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自ら望んだ「在宅ひとり死」をやり遂げた人の実際

2021-09-14 15:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です。

人はいつか老いて病んで死ぬ。その当たり前のことを私たちは家庭の日常から切り離し、親の老いによる病気や死を、病院に長い間任せきりにしてきた。結果、いつの間にか死は「冷たくて怖いもの」になり、親が死ぬと受け止め方がわからず、喪失感に長く苦しむ人もいる。
看取り士とは、余命告知を受けた本人の家族から依頼を受け、本人や家族の不安や恐怖をやわらげ、思い出を共有し、最後は抱きしめて看取ることをうながす仕事。家族がいない人を支えることもある。
田中雄一(仮名・65)に、家族や親族との付き合いはなく、終末期をワンルームの自宅アパートで、ひとりで過ごした。一見かわいそうにも見えるが、彼を見守った在宅医はなぜか、「最期まで自由に暮らして、よい看取りだった」と語ったという。
田中と看取り士との交流を軸に、在宅医の真意を探る。
人生最後に彼が書いた言葉は「テレビ見たい」
看取り士である西河美智子(58)に、顔なじみの女性ケアマネジャー(53)から依頼があったのは今年1月。通常の派遣依頼は高齢者の家族からの場合が多い。だが、自宅で過ごすことを希望する単身者の場合、介護プランの作成を担当するケアマネジャーから依頼されることがある。
「急変されました」
ケアマネジャーからの緊急連絡が、西河に入ったのが4月末。田中が亡くなる前日の昼下がりだ。午前中に訪問した男性の介護ヘルパーが、床で倒れている田中を見つけた。田中は膀胱(ぼうこう)がんのステージ4で、悪性腫瘍の切除もできない状態だった。
西河が田中宅に着くと、目に生気がなく、声かけへの反応はにぶく、呼吸も浅かった。西河らの後に到着した担当医は診察後に、「看取り期に入りました。あとはお願いします」と、西河らに告げた。
元看護士でもある西河らの懸命の支えで、田中はいったん持ち直した。西河が彼に「今晩はおそばにいましょうか?」と尋ねると、彼は首を小さく左右に振る。続けて「これから先のことはどうしましょうか? 私たちにお任せでいいですか?」と確認すると、今度は黙ってうなずいた。
その後、西河が耳を近づけても田中の言葉が聞き取れない。彼女がすかさずスケッチブックと黒ペンを渡すと、彼は「テレビ 見たい」と書いた。すぐにテレビをつけると彼は黙ってうなずき、しばらくするとすやすやと眠ったという。
「寂しいからテレビをつけるというのでは、たぶんないんです。普段からテレビを24時間つけっぱなしで過ごされていたので、『これでよし』と納得されたんだと思います。田中さんが最後までまっとうしようとされた暮らし方でした」
滋賀県で暮らす西河は、関西弁の抑揚でそうゆっくりと話す。田中の生き方に寄り添い、尊重する彼女の姿勢だった。
しかし、西河が田中にここまで信頼されるのは簡単ではなかった。
女性が苦手な男性宅の玄関で閉め出された日
西河が、ケアマネジャーから田中が極度の女性嫌いだと聞かされたのは、最初の面会後。ベテランの彼女も田中にはまるで取りつく島がなく、困り果てて西河に依頼してきたという。
定年退職後の田中は趣味の温泉めぐりに没頭し、車での移動生活を約5年間続けた。だが、がんが見つかって入院。放射線治療を受けて退院していた。
最初の面会から数日後、西河も1人で訪問すると案の定、田中に玄関ドアから閉め出された。彼は多少酔っていて、口から酒のにおいがした。
「自分で(生活)できるから迷惑なんだよっ!」
「はい、わかりました。今日は帰りますね」
西河は早々に退散し、数日後に素知らぬ顔で再訪した。
「また、来たんか。……仕方ないな」
