北朝鮮による拉致非認定者のご家族の現実
「北朝鮮による拉致非認定者のご家族の現実を知ってください」
というメールを頂きました。ご了解を頂いたので、転載いたします
ワシントンDCらち連絡会ReACH
非認定の拉致被害者家族の皆様へ
皆様、大変にご無沙汰しております。いつもありがとうございます。
さて今回のキムヒョンヒ来日の件でも、北朝鮮がその犯罪を認めていない非認定の拉致被害者に対しては、調査会の荒木さんが政府に問答無用の門前払いをくったように、政府には全く誠意もやる気も見られません。
元々、日本政府には拉致被害者をほんとうに救出しようという意志も具体的なアイデアも全く見られません。政府のやっていることは全て、救出には繋がらないが何かしているフリをするというアリバイ作りだけだと感じます。
それに加えて言えばですが、拉致被害者の救出を日本政府に任せっきりにするのは無理があるのと同様に、それを家族会の人達だけに任せても、あるいは救う会の人達だけに任せても、そして調査会の人達だけに任せていても、無理というものです。
それは言わば最初からわかっていたことだと思いますが、膠着状態は一貫して続きますし、全く光が見えないというのが現状だと思います。
このままでは、拉致被害者を救出できる見込みは全くありません。私達は他人に頼ってばかりいるのではなく、私達自身も自分達で行動を起こすべき時が来たのではないでしょうか。
そもそも元はと言えば非認定家族の集まりであった横田さん達の家族会が、いつの間にか認定家族の集まりに変質してしまって、その問題は数人のかわいそうな人達の問題というように矮小化されてしまいました。
それに非認定の被害者は調査会の荒木さんに頼りっきりだという問題があります。家族会の代表が横田さんや飯塚さんではなくて、家族でない西岡さんだったら人々を充分に説得できないのと同様に、非認定の被害者家族が荒木さんに代表されているのでは、政府に非認定家族の無視の口実を与えているようなものです。家族でない人が家族の代表をしても、多くの人々の心をほんとうに動かすのは土台無理な話です。被害者家族自身が訴えなければ人々の心を動かすことはできません。
非認定の家族は、横田さん達の家族会の人達のように政府に相手にされることもなく、またどうして良いかもわからず仕方なくバラバラに署名集めをしたりしています。別に署名集めが悪いというわけではないですが、署名集めは人々に認知されていない問題を広める際には効果的ですが、日本人全てが拉致問題を知っており、かつ被害者の救出自体に対しては誰も異論はない問題ですから、ただ署名を例えば百万人分集めても、大きな前進はあまり期待できないのではないでしょうか。
普通の人々はそれぞれが皆自分の生活で忙しいです。自分の生活で大変です。恒常化した不況、高い失業率、年金や健康保険等の将来への不安、あるいは日々の生活にも苦労している人々も少なくないと思います。そのような人々と拉致だ拉致だと何年も同じことを言っても、せいぜい署名位してくれる人はいると思います。あるいは千円位寄付してくれる人もいるかもしれません。ただそれを何年も続けていても進展は望めないのではないでしょうか。
問題は、どこでも拉致被害者救出の活動が恒常的になってしまって、職業的になってしまって、その柵の中で、マンネリが続いていると感じるのは私だけでしょうか。どなたか、拉致被害者を救出する具体的なアイデアのある方には教えてもらいたいものです。私は個人的に何年もそのような人を探してきましたが、見つかりませんでした。
誤解のないようにお話ししますが、私の考えは、最近に家族会への批判を強めている元家族会の蓮池透さんの考えとは全く違います。彼は彼なりに、ずっと状況が行き詰っていることにイライラしているのでしょうが、蓮池さんは北朝鮮と話し合いをして家族を返してもらうという意見のようです。しかし拉致被害者にしろ、在日帰還の人にしろ、北朝鮮の国民にしろ、北朝鮮からの出国が法律違反、場合によると死刑の国ですから、出国できないというのは、北朝鮮の根幹であり、話合って返してもらうという意見には全く同意できません。
話を元に戻します。今のままでは家族を救出できる希望は全くありません。このまま日本で待つ家族も、北朝鮮で救いを待つ家族も少しづつ死んでいくのを待つだけなのでしょうか。そして救出を他人任せにして自己満足に終わるのでしょうか。政府に任せても、家族会に任せても、救う会に任せても、調査会に任せても、家族は救うことができません。もし他人が本気でないなら、自分達で努力すべきではないでしょうか。もし政府にほんとうのやる気がないならば、人々を動かして政府を変えていこうとすべきではないでしょうか。
まだ多くの人は、拉致問題というのは、少数のかわいそうな他人の話だと思っています。北朝鮮が認めていない非認定の被害者はたくさんいます。拉致問題というのは、かわいそうな少数の他人の話ではなく、多くの人の問題、国民全部の問題だと示せるのは、非認定の家族です。非認定の家族が、拉致問題を解決する鍵なのです。
具体的な話になります。10/23に東京で調査会主催の集会があります。その時に、1997年にまだ非認定の家族だった横田さん達が集まって人々にとつとつと訴えて、山をも動かすように、少しづつ人々の心を動かし始めていったように、私達もすべきです。
具体的には10/23に東京の集会において、1997年に横田さん達がしたのと同様に、記者団を前に非認定の拉致被害者の家族が机に横一列に並んで、それぞれが自分の家族の写真を示し、自分の家族のことを話すのです。
この非認定家族の会は、家族会がそうであったように、(非認定)拉致被害者家族連絡会です。政治団体ではありません。それに皆さん、遠いとか、年老いているとか、忙しいとか、色々な理由であまり活動できないと思います。これはあくまで連絡会です。お互いに連絡を取り合う。そして何よりも、たくさんの拉致被害者がいることを人々に示し、訴えるための会です。因みに付け加えますが、私達の目的は政府に認定してもらうとか、政府に大事にしてもらうとか、そういうことでは断じてありません。自分達の家族を救うため、人々に訴えて、政府を変えていくためです。
どうか皆様のご理解とご協力をここに切にお願い申し上げます。また支援者の皆様、どうか非認定の家族をサポートしていってくださること、重ねて宜しくお願い申し上げます。