ちょうど1年前の今頃だ。
定期的に経過をみていた父の肺の影に変化がみられ、
急ぎ 精査が必要と言われたあの日。
2013年の12月4日のことだった。
その同じ年の6月に心臓の弁置換の手術を受けた母が、
術後思わぬことで3ヶ月間もの入院となり、
そのうち約1ヵ月半はICUだった。
一時は回復も危ぶまれた。
治療の苦痛や 大きなストレスにも耐えた母に
ようやく光が見え、ぶじ退院できたのが9月。
前年の夏には父の胃がんが見つかり、
内視鏡的胃粘膜剥離術のあと、
その組織結果で 開腹での胃部分切除が必要となり、
結局2度の手術を受けた。
幸いにも、経過は順調。
ほかに内科的な病気もなく、これまで病気知らずなうえ
体力にも恵まれていた父は 回復も早かった。
術後1年目が過ぎたこの頃、
転移や再発の兆候はみられていない。
母の長引く入院で、
父の心身には大きな負担がかかっており、
それは気になっていたが。
すこしずつ、わたしたち家族の生活のペースが戻ってきて、
おだやかなお正月が迎えられるかと
みんながほっとしつつあったその矢先だった。
胃の検査・治療中にみつかった肺の影については、
定期的に胸部レントゲンとCTを撮り、
そのたび 大きさも形も変わらないと言われ、
ほっとすること数回。
今回の検査で異常がなければ、
また半年後とか
もしかしたらもう 1年後くらいのフォローで
心配ないかも知れない。
検査を受ける本人である父は、
検査のたびにいつも不安をもらしていたが…
昨年は父の胃がん手術をぶじ乗り越え、
今年は母も大きな手術からぶじ回復し、退院できた。
このお正月は家族みんなが元気でいられることに感謝して
ゆっくり過ごせる、
そして来年は きっとおだやかないい年になる。
そう信じられる気持ちがあったし、
そうと信じたかった。
ところが、
その日を境に、わたしたち家族の状況は一変する。
またもや試練の日々。
その日から、父を看取るまでの日々。
長くて、それでいてあっというまの8ヶ月。
それを振り返り、
克明に思い返し、綴るのは まだつらい。
けれど、忘れたくはない。
父にまつわる、あれこれのこと。
記憶がうすれてしまわないうちに、
ちゃんと書き残しておきたい思いもつよい。
まとまりはつかないままだが、
そのうちすこしずつ、思い出すままに 書いてみようと思っている。
むりはせず、気のむく時に、気長に。