田中はこのときドアを閉めなかった。室内に入ると飲みかけのパック牛乳からの饐(す)えた臭いと、アルコール臭が漂っていた。西河はちょっと窓を開けましょうかと言いながら換気をして、部屋をそっと片付けた。
この頃の田中は、まだ近所に歩いて買い物に行くことができた。配食サービスにはすぐに飽きて、毎回の食事はチョコレートと、ビールか焼酎のみ。
「田中さんが好きなものを摂っていらっしゃることを、とやかく言うことはありません。何を大事に思われ、どう暮らしたいのか。看取り士としては、ご本人の暮らしぶりをただ尊重するだけですから」(西河)
「幸せなひとり死」に必要なこと
やがて外出もままならなくなると、女性嫌いのはずの田中は、西河の訪問予定日を部屋のカレンダーに記入するようになる。さらにはトマトや梅干しなどの食べたいもののメモを、西河の訪問前に書きとめ始めた。
一連の変化を踏まえ、西河は訪問予定のない4月8日に2人の看取り士と一緒に田中宅を訪問。彼の誕生日サプライズだ。
田中は小さなアルミ缶のビールを手に「うれしいなぁ、うれしいわ」と、約1カ月ぶりの味に舌鼓を打った。自分が巡った中で印象深い温泉についても、機嫌よく話したという。
田中への対応を一任したケアマネジャーは、西河のねばり強い対応力を指摘する。
「最初に閉め出されても少しもめげず、最後は田中さんからとても強い信頼をおかれていました」
風呂好きな田中は、西河にすすめられて入浴を再開し、亡くなる3日前まで毎日入っていた。
「最後のほうは西河さんの訪問予定時刻の前に入浴されていて、やがて体力的にきつくて自力で(浴槽から)上がれなくなると、今度は西河さんに自分の身を委ねて、介助されるほどでしたから」(ケアマネジャー)
日本看取り士会の柴田久美子会長は、気持ちがころころ変わる、看取り期の人の端的な事例と指摘する。大好きなお風呂から自力で出られなくなった時点で、田中も支えてくれる人が必要だと気付いたのではないかという。
「認知症になっても自宅にいたいと懇願されていた別の男性も、希望通りに先日旅立たれました。どちらもご本人が最後まで続けたい暮らし方と、その尊厳をしっかりと見つめて寄り添う、看取り士が支えて実現したことと思います。支える人がいれば、誰でも在宅で幸せな死を迎えられるんです」(柴田会長)
もしも、家族がそばにいたらその都合や意向が優先され、本人が自宅にいたくても病院や施設に移されていたかもしれないと、柴田会長は補足した。
1つの生き物になっていたような無言の時間
5月1日の午前7時過ぎ、西河は田中宅に1人で来ていた。前夜の様子から、もう長くないと思ったためだ。西河は再びベッドに横たわる田中の頭を左ももにのせて、静かに呼吸を合わせた。
本人の死への不安や恐れを分かち合う「看取りの作法」だ。
取材に答える西河さん(写真:筆者撮影)
「田中さんが私のことをじーっと見つめられるので、私は時おり黙ったまま目で『どうしたの?』と尋ねるわけです。でも、彼は顔を小さく左右に動かして無言で、『なんでもない』と伝えてくれるだけでした」
最期が近づく田中は、西河の手をずっと握っていることさえ疲れる。だからその手を時おり放すのだが、しばらくすると西河の手を再び探す。彼女の手に触れると弱々しい力で握る。それが繰り返された。
「次第に人と人の垣根を超えて、1つの生き物になっているような気持ちになりました。ものすごく幸福な時間でしたね」(西河)
到着したケアマネジャーが玄関のドアノブをカチャッと回した瞬間、田中は大きな息を1つして旅立った。その後に駆けつけた在宅医は、「最期まで自由に暮らして、よい看取りだった」と、ケアマネジャーや西河らをねぎらった。
実は在宅医の彼も、診察前に田中が入浴したまま浴槽から出てこられなくなった際、怒ることもなく風呂場までやってきて、「入浴できるのは健康な証拠」と、田中に伝えたことがあったという。
彼が言った「よい看取り」とは、田中が最期まで自宅で暮らせるように尽力した、介護チームの全員に向けられていたのかもしれない。
荒川 龍 : ルポライター(=文中敬称略=)


