰にクルマを停めて仮眠をとった。
そして夕刻、先回の高原川釣行で大暴れした27cmのヤマメを獲ったポイントに向かった。
魚が着いている場所だと分かったので、あの押しの強い流れで大物が掛かっても耐えられるように水中糸を0.8号、ハリスを0.6号にして臨んだ。

流し始めて数回目、突如目印が流れを横切った。
物凄い重量感とともに2~3度僕の前を旋回するような動きを見せた後、猛スピードで流れを降り始めた。
竿を絞りながら僕も必死で着いて行ったが、あっという間の出来事だった。
カクンと竿が軽くなって姿を見ないままその魚は流れの彼方へ消えていった。
仕掛けを引き上げるとハリスがチモトのところで切られていた。
糸の太さ、強度的に問題があったというよりは、鈎の掛かり方が良くなかったようだ。
恐らく歯で切られたのだろう。
引き方からして十中八九ニジマスだと思う。
でももしヤマメならば…そう考えると、恐ろしいほどの大物に違いない。

今しがた取り逃した個体がもう一度掛かるとは思えなかったが、もしかしたら同じくらいのサイズの魚がまだ居るかもしれないと思い、サツキマス用の仕掛けを持ち出してまた流してみた。
水中糸は1.0号、ハリスは0.8号、鈎とハリスの結束は網込み補強を施してある。
これで切れたらもう諦めるしかない。
そもそも高原川では40cmを少し超えるくらいまでのサイズのヤマメが獲れれば良い、バカでかいニジマスが掛かったら切られても構わないという考えで、多くの場合水中糸0.6号、ハリス0.5号で挑んできたが、このポイントに関してはオーバーなくらいの太い糸の方がよかろうと判断した。

しかし、結果は30cmに満たないニジマスが1匹と、尺を少し超えるくらいの岩魚が釣れただけで、期待したような大きなヤマメは出なかった。
ポイントの規模的にもあまり長く粘るような感じではなかったので、その日はそれで納竿とした。
もしこのポイントで魚を確実に獲ることを考えたら、竿はHDスーパーヤマメではなく、シマノのスーパーゲームパワースペックHの方がよいかもしれないなと考えながら、次回釣行の計画を立てながら高原川を後にした。

 
 
当日のタックル
竿:ダイワ 琥珀本流ハイパードリフト スーパーヤマメ95MR
水中糸:ナイロン0.6号、0.8号  フロロ1.0号
ハリス:フロロ0.5号、0.6号、0.8号
鈎:オーナー スーパーヤマメ8号
  がまかつ 本流キング9号
餌:ミミズ


2014/07/06 追憶の40cm超アマゴ 5 ~益田川と小坂川

2014-07-08 23:39:29 | 渓流釣り 釣行記(益田川水系)

2014年7月6日。
この日の益田川と小坂川も芳しい釣果はなかった。
 
 
朝一番の入川は益田川本流の某ポイント。
大物が居る筈と狙いを付けて最近は朝一ではたいていこのポイントに入る。
残念ながらこれまでに大物は獲れていない。
尺アマゴすら獲れない。
ただし魚は居るようで、サイズを問わなければ必ずアマゴの反応がある。

ところが今日は違った。
流れ込みからの水色は濁っている。
これは厳しいかなと思いながら釣り始めたが、予想通りアタリは遠い。
釣ったアマゴは最大でも掌サイズで3匹。
いつもは元気に挨拶にやってくるウグイたちのアタリも遠い。
ここは早々に見切りをつけて小坂川へ向かった。


昨シーズンはとても良い釣りが出来た小坂の某ポイント。
そのポイントへ向かったのだが、やはり少し入る時間が遅かった。
先行者が居たので別のポイントへ向かった。

向かった先は昨年は26cmのアマゴをたった1匹しか釣れなかったポイントなのだが、過去に水が出た後で次々にアマゴが食ってきた経験がある。
今日の小坂も水は高い。
少しばかり期待して入ったのだが全くアタリはなかった。
20cmに満たないくらいのアマゴが餌を求めて流れの中を右に左に泳ぐ姿が見えたが、それくらいのサイズなら釣っても仕方ないと思いそのままにしてポイントを後にした。

