この日は尾道から自転車で離島巡り。目的地は因島。瀬戸内しまなみ海道を行くのです。
ホテルからすぐのところにレンタル自転車屋があります。坂道が多いだろうから
電動アシストを借りようと思ったのに、「予約してないの?ないです」と言われるw
ううむ、しかたない。ご覧の赤いスポォツタイプを借りて、なにやら流線型の
ヘルメットをかむるとカッコイイぞ?服装は酒場にでも行くような感じなんだが。
まずは対岸の向島までは小さな連絡船で渡ります。他にも自転車で行く客が沢山いる。
なんかみんな競技にでも出るようなフル装備。北海道の函館山や藻岩山登山のときも
そうだったが、俺はちと場違いな雰囲気だ。。。
むかしから変わらぬカワイイ双頭の船がやってきました。
さあて出発だー。
自転車に乗った人たちはワラワラと降りて散っていきます。みんなしまなみ海道を
行きます。頑張れば四国の今治まで往復できるのです。俺は因島の村上海賊のお城と
本因坊秀策の記念館が目的だから、島ふたつだけです。
ひとつ目の島、向島を快調に進むと、お隣の岩子島に渡る橋が見えました。
瀬戸内海に散在する島々のかなりがこのように橋で連結されるようになりました。
しばらく走ると因島に渡る因島大橋が見えてきました。スポ~ツタイプの自転車は
5段ギアで、前かがみになって漕ぐとかなりのスピードが出ます。快調に飛ばして
いると「すげ~な、俺♪」とか思ったりするわけですが、競輪選手みたいなカッコで
走ってるやつがすごい速さであっという間に抜かして行きます。なんでェーw
瀬戸内海は流れが実に複雑で、あちこち渦を巻いて海面がうねっています。
こりゃ~海賊が活躍したわけだ。
因島大橋のたもとに来ました。ずっと自転車専用道路があるわけですが、「自転車は
こっち」と橋を渡る道は車とずっと離れて裏の坂を登っていくのです。
景色がきれいなので何度も止まって堪能し、こうやって写真を撮るわけですが、
フル装備で吹っ飛んでいくやつらは景色なんぞを楽しむよりは目的地に早く着くのが
大事なようです。
橋とだいぶ離れていくじゃねーか、という道のり。ぐるっと回って山を登って
いくんです。なにせ橋はすごい高さですからねェ。
山の色合いのグラデーションがいいでしょ♪
尾道の酒場については特に情報もなかったので、ホテルの近くの「なお吉」という
店に入りました。駅の商店街方面とは反対の住宅地エリア。しかし京都、倉敷は
どこの店も混んでいたので開店すぐに行きました。するとやっぱりここもまもなく
満席。ほんとにおそるべし全国旅行支援ときたもんだ。
ここは赤提灯系ではなく、ちょっと高級系だったぞ。ま、せっかくなのでそれもいい。
「慈姑」って読めないよねー。「くわい」です。いまが季節らしい。素揚げにしてある
のですが、これが美味い―! 最初はまずビールを一杯飲むわけで、そうすると
合わせるには揚げ物系がいいなと思ったりするわけですが、酒場の定番である鳥の
唐揚げなんかだとスターターとしては重すぎる。こういう立派な店だとポテトフライ
などはない。このくわいくらいがぴったりなんだよ。
で地酒に突入するわけだ。そしておもむろに刺身。
奮発してカワハギだー。魚の中で何がいいって言われたらこれかなー。あとから
来た客が俺が食ってるのを見て「あれ何ですか」とか言ってました^^
人が旨そうに食っていると、自分も注文したくなるもんだよね~。
肝醤油にして一枚一枚食べていく至福。何枚かごとに酒がなくなるので地酒を順番に
飲んでいく。尾道の酒はあまり全国レベルの有名なやつはない(と思う)が、
こういう高級店では純米吟醸やら大吟醸が並んでいるので、どれも洗練されていて
それなりに美味いのです。次々に飲むのでコップが並んでしまうぞーw
酔っ払った勢いで2軒目はないかと商店街方面へ千鳥足。きれいな満月だよ。
むむむ、夜の繁華街があまりないぞ尾道ー。寂れたスナックは閉まってるしw
しかたなくセブンイレブンに行ってクーポン券を使い、明日の朝食を仕入れる。
生口島、瀬戸田は柑橘類が名物なので、千円券でおつりが出ないから少し贅沢に
こんなものを買いました。「海賊むすび」っつーのは村上海賊が「船で食べたで
あろう」という割とテキトーな名物(にしようとしている)です。いろんな具が
ごちゃごちゃ入っているのですw
線路の横を上がったら天寧寺の入り口。通り抜けていくのか?
通過するだけだと失礼な気がするので、手を合わせていきました。奥に進んでいくと
「この先はお墓で通り抜けできません」と書いてある。少々彷徨ったあげく、裏の
ほうから路地に出ました。
なんだか上がったり下がったり。まさに迷宮だ。
すると今度はずんずん上がるしかない。
だいぶ上がると、こんな見晴らしのいいところに出ました。
今度は少し下がっていかないとー。
このあたりに志賀直哉の住んだ家があるはずだが。。。
む、迷路なのでなかなかわからない。
ここを上がるのか?
あー、これが志賀直哉の旧居です。なかは見られないんだ。奈良ではすごく立派な
志賀の住んだ家を見られましたけどねー。
さあて帰るか。ずっと前に「時をかける少女」の原田知世ちゃんが住んでいた家が
草ボウボウになっているのを見たけれど、今回はわからなかったなー。まだあるのかな。
商店街に古い喫茶店があったので少し休憩。暑かったので、珍しく冷たいものを
頂きました。
「海が見える席」なんて書いてあったけど、こんな感じでした^^;
ここは浄土寺の入り口。「おのみち歴史博物館」で見たビデオによると、尾道に
たくさんお寺があるのは瀬戸内の通商貿易で豊かになった商人たちが競うように
お寺に寄進したからだそうです。素晴らしいことだと思いますが、いま問題になって
いる宗教団体は「有り金全部出せ、いや借金してまで出せ」とやってトラブルに
なってますからね。信仰とお金の問題は線を引くのが難しいところがやっかいなのです。
しかしこの画像を見ると、お寺に上がっていくアプローチの階段を横切って山陽本線が
敷かれたわけですね。街にズラリと並んだお寺の横を鉄道が走っているのです。
平地がほとんどないんだからこうするしかなかったと。
では門をくぐって入りませう。
振り返るとこんな感じ。階段、線路、道路、瀬戸内海、対岸の向島とビッグマック
のようですw
京都、倉敷と観光客の大混雑の中を旅してきたので、誰もいないお寺の境内で
やっとほっとする。
なんかこういうところ、「東京物語」や大林映画で見たなあ。
尾道の古寺巡りは、坂を少し上がったところを一定の高さで横切っていくのです。
古寺よりも、こういう古い建物に目が行くな^^;
狭い路地のアップダウンが続きます。まるで迷路のようなんです。
おお、こんなのもいいなあー。
この石畳がいいんです^^
そして路地の狭さもいいではないか。街は似てはいないけれど、ヴェネツィアの
街歩きもこういう路地が多くて、同じような景色がなく散歩が探検になるのです。
飽きないのだ。
西園寺は奥にずっと広くて、一番上には少し見えている三重塔があるのです。
極楽浄土に向かっていく、といったイメージがあるそうなのですが、階段が大変そう
だし、いくのはまたいつか(^益^; まだまだ先は長いのです(浄土に行くのもね)。
壁が素敵ー。こういうのが残ったのも、都会じゃなかったからよかったね、という
ことなんだろうなあー。