ご飯、味噌汁、納豆に漬物…結局長生きにいいのは「ごく普通の朝食」であるこれだけの理由

2021-09-14 13:30:00 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です。

肥満やメタボリックシンドロームのような生活習慣病を防ぐにはどうすればいいか。医学博士の金城実さんは「健康な体を保つには腸内環境の改善が重要。一日一食は、発酵食品が多く含まれた伝統的な日本食をとるのがいい」という――。
※本稿は、金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
悪玉菌を腸内からなくしてしまうのは逆効果
COVID‐19感染症の世界的流行にともない、人々の健康意識が高まる中、注目されている「発酵食品」。医師であり『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)の著者でもある金城実氏は発酵食品に注目しているという。とくに金城氏が期待しているのが「腸内環境の改善」という。
「私たちの腸のなかにはいろいろな細菌が住んでいます。みなさんも、ビフィズス菌とか、腸内善玉菌・悪玉菌とか、聞いたことがあるのではないでしょうか。腸のなかではいろいろな種類の菌が集まって存在しているのですが、その様子がお花畑(フローラ)のように見えることから『腸内フローラ』と呼ばれています。
腸内細菌については善玉・悪玉菌という名前から『カラダにいい働きをする善玉菌を増やして、悪さをする悪玉菌はやっつけたほうがいい』と思っている方も多いのですが、悪玉菌を腸内から一掃して、まったくなくしてしまうことは、むしろ私たちのカラダにとってよくありません。
重要なのは、悪玉菌と善玉菌のバランス。バランスのとれた腸内フローラを保つことによって腸の働きがよくなり、カラダに必要なたんぱく質・糖質・脂質やビタミン・ミネラルなどの栄養素が吸収されます」(金城氏)。
「腸内バランスがとれている」とは、どんな状態?
「バランスのとれた腸内フローラ」とは、どういう状態なのか。どの細菌がどれぐらいの割合で構成されているのか、ということについては、現在も研究が進められている。
ただし、多くの種類の腸内細菌が共生している(腸内細菌叢の多様性が高い)状態を保つことによって免疫力の向上、肥満やメタボ・生活習慣病の防止など健康増進につながる、ということは国内外の研究で明らかにされている。
自然環境問題におけるキーワードが「多様性」であるのと同じように腸内環境も「多様性」が重要なポイントであり、その多様性を高めるうえで心強い味方になってくれるのが、発酵食品なのだ。
今年7月12日、米国科学誌「Cell」に掲載されたスタンフォード大学のグループの研究では、発酵食品を多用する食事をとる人と、そうでない人の腸内フローラを調べたところ、前者では「腸内細菌叢の多様性が高まっている」ことが確認されたという。では、「発酵食品を多用した食事」とは、どのような食事なのだろうか。何を摂取すれば腸内環境の多様性を実現できるのか。
味噌、醤油、お酢、納豆、漬物…
金城氏は、「一日一食は伝統的な日本食をとる」ことを勧めている。伝統的な日本食には、味噌や醤油、お酢、納豆、漬物など多種多様な発酵食品が取り入れられているから、というのが、理由の一つだ。
また金城氏は2020年からCOVID‐19感染症対策などで沖縄県の政策参与を務めており、県民のデータを分析して健康施策の企画提案をしている。
「かつて『長寿県』として知られていた沖縄が、『長寿』から転落してしまいました。その要因は、都市化が進んで歩かなくなったなど、いろいろありますが、一番の要因は、やはり食生活の変化です。かつて沖縄の人たちは伝統的な食事――豆腐や豚肉、昆布、野菜、発酵食品(豚味噌や豆腐ようなど)を多用した沖縄食――を食べていました。