次に入ったポイントは昨年の今頃に泣き尺サイズを複数釣ったポイント。
しかしここでもアタリは全く無かった。

例年この時期の小坂川で水が出た後は、ほぼ確実に大釣りが出来る。
尺サイズも織り交ぜて一箇所のポイントで何本も釣れる。
しかし今シーズンは違うようだ。
それ以前に、今シーズンは小坂でまだよい釣りをしたことがない。
アタリが非常に遠い。
魚も小型だと感じる。


僕は小坂に通い始めて8シーズン目となる。
これまでの経験から感じることは、食いが立っているときには餌はミミズでもよく食ってくるが、そうでないときは川虫の方が断然釣果がよい。
特にオニチョロに大型が食いついてきた経験が多い。
しかし今シーズンは川虫が殆ど捕れない。

そしてもう一点。
雨後の増水が減水に転じて笹濁りのときは一般的に食いが立つタイミングだと言われているが、小坂ではそのようなタイミングでセオリー通りに食いが立つことが少ないような気がする(長年小坂で竿を出されている方々からは勿論異なる意見も出てくると思うが)。
勿論笹濁りのときに食いが立てばミミズで食ってくるのだが、そうでないときは笹濁りでも川虫の方がよく食う。
そんな風に感じているので川虫でも試したかったのだが本当に捕れない。
こんなに川虫が少なくては魚も大きくなれないだろうと思わざるを得ない。


今シーズンは小坂は期待できないかなあと思いながらも懲りずに次のポイントに向かう。
そこは以前、盆休みのドピーカンの真昼間の渇水という状況の中で、何でもないトロンとした落ち込み後の開きで、尺アマゴ2匹を含む8匹が立て続けに食ってきたという神風ポイントである。
そこでやっとまともなアマゴの顔を見ることが出来た。

Dsc_0240

とてもよく引いてくれた26cmのアマゴ。
パワーもスピードもスタミナもあって、尺サイズの引きだと思ったのだが、釣りあげて意外に小さかったので驚いた。

最近は益田川本流で大物狙いの釣りをすることが多かったので、水中糸0.6号、ハリス0.5号という仕掛けをよく使っていたが、今日の小坂川では0.5号と0.4号の組み合わせで臨んだ。
この仕掛けでも尺を超えるアマゴは獲っているし、高原川では39cmのヤマメも獲った。
しかしその時の竿はエアマスターだった。
今日は完治したHDスーパーヤマメを使っているのだが、エアマスターよりパワーがある分魚の引きに柔軟に対応できないというかしなやかさに欠ける。
0.4号では雑に絞ると切れるのではないかという懸念を感じた。
やはりこの竿、つまりHDスーパーヤマメはそこそこ太い糸を張って使う方がよいのだろうという感触を得た。
そう簡単には切れない程度の太仕掛けで臨み、大型が掛かったときに思いっきり絞った方が真価を発揮するのではないか、そう感じる。
尺サイズくらいまでのアマゴと楽しく遊びたいならばエアマスターの方がよかろう。
ただ、もうエアマスターはカタログ落ちしたし、補習パーツの入手もいずれ途絶えるだろう。
そう思って特別な場合にのみ出動させるつもりでいる。
小坂辺りで尺アマゴと遊ぶには、やはりシマノのSGライトスペック90-95MHあたりがよさそうだなと思い始めた。
ただし今シーズンは竿本体やら補習パーツやらさんざん購入したのでもう小遣いがない。
ライトスペックは来シーズンに入手しよう。


その後も夕刻まで小坂のポイントを釣り歩いたが概してアタリは遠い。
やっとのことで捕まえた虎の子の1匹のオニチョロを餌にしたら一発で食ってきたが、掛かりが浅かったようでバレてしまった。
夕まずめに入川したポイントでは尺サイズのアマゴが跳ねるのを見た。
魚は少ないかもしれないが、尺アマゴは居ることは居るのだ。
ただ、残念ながら僕の竿には掛からなかった。
これからは川虫も捕りにくくなるが、小坂に入るにはその前に何処かで川虫を捕ってからの方がよいなと感じた。
ただし何処で捕るかが問題だなあ。
小坂川ではなかなか捕れない。
雨がちの天気の水が高いときでも確実に捕れるような場所を探さねばならないなあ。
そうすればもう少し釣果が伸びるかもしれない。

 
 
当日のタックル
竿:ダイワ 琥珀本流スーパーヤマメ95MR
  シマノ スーパーゲームベイシス75-80MH
水中糸:ナイロン0.5号
ハリス:フロロ0.4号
鈎:オーナー スーパーヤマメ7.5号
餌:ミミズ、ブドウ虫


