杉浦日向子の江戸塾 (PHP文庫) 価格:¥ 620(税込) 発売日:2006-05 |
杉浦日向子の江戸塾 杉浦日向子
2005年に46歳で亡くなってしまった江戸風俗研究家杉浦日向子をお師匠さんに、宮部みゆき、北方謙三、山崎洋子、田中優子等等の江戸マニア?との対談集。
カムイ伝の世界が江戸初期の地方の苦しい世界だとすると、こちらはまさに落語等でおなじみの、江戸中期以降の大都市江戸の華やかでのんびりしていて、しかし刹那的な世界。なぜ刹那的かというと火事が多くて、生きていてもいつ死ぬかわからない、いつ燃えてなくなってしまうかわからない、という環境の中で、今を楽しみ謳歌する文化が栄えたと言う。「江戸っ子は宵越しの銭は持たねえのよ」
知らないこともたくさんおもしろく描かれていて楽しい。例えば江戸は極端な女性不足(参勤交代や出稼ぎ等で男ばかりが都会である江戸に出て来ていたため)で、おっかあは菩薩様のようなもので、非常に大切にされていて、その一方で浮気も盛んだったとか。女性が力を持っていたのは、仕事もやっていて、経済力があったから。食べる分はおっとおが稼いでも、その他の住居費、教育費、娯楽費等々はおっかあのかせぎでやっていたので、女性が非常に強かった、とか。
関西の方の「情」は嫉妬があるけれど、江戸の「色」はそんなに重たくなく、気軽に行われていた!とか。。。
江戸時代、と一口に言っても、長かったし、いろいろな世界があったのですねえ。