それが、いまでは米国由来の食べ物が増え、沖縄食はすっかり減ってしまいました」(金城氏)
このような現象は、沖縄に限らず、日本全体がそうなってきていると、金城氏は指摘する。
とは言うものの、「どんな食べ物に、どんな栄養素が含まれているのかを考えながら食べるって、その道のプロでもなかなか続きません。続かなければ改善することもありません。それでは元も子もありません。そこで私は、無理なく頑張らなくても続けられる目標を考えました。それが『一日一食は伝統的な日本食を食べよう』なのです」(金城氏)
「これだけそろっていればもう満点」
肝心の、「伝統的な日本食」とはどのような食事なのか。金城氏によれば、下記5品目をそろえるとよいそうだ。
①ご飯
②具沢山のお味噌汁(具は、豆腐などの大豆製品、ワカメなどの海藻類、キャベツなどの葉物野菜や人参などの根菜、キノコ類など)
③納豆
④ぬか漬けなどの漬物
⑤海苔
「これだけそろっていればもう満点です。余裕があれば焼き魚や卵焼きもプラスして。
これを基本形にして、あとはその日その日の体調や自分の好みによってアレンジしてください。最近は、コンビニのお弁当でも日本食のラインナップが増えてきました。そういったものを上手に活用するのもOKです」(金城氏)
また、金城氏によれば、「一日一食は伝統的な日本食をとる」ことで、人の身体に備わっている免疫の一翼を担うNK細胞やマクロファージなど、「細胞たちを元気にする栄養素のほとんどをとることができる」という。
発酵させた和菓子「くずもち」とは?
ところで、和菓子にも発酵させて作られたものがあるのをご存じだろうか。それは、どんな和菓子かというと、「くずもち」だ。
ただし、「くずもち」は「くずもち」でも、東京を中心に、近県の神奈川や千葉で古くから食されてきた「久寿餅」だ。東京や神奈川、千葉以外の地域では、「くずもち」というと「葛餅」だろう。この和菓子は、読んで字のごとく、葛粉を練ったもの。発酵食品ではない。
「江戸久寿餅」のショーケース(撮影=道井さゆり)
一方の久寿餅は小麦粉からグルテンを取り除いた「小麦でんぷん」を発酵させて作る、れっきとした発酵和菓子なのだ。しかも、洋菓子と比べて低カロリーなうえに、卵や乳製品も不使用でグルテンフリーだからアレルギーが気になる人も安心だ。
卓球の伊藤美誠選手が食べる姿が話題に
「久寿餅」については、東京五輪閉幕後、ひょんなことからスポットライトが当たった。
金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)
卓球金メダリスト伊藤美誠選手のオフショット写真を投稿しているスタッフのインスタ(@mima_staff)に、創業60年以上の山信食産が立ち上げたブランド「江戸久寿餅」のハート型の久寿餅を、練習後、おいしそうに食べる伊藤選手の写真がアップされ、ネット上で「あの和菓子はなんだろう」「どこで買えるのだろう」と一時、話題となった。
ちなみに、「江戸久寿餅」は「小麦でんぶん」を730日以上もの時間をかけて自然の力で長期間乳酸発酵させている。そこに添えられる黒蜜はビタミン・ミネラル豊富、きな粉も畑の肉と言われる大豆から作られた健康にいい自然食品だ。
東京五輪で伊藤選手が混合ダブルス、シングル、団体と大活躍できたことと、発酵おやつ「久寿餅」との因果関係はさだかではないが、免疫力を高めたいいま、食してみたい発酵食品である。
道井 さゆり(みちい・さゆり)
ライター、作家
漢方・自然療法系の健康雑誌の取材記者をはじめ、健康図書・家庭医学書の企画制作に携わる。 予防医療の金城実医師の近著『箸置きダイエット』『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(ともにプレジデント社)の制作にも参加。