2014/06/29 追憶の40cm超アマゴ 4 ~益田川と小坂川

2014-07-03 23:45:50 | 渓流釣り 釣行記(益田川水系)

前日の高原川での釣りの後、そのまま釣り場近くで車中泊するか、或いは帰路に着き道中の益田川界隈で車中泊するか迷っていた。
高原で1日竿を出してから決めようと思っていたのだがそれでも決められずにいた。
何故なら、どちらもたいして変わらぬくらいの渋さだからだ。

高原川での釣りを終えた後、川沿いにある割石温泉に浸かっていた際、温泉の中で約1年振りにある方にお会いした。
高原川で僕がよく入るポイントの至近にある地元企業に勤めるお兄さんに偶然お会いしたのだった。

良く考えたらお名前も伺っていない。
初めて会ったのは去年(2013年)のことだった。
僕がそのポイントによく入るのを見かけていらっしゃったのか、ある日の夕刻、釣りを終えて川から上がってくるとクルマの付近でそのお兄さんは待っていた。
そしてひとしきり釣り談義。
首尾よく釣れればちょうどその日の夕食のおかずにもなるということで、昼休みや仕事を終えてからの一振りを楽しんでいらっしゃるとのことだった。
シーズン初期から竿を出されているので高原川のことをよくご存じでいらっしゃるのは言うまでもない。
7月以降にしか現れない僕に、シーズン初期からの川の様子を親切に教えてくれた。

そのお兄さんは土曜日は出勤日なので、早朝から川に入っている僕を今日も見かけたようだし、僕の方でもお兄さんが出勤されるとき、クルマが橋を渡るのを見ていた。
夕刻に朝一で入ったポイントにもう一度戻ろうと思っていたものの、ダムからの放水があったので釣りを諦めそのまま割石温泉で汗を流していたとき、偶然お会いしたというわけだ。

それで気になる今年の高原川の様子だが・・・ここにはあまり詳しいことは書けないが、去年より厳しいことは間違いないようだ。
釣れなさすぎるので最近は昼休みの一振りはしていないとのことだった。
これを聞いて今夜は温泉から上がったら帰路に着こう、そして途中の益田川界隈で眠ろうと決めた。

 
 
2014年6月29日、益田川の某ポイントに入ったのは午前4時半頃。
まだ薄暗い中で、流し始めて数回目でアマゴのアタリがあった。
釣り上げるとおよそ25cm程度。
やっぱりこんなサイズしか釣れないなと少しがっかりする。
 
その後も少しずつ立ち位置を変えながら流していると2匹目のアマゴと思われるアタリがあった。
水中で魚体を翻すのが見えたのだが、やはりたいした大きさではない。
かなり強引に寄せて網に入れると「なんや、また朱点の無いアマゴやないか!」

Dsc_0312

朱点の無いアマゴ、つまり見た目はヤマメという魚が複数匹釣れるというのはどう考えたらよいのだろう・・・
そう思いながらリリースしかけてふと思い当った。
「もしかして・・・」と思い、携帯電話を手に取り、先日釣った朱点の無いアマゴの画像と見比べてみた。
なんと、同一の個体だった。
魚体やパーマークの特徴から間違いないと言える。
先日よりも幾らかふっくらして大きくなったように感じた。

それにしても同じ場所、同じ筋、同じ立ち位置、同じ餌、同じ釣り人で同じ魚・・・
前回釣行と同じ魚を釣ったという話は聞いたことはあるが、多くは渓流相での釣りの話。
ここは紛れもない本流です。
よほどこの場所の居心地がよいのだろう。
しかし学習しない魚はいずれ釣られて食われてしまう可能性が高い。
「もう釣られるなよ」と声をかけてリリースした。
ただし、この先尺以上に育ったとしたらもう一度掛かってくれても良いが。
その時もちゃんとリリースするから何も恐れる必要はない。


その後2匹のアマゴを釣って小坂川に場所を移動しようとクルマを走らせた。
昨夜の降雨のおかげで水況は幾分回復しているかもしれないと期待していたのだが、到着してみると回復どころか茶色に濁った水が流れていて釣りが出来ない状態だった。

幾つかの枝沢が集まって二つの小渓流を形成し、その二本が合流して小坂川となり数kmの流程の後に益田川と合流する。
もしかしたら、小渓流や枝沢の方なら濁りがないかもしれないと思い上流へと向かった。

