阪神大震災12周年の一昨日、
神戸文化ホールに聴きに出かけた
フォーレのレクイエム。
誘って下さったのは
数年来の合唱仲間であり、
よき相談相手でもある人生の先輩。
父親とおなじくらいの年齢の、
一見!?ダンディーな
けれどおつきあいしてみれば
単純(…失礼 )で
素朴な、こころ優しい男性である。
フォーレのレクイエムは
もとよりだいすきな、あこがれの曲であるし、
つい最近
お仲間に入れていただいた合唱団で
ご指導下さる先生も歌われるというので、
よろこんで出かけていった。
合唱団も オーケストラも
みなさんプロの方ばかり。
実は、
私自身がアマチュアの合唱団で
何年も歌っていることもあって
自然とそのお仲間さんの演奏会を聴きにゆく機会が多くなり、
あまりプロの合唱団の演奏会に出かける機会には
めぐまれずにいた。
聴きに行ってみれば…
そのかろやかな音色に酔いしれ、
たましいがきよめられてゆくような
美しいフォーレにひたりきった至福のひとときだった。
おひとりおひとりが ソロとして歌える
すぐれた歌唱力をもつ方たちでありながら
指揮の先生のもと、
それは謙虚に
みなでこころをあわせて
ハーモニーをつくりあげようとする思いが
しみじみと伝わってくる。
うまく歌ってやろう とか
自分がいちばんいい声を出してやろう なんて
だれひとり、これっぽっちも思わず、
ただただ、
息をあわせ 声を、こころをあわせて…
ということに集中している合唱。
ああ。。。
これがほんとうのプロというものなんだな
と 感じさせられる。
技術的なことはもちろんだけれど、
精神的な姿勢もさらにすばらしい。
私たちは そこまでおよぶべくもないけれど、
一歩でも、すこしでも
そこへ近づけるよう めざしてゆきたいな
と思う。
アンコールで、これもまただいすきな
「ラシーヌ讃歌」
を すばらしいハーモニーで聴けたのも
とても しあわせだった。
フォーレのレクイエムには
だんだんとたましいがきよめられて
天国へたどりつくような、
おだやかな優しさを感じる。
きのう聴いた
レクイエムと ラシーヌ讃歌は
まさにそんなイメージどおりの、
天上の音楽を聴くような
こころ洗われるひとときだった。
あの歌声が
どうか 震災で亡くなった方たちと
だいじなひとを震災で亡くされた方たちのたましいに
届きますように
やすらぎを 得られますように
いつまでたっても
へたくそな私だけど、
いつか いつか 私も
あんなふうに きよらかに
ひとのこころに訴えかける歌を
歌えたらいいなあ