酒好き女性に朗報 乳がんリスクを下げる可能性のあるつまみとは

2021-09-14 12:00:00 | 日記

下記の記事は日経グッディオンラインからの借用(コピー)です。   記事はテキストに変換していますから画像は出ません

日本人女性約16万人を対象にした大規模研究の解析結果から、閉経前では飲酒の頻度と飲酒量が乳がんのリスクと関係することが分かりました。酒ジャーナリストの葉石かおりさんは、酒好き女性を代表して、愛知県がんセンターのがん予防研究分野分野長の松尾恵太郎さんに、乳がんのリスクを上げないためにはどのようにお酒を飲めばいいのか、またお勧めのつまみはあるのかなど、話を伺いました。
 閉経前の女性は、飲酒頻度や飲酒量が増えるほど、乳がんの罹患リスクが上がる。
 前回の記事で、愛知県がんセンターなどが公表した、日本人女性約16万人を対象にした大規模研究の解析結果を紹介した。一方で、閉経後では飲酒と乳がんのリスクに有意な関係が見られなかったという。
 愛知県がんセンターのがん予防研究分野分野長の松尾恵太郎さんは、「一般にがんというと、高齢になると罹患率が高くなるものが多いです。その中でも乳がんは、比較的若いうちから罹患率が上がるがんだといえます」と話す。
 全国がん登録罹患データによると、乳がんの年齢階級別罹患率(2018年)は、下のグラフのようになっている。
乳がん年齢階級別罹患率(2018年)
(出典:全国がん登録罹患データ)
 日本では、平均で50歳すぎに閉経する人が多く、その前後合わせて10年、つまり45~55歳ぐらいが更年期にあたるといわれている。しかしこの乳がん罹患率のグラフを見ると、閉経前の40歳以降からグッと数が上昇していることが分かる。
 やはり女性特有の乳がんは怖いし、できることなら罹患したくない。しかし酒好きとしては、この結果を踏まえてもなお、酒を完全にやめることはできない。そこで「乳がんの予防」という観点から、どんなふうに酒を飲めばいいのかについて、引き続き愛知県がんセンターの松尾さんにお話を伺った。
酒の「量」と「頻度」、どちらかを妥協する
 先生、大規模研究の解析結果で、乳がんと飲酒の関係を知ってもなお、お酒はやめられません(涙)。
 「私もお酒が好きな人の気持ちが分かるので、『お酒をやめなさい』とは言いません(笑)。繰り返しになりますが、閉経前の女性の場合、いずれもまったくお酒を飲まない人に比べ、週5日以上飲む人は乳がんの罹患リスクが1.37倍に上がり、飲酒量については1日に23g(純アルコール換算)以上飲む人のリスクが1.74倍になる、という結果になりました。これを踏まえ、『お酒は乳がんのリスクファクターになる』ということを意識して飲むことが大切です」(松尾さん)
うう、酒飲みの気持ちを理解していただき、心底ホッとする。とはいえ、やはり「リスクになる」と意識することが大切なのだ。
 具体的にどのように意識するのかというと、「量、または頻度のどちらか妥協できるほうを選択し、セルフコントロールしましょう」と松尾さん。
 量に関しては、「1日23g以上飲む人のリスクが1.74倍」なので、これより少なく抑えるのが目安になる。厚生労働省の「飲酒のガイドライン」によると、節度ある適度な飲酒は「1日平均20g程度」であり、女性はその2分の1か3分の2が適当であるとされている(*1)。
 いや、もっと飲みたいぞ、という方は、頻度のほうを妥協しよう。週の中で休肝日を設ければ、1日20gを超えてしまうときがあってもいい。ただその場合でも、過去の連載記事でも紹介したように、週に150g程度に収めるのが望ましいと考えられる(参考記事「大量飲酒は『脂肪肝』にまっしぐら」)。
 私はこの取材を機に、自分が飲む量をなるべく正確に把握するようになった。日本酒は、1合きっちり入るカップを使って飲む。目分量だと酔った勢いも手伝って「あともう少し飲んでもいいか」とつい甘えが出てしまうが、この方法だと飲み過ぎを防ぐことができる。ビールの場合は1日にロング缶1本とした。
 頻度に関しては、試験的に「週末だけ飲んでもいい」というマイルールを作って、休肝日を「週5日」にしている。その代わり、ウイークデーはノンアルコールビールを飲むことにした。最初は物足りないと感じたが、3日目を過ぎたらちょっと慣れてきた。
 週末も、最初にノンアルコールビールで喉を潤してから酒を飲むようにすると、飲み過ぎることがないと気づいた。週末2日間の酒量のトータルは日本酒に換算して4合瓶1本。1週間で考えれば、「適量」と言ってもいいのではないだろうか。
*1 厚生労働省「飲酒のガイドライン」
大豆は乳がんのリスクを下げる「可能性あり」
 酒量や飲む頻度を意識した上で、次に知りたいのは酒と一緒に食べるおつまみである。「乳がんのリスクを下げる」というエビデンスがある食べ物はないものだろうか?
 「あります。それは大豆です。国立がん研究センターの『がんのリスク・予防要因 評価一覧』にもあるように、大豆は現在、食品の中で唯一『(リスクを下げる)可能性あり』という評価が出ています」(松尾さん)
大豆! 大豆といえば枝豆、納豆、豆腐、厚揚げ、大豆もやしなどなど、酒のアテ(つまみ)にぴったりな食品ばかり。しかも低カロリーで高たんぱくなので、肥満予防にもなるのではないかと期待したい食品だ。
 しかし大豆と聞くと、気になるのは大豆に含まれているポリフェノールの一種、イソフラボンである。イソフラボンは、主な女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用を持つことで知られている。前回の記事で、「エストロゲンにさらされる期間が長ければ長いほど、そしてエストロゲンの量が多ければ多いほど、乳がんの罹患率が上がる」と伺っていた。イソフラボンによるリスクはないのだろうか?