行ってみると支流の大洞川なら釣りができそうだった。
寧ろちょうどよい笹濁りで水位も高めである。
最近では1シーズンに2~3度しか入らなくなった小渓流なので、少しわくわくしながら竿を出してみることにした。

そんなに真剣にやってみるつもりもなく100mくらいの区間を一通りやってみるかなという程度だったのだが、初っ端から綺麗なアマゴが釣れて嬉しくなり少し真剣味が増した。
小型ながらパーマークがとてもくっきり鮮やかで尾鰭の端もオレンジ色でピンと張っているホンマに綺麗なアマゴ。
釣り上がっていくとそんな個体が飽きない程度に釣れてくる。
餌はミミズで鉄板かと思いきやそうでもなく、ならばと思い川虫を使ったが何も変わりない。
まさかと思いながらブドウ虫を使ってみたら一番食いがよかった。
確かに過去にも同じような経験がある。
ミミズでもクロカワでも食わないのに、半ばヤケクソでブドウ虫で流したら一発で尺アマゴが食ってきたということもあった。

小継の竿でブドウ虫の餌。
僕が渓流釣りを始めて2~3年目の頃の釣りのスタイルだった。
当時と違うことは、小渓流でも場所によっては餌先行でドラグを掛けて流すようになったこと。
そして時には小継竿でも両手持ちにすることがあるということ。
とは言え久しぶりに片手で振り込み片手で流すという釣りをしたのだが、懐かしくもあり新鮮でもあり、凄く楽しい釣りが出来た。
本流の大物狙いも良いけれど、たまには小渓流で綺麗なアマゴと遊ぶのもいいね。
 
 
 
当日のタックル①
竿:ダイワ 琥珀本流ハイパードリフトスーパーヤマメ95MR
水中糸:ナイロン0.6号
ハリス:フロロ0.5号
鈎:オーナー スーパーヤマメ7.5号
餌:ミミズ

当日のタックル②
竿:ダイワ 流覇Ⅱ 中硬硬61MC 
水中糸:ナイロン0.4号
ハリス:フロロ0.3号
鈎:がまかつ 一刀アマゴ王7号
餌:ミミズ、クロカワ、ブドウ虫


2014/06/28 高原川釣行 ~どの川も渋いことを身をもって体験

2014-07-02 23:46:08 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)

釣れなくて当たり前の釣りなのだが、長良川でサツキマスを狙っているとき、あまりにもマスに縁遠い感じがすると気分転換に益田川へ釣行する。
では益田川で大きなアマゴを狙っているとき、あまりにも大物に縁遠い感じがしたら・・・
そんなときは高原川に行くのだ。


梅雨明け以降は益田川本流の水温は上昇し鮎釣りも盛んになる。
アマゴを狙うには早朝の短時間だけの勝負という厳しい状況となる。
その後に小坂川で竿を出せばよいことなのだが、いくらスケールの大きな川とは言えやはり小坂は益田の支流。
調子に乗って立て続けに釣ってしまうとその後は暫く渋くなることが多い。
益田も小坂も9月に入ってからも楽しめるし、真夏の厳しい状況の中で釣り場を荒らすよりはそこそこ竿を出す程度にとどめておいた方がよい。

そのような考えで、例年7月になると僕は奥飛騨の高原川への釣行がメインとなる。
禁漁になる9月9日まで、同じ岐阜県内でありながら自宅から片道200km近くの距離がある高原川にほぼ毎週末通う。

 
しかしながら僕にとっては残念なことに、高原川は本来はヤマメの水系である。
どのような理由なのか定かではないが時折アマゴも釣れるが、やはり本来生息しているヤマメの方が圧倒的に多く釣れる。

渓流釣りを始めて2~3年は、いつもアマゴばかり釣っていたので「一度ヤマメを釣ってみたい」と思ったものだ。
しかし、ここ何年かは「どちらかと言えば」という程度ではなく、はっきりと「僕はアマゴの方が好きだ。アマゴを釣りたい」と思う。

 
見た目の朱点の有無や生活史の違いではなく、実釣でアマゴとヤマメの違いが分かるのかと問われても、僕には分からない。
だから特に釣り方を変えているわけでもない。
魚が掛かったとき、ニジマスやイワナなら「ああ、こりゃニジマスだな」とか「こりゃイワナやろう」と推測できるが、引き方でアマゴとヤマメを区別することも勿論出来ない。
それでもやっぱり僕はアマゴの方が好きだ。
なんだそれだけかよと言われそうなのだが、やはりあの朱点が好きだ。
最初は邪魔に思えたアマゴの朱点だが、今は朱点がないと、つまりヤマメを釣りあげた時には物足りなさを感じる
ヤマメの姿を見る度に「やっぱり朱点があった方がいいなあ」と少し残念になる。

とは言え、高原川は全国的にも有名な大物が獲れる水系。
僕も過去に39cmのヤマメを獲った。
あと1cmで40cmという凄く惜しい魚だったが、さすがにそのサイズになると簡単には食ってこないが、普通に尺上のヤマメが獲れる。
僕が週末に釣行可能な距離で、盛夏の厳しい水況の中で大物が獲れる確率の高いのが高原川なのだ。
 
 

2014年6月28日。
およそ一年ぶりに高原川へ釣行した。
現地到着は午前3時を少し回った頃。
ここで眠ってしまっては絶対にそのまま朝寝してしまうと思い、そのまま夜明けを待った。

空がまだ白み始める前、周囲の景色が仄かに見え始めた頃に川に降り立った。
薄暗い中に浮かぶ高原川の水は、予想以上に低水位だった。
かなり厳しい釣りになるなと覚悟を決めて目印が見えるようになるまでそのまま待機していた。

前回の益田川釣行で破断してしまった琥珀本流エアマスター。
破断した6番の節はすぐに注文したので今日の釣行には間に合ったのだが、その後7番にもひびが入っているのを発見した。
注文はしたものの今日の釣行には間に合わず、エアマスターのサブとして用意していた「琥珀本流 ハイパードリフトスーパーヤマメ95MR」で釣りを開始した。

実はこの竿も4月後半に折れていた。
初めて掛かった魚のアタリがあった際に合わせたら折れたのだ。
しかも元上と更にもうひとつ上の合計2節も。
運の無い竿だと思い、再生させようかどうか迷っていたのだが、エアマスターが戦線離脱した今、もうこの際だからすべて直しておこうと思い、折れた節を注文しておいた。

本来ならば高原川のような川幅のあるフィールドでこそ10mというエアマスターの長尺が利いてくる。
しかし、この日の高原川はかなりの低水位。
9.5mのHDスーパーヤマメでも充分に対応できた。


果たしてHDスーパーヤマメで高原川のスーパーヤマメを獲れるだろうかと、不安と僅かな期待を抱きながら竿を振り続けたが、いつぞやの益田川のように釣れども釣れどもウグイばかり。
しかもかなり元気なご様子で首を振ったりローリングにも似た動きをするので何度も本命のヤマメと間違えさせられた。
過去にもこんな日はあったのだが、ウグイばかり釣れてくる日というのは殆どの場合ヤマメの食いは究極に渋い。
もうそろそろ諦めてクルマに戻りひと眠りしようかと思っていたところに20cmを少し超えるくらいのヤマメを釣った。

取り敢えず目的の魚種を釣ったからもういい、眠い、粘っても状況は変わらんやろと思い、1匹釣った後はクルマに戻りそのまま座席を倒して眠った。


目覚めたのは昼前。
もう一度同じポイントに入ろうかと少し迷ったが、あのウグイたちの様子を思い出し徒労に終わるだけと判断し、クルマを上流に向けた。
かなりの渇水だったので、少しでも水のあるところ、水深のあるところをと思い某堰堤下に入川した。

渇水状況の中でもここはまだ良さそうだなと思ったのだが、期待通りに行かずやはりウグイばかり。
もう今日はヤマメは釣れんかなあと思っていた時に、竿先にコツンという微かなアタリのようなものを感じた。
「ん!?触ったのか?食ってはいないよな?」と神経を集中させたがそれっきり何事も起こらず、目印も流れに乗ってそのまま動いて行ったため、「残念、見切られたか・・・」と思い、流し切ったところで竿を上げたら掛かっていた。

岩場の上から竿を出していたので水中の魚の動きがよく見えたのだが、ギラギラッと翻した魚体は尺近くありそうだった。
竿を矯めながら岩から降りて岸辺に立っていなしたが、魚は結構抵抗しているにもかかわらず難なく寄ってきた。
まだ梅雨も明けていないというのに、淡く婚姻色が浮かんだ雌の尺ヤマメだった。