 「エストロゲンと似た作用があるイソフラボンは、その化学構造もまたエストロゲンとよく似ています。イソフラボンは体内に存在するホルモンの受け皿である『女性ホルモンレセプター』に結合することで、エストロゲンがそれに結合するのを阻止します。これによってエストロゲンの働きを抑え、乳がんの発生や進行を遅らせると考えられているのです。イソフラボンを含んだ食品は、特に女性ホルモンの分泌が乱高下する閉経前の女性に積極的にとってほしいですね」(松尾さん)
サプリはあくまでも「補助的」に
 おお、これはまさに酒好きの女性にとっての救世主! イソフラボンといえば、サプリメントも出ているので、これを活用する手もありそうだ。どうでしょう、先生。
 「サプリメントはあくまで“補助”と考えてください。サプリをとることを否定はしませんが、カラダにいいからといってたくさんとればいいということではありません。食品からならとり過ぎることはあまりありませんが、サプリだととり過ぎる可能性があります。お酒同様、適量を意識しましょう」(松尾さん)
 なるほど、いくらカラダにいいとはいえ、「多ければいい」ということではないのだ。
 ちなみに、最近は大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が腸内細菌によって代謝されて生み出される「エクオール」のサプリメントもある。これについても、イソフラボンのサプリ同様、「補助的なものとして考えたほうがいい」と松尾さん。大豆を使った食品がなかなかとれないときなど、ライフスタイルに合わせ、うまく活用したい。
 ところでおつまみといえば、枝豆と並んで手軽な「チーズ」も定番だが、一部の週刊誌やネット記事において、「チーズなどの乳製品は乳がんの罹患リスクを上げる」という情報を目にすることがある。実際にはどうなのだろう?
 「先に挙げた国立がん研究センターの『がんのリスク・予防要因 評価一覧』を見ると、牛乳・乳製品は『データ不十分』という評価になっています。日本人が年間にとる乳製品の量は欧米に比べるとかなり少ないので、このような評価になっていると思われますが、たまにおつまみとしてチーズを1~2片食べるくらいなら、そこまで神経質にならなくて大丈夫です」(松尾さん)
 チーズ好きな人も、これを聞いてホッとしたかもしれない。
 もう1つつまみで注意したいのは、肥満の原因にならないようにすることだ。前回も触れたように、肥満は閉経前の女性にとって乳がんのリスクを上げる「可能性あり(BMI30以上)」で、閉経後では「確実」にリスクを上げると評価されている(*2)。
 揚げ物などハイカロリーなつまみのとり過ぎに注意し、お酒を飲んだときのシメのラーメンはごくたまにやらかす程度に我慢したい(参考記事「酒飲みがダイエットを成功させるために常備したいつまみ5選」)。リスクを下げる「可能性あり」の運動も取り入れつつ、節制を心がけたほうが良さそうだ。
*2 国立がん研究センター「がんのリスク・予防要因 評価一覧」より。BMI(体格指数)は、体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))。
リスクはゼロではない、定期的に検査を
 さて、「乳がんはエストロゲンと関係性が深い」ことを聞いて、低用量ピルをはじめとする女性ホルモンを補充する治療を行っている方はかなり気になっているのではないだろうか。
 先生、生理不順や更年期などの対策に使う低用量ピルを服用しているお酒好きの女性は、乳がんの罹患リスクが上がるのでしょうか?
 「正直、リスクはゼロとは言い切れません。利を得れば、失うものもあります。ただ初期に発売されたピルとは異なり、現在処方されているものはエストロゲンだけでなく黄体ホルモンも含有されているので、その分エストロゲンの量が少なく、リスクは下がると考えられます。低用量ピルに関しても、お酒と同じように『リスクはゼロではない』ということを念頭に置いて服用し、定期的に乳がん検診を受けるようにされるといいでしょう」(松尾さん)
 私自身、若年性更年期の治療を皮切りに、もう15年近く低用量ピルや、更年期の治療薬(ウェールナラ)を飲んでいるが、現在まで主だった副作用はない。こうしたホルモン剤のリスクを受け止めつつ、更年期のしんどい症状を改善し、年に1回の乳がん検診を受けることで安心も得ている。
 松尾さんは、定期的な乳がん検診の重要性について、こう教えてくれた。
 「さまざまながんの中でも、乳がんは早期発見できれば命を落とす可能性が少ないものです。また発見が早ければ早いほど、手術治療での切除部位も最小限で済みます。乳がんの罹患は40代でピークを迎え、その後はずっと高い状態を維持します。つまり40代以降はいくつになっても乳がんのリスクがあると考え、定期的に検診を受けることが賢明です」(松尾さん)
 乳がんのリスクを理解した上で、酒の量や頻度をセルフコントロールし、おつまみにも気を付ける。さらに早期発見のために年に1回の乳がん検診を受ける。そして閉経前、閉経後にかかわらず、適度な運動にも取り組む。こうしたことを意識し、酒を長く楽しんでいただきたい。
(図版制作:増田真一)
松尾恵太郎(まつお けいたろう)さん
愛知県がんセンター がん予防研究分野分野長
1996年岡山大学医学部卒業。亀田総合病院、岡山大学医学部附属病院医員(第二内科)、愛知県がんセンター研究所(研修生)、ハーバード公衆衛生大学院疫学部(国際がん研究機関ポストドクトラルフェロー)を経て、2003年より愛知県がんセンター研究所疫学・予防部研究員。2013年より九州大学大学院医学研究院予防医学分野教授。2015年より愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部部長。2018年4月より現職。