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琥珀本流ハイパードリフトスーパーヤマメ95MR・・・エアマスターよりパワーはあるだろうと思っていたが果たしてその通りだった。
尺クラスの魚だと面白味がないくらい簡単に寄ってきた。
大物狙いの僕としてはパワーがあるのはありがたいのだが、もうちょっと楽しませて欲しいなあと贅沢なことを思ってしまう。

でもやはり価格帯が違うということは使用しているカーボンの質も異なるのだろう。
感度という点ではエアマスターには到底及ばない。
エアマスターより50cm短くて6g軽いのに振り込み時も構えた時も重く感じるのが凄く気になっていたのだが、それはこの日の釣行でかなり慣れてきた。
もしかして折れた元上とその上の節が悪さをしていたのかと思えてしまうくらいだ。

この後も周辺を探ってみたが、やはり変わらずウグイばかり。
そろそろ見切りをつけて移動しようと考えたが、その前にこの辺りのチャラ瀬で川虫を捕っておこうと石をひっくり返してみたが殆ど捕れなかった。
餌に出来ないような小さなヒラタはいるのだが、クロカワは全く見当たらない。
仕方なくそのまま川から上がって、大きく下流へ移動することにした。


鮎釣りが始まると思うように入川出来ない神岡の市街地周辺に入川したが、釣りを始めようとしたときに北陸電力のクルマが近付いてきた。
「もうすぐダムから放水します。大きく水が増えることはないと思いますが、念のため中州とか対岸には行かないでください。」と。
あと何分ぐらいで放水が始まるのかと尋ねると、予定では17時だと言われた。
時間にして約1時間。
「放水前にサイレンは鳴りますよね? 僕は正直なところ川が怖いので滅多に渡らないし深く立ち込むこともしないですし、サイレンが鳴ったらすぐに上がりますけど、それまでは目一杯釣りをしたいので・・・」
「勿論サイレンは鳴ります。」

その言葉を担保に17時まで目一杯釣りをすることにした。
ただし、丁寧に探っている余裕はない。
ここぞという流れや筋を狙い打つようにしないと無駄に時間を過ごすことになる。

その作戦を実行していったのだが、この辺り下流域でもウグイたちは跋扈しているご様子。
凄い手応えでガンガン竿を叩くように引いたため絶対に尺はあるヤマメだと思い丁寧に遣り取りしていたら突然バテテ寄ってきた40cm近い巨ウグイ。
さすがにその大きさになると網を使って掬わねば仕掛けが切れる。
ウグイを掬ったあとの網の残り香を思うと気が進まなかったが仕方がない。

その後は30cmに満たないニジマスと20cmそこそこのヤマメを1匹ずつ釣ったが、尺クラスのヤマメは現れず、時刻は17時となった。
放水開始後、この辺りに水が到達するには多少の時間がかかるだろうし、仮に水が増えてもこの場所なら安全という場所で竿を出せるところがあり、予め目星を付けておいた。
川から上がる直前にその場所で流すと、突如餌を引っ手繰って下流に猛スピードで走る魚が掛かった。
岸伝いに僕も降っていくが何しろ相当押しの強い流れだったため相手はなかなか止まってくれない。
手元に伝わる重みもかなりのもので、水勢の分を差し引いたとしても相当デカイのではと期待したのだが・・・
尺に満たない普通のヤマメだった。

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体長は27cm。
見たところ居残りの放流魚のようにも見えたが、あれだけ引いてくれれば何もいうことはない。
充分に楽しませてもらった。
というか寧ろいいように遊ばれてしまった感じだった。

この魚と対峙した時も、これ以上岸を降っていけないというところで思いっきり竿を絞ったが、HDスーパーヤマメはまだ余裕がありそうだった。
高原川にはかなり大きなニジマスも居るのだが、そういうのが掛かったら切れてもいい、40cmを少し超える程度までのヤマメを獲れればいいと思い、仕掛けもそれなりのものにしてきたのだが、もしかしたらもう少し太い仕掛けにしたら50cmくらいまでのニジマスなら獲れる竿かも知れない。

そんなことを考えながら、この日の釣りは終了とした。
次回は、HDスパーヤマメにもう少し太い糸を張ってみよう。
 
 
 
当日のタックル
竿:ダイワ 琥珀本流ハイパードリフトスーパーヤマメ95MR
水中糸:ナイロン0.6号
ハリス:フロロ0.5号
鈎:オーナー スーパーヤマメ7.5号
餌:ミミズ