眞子さまの結婚は水面下で整えられていた 天皇、皇后両陛下もご理解か

2021-09-14 11:00:00 | 日記
下記の記事はAERAdoからの借用(コピー)です。

急転直下で国民に明かされた眞子さまご結婚決定の報。コロナ禍でお姿を見る機会も減り、その心中をうかがい知る機会も少ない天皇、皇后両陛下や愛子さまは、どのように過ごされているのだろうか。ジャーナリスト・友納尚子さんが報告する。

*  *  *
 眞子内親王殿下(29)のご結婚が具体的に大きく動いたのは、今年の4月からだった。

 婚約者の小室圭さん(29)が、母親と元婚約者の男性とのいわゆる“金銭トラブル”について、A4判の用紙で計28枚にもおよぶ文書を公表。秋篠宮皇嗣殿下(55)が昨年11月の記者会見で金銭トラブルに関する対応を「見える形になるというのは必要」と述べられたことを受けてのものだった。

 天皇、皇后両陛下は一連の動きをどのように捉えられていたのだろうか。

 この文書について両陛下は「神武天皇祭皇霊殿の儀」(4月3日)を終えられた翌日に確認されたという。ある宮内庁職員は「眞子さまと小室さんが十分に話し合われてご結婚に向け努力をなさっている姿が文書から見えたことで、(両陛下の)理解につながったのではないか」と語った。

 愛子内親王殿下(19)は文書の公表をニュースで知り、眞子さまのご結婚がスムーズにいくことを願われて、部屋にいた猫の頭を撫でながら、そっと話しかけられていたという。

 宮内庁記者はこう話す。「以前から30歳までにご結婚をと望まれる眞子さまのお気持ちに添って、宮内庁は儀式を執り行わないにしても皇族方へのご挨拶などの予定を組んできたといいます」

 一方の、国民の小室さん文書公表に対する反応は冷ややかだった。このままでは、問題が解決するのに時間がかかるのではとの見方が広がったが、眞子さまのご結婚に関する道筋は水面下で整えられつつあったのだ。

 正式な発表時期は当初、東京五輪・パラリンピック閉会後、9月6日の悠仁親王殿下(15)、9月11日の紀子皇嗣妃殿下(54)と続く誕生日を迎えてからとされていたが、「何らかのアドバイスがあって前倒しされ、9月1日の読売新聞のスクープにつながったといわれています」(宮内庁記者)。

「何らかのアドバイス」とはどんなものか。現段階では分からないが、秋篠宮家を支える加地隆治・皇嗣職大夫は3日の会見の中で、「現在関係の皆様で、ご相談されている。しかるべき時期が来ればお知らせする」と、報道は認めたが結婚までの詳細は述べなかったため、従来の予定に変動があるのではという観測もあるという。

 秋篠宮さまは、一般の結納にあたる「納采の儀」は家と家をつなぐものだから行わないというお考えを昨年の11月の会見で示し、天皇、皇后両陛下に挨拶をする「朝見の儀」についても同様との見方がされてきた。

「しかし4年前のご婚約会見では、すでに退位の意思を示されていた上皇陛下(87)と幼いころから眞子さまを可愛がってこられた上皇后陛下(86)への『朝見の儀』を行うため、ご婚約の予定を早めたといわれています。当時、公務に出ていた皇太子ご夫妻(両陛下)は、公務先でご婚約の発表があると初めて聞き驚かれたとされるほどです。それだけ『朝見の儀』にこだわられてきた秋篠宮家だけに、行わないとなると、今の天皇、皇后両陛下はお寂しい思いをなさるかもしれません」(元宮内庁関係者)

 今後、儀式などの変更の有無が注視されている。

 最近の天皇ご一家は、どんなご様子だろうか。

 皇嗣職大夫の会見があった3日、両陛下の皇居への移転についての内閣告示が決定した。

 両陛下は、夏休み中の愛子さまとともに、現在の赤坂御所から新居となる皇居内の御所にお出かけになっている。

 引っ越しは、書物の多さなどから10日間ほどかかるという。その間、両陛下と愛子さまは、皇居内の国事行為などを行う宮殿に仮住まいをすることが発表された。

 これまでの皇族方の引っ越しの際は、都内を離れた御用邸で仮住まいをされてきたが、今回はコロナ禍を考慮し、陛下から出された異例の“宮殿滞在案”だったという。

 理由は「引っ越しによって、都外で滞在になることで万一にも一行の中から、お供する職員や警備担当も含めて感染者が出るといけないと強く思っておられる。県境をまたぐ移動そのものが、国民に誤ったメッセージになりかねないということを考慮なさった」(侍従次長会見)からだった。

陛下が常にコロナ禍を懸念し、心をくだかれていることがわかる。

「日頃から、雅子さまも急を要する場合は、宮殿が使えるのではないかと陛下とお話しになっていたそうです。新御所もなるべく質素なインテリアをと望んでおられて壁飾りも少ない。お出ましになる機会は減りましたが、ワクチンも打たれて、とてもお元気なご様子です」(雅子さまの知人)

 天皇ご一家にとって、この夏に感動したことの一つに東京五輪・パラリンピック大会に出場した選手たちの活躍があった。

 引っ越しの準備の合間を縫って、熱戦が続く競技のルールや見どころ、競技結果の報道をご覧になったという。侍従次長の会見でも、「パラリンピックに出場する選手が喪失感や絶望感を味わったり、差別やいじめを経験したりするなど、厳しい状況に置かれつつも懸命にスポーツに向き合ってきたという報道にも両陛下はご関心をされている。パラリンピアンたちが東京パラリンピックという大舞台に立っていることを感慨深く思われているご様子」と伝えられた。

 最終日5日のパラマラソンには、2018年に陛下が伴走された道下美里さんらが日本代表選手として出場するため、ご一家で楽しみにされているという。

 愛子さまは、競技後に選手たちが国を越えて、まるで自分のことのように喜び合う姿をご覧になり、感動されたそうだ。

 陛下(61)も4歳の時、東京五輪(1964年)の閉会式をご両親である現在の上皇、上皇后夫妻とご覧になって、各国の選手が混ざり合いながら行進する姿に感銘を受けられたという。愛子さまもまた両陛下とご覧になった選手たちの姿から、世界の平和を願う気持ちを深められたに違いない。(ジャーナリスト・友納尚子)

小室圭さん緊急帰国へ!秋篠宮さまが最後に求められる眞子さまとの“鎮圧会見”

2021-09-14 10:00:00 | 日記

下記の記事は週間女性プライムからの借用(コピー)です。

「小室さんは私を温かく励ましてくださる存在でございます。
 最初に惹かれたのは、太陽のような明るい笑顔であったと思いますが、性格を深く知るうちに、まじめでご自分の考えと強い意志を持ちながら努力されるお姿、また、物事に心広く対応される姿に惹かれました」
'17年9月3日、小室圭さんとの婚約内定会見に臨まれた眞子さまは、そう微笑まれた。あれから4年─。
金銭トラブルの現状は?
「9月1日、おふたりが年内に結婚される見通しだと報じられました。一般の結納にあたる『納采の儀』などの結婚関連の儀式は行わない方向だそうで、眞子さまは皇籍離脱に伴って支給される約1億4000万円の一時金も辞退される意向とのことです」(皇室担当記者)
'17年12月に本誌がスクープした、小室さんの母・佳代さんが抱える400万円超の金銭トラブルを受け、'18年2月に宮内庁は結婚に関する儀式の延期を発表。
 混迷を極めた結婚問題に“ゴール”の兆しが見えたということは、佳代さんと元婚約者・竹田さん(仮名)とのトラブルも解決に向かっているのだろうか?
「いえ、まったく。今年4月に小室さんサイドから“解決金を支払う”と言われたものの、交渉すら始まっていません。“対面ではなく、手紙でも構わないから、佳代さん本人から金銭トラブルの見解について説明してほしい”と伝えていますが、その返事すらいただけず……。これ以上は手の打ちようがないので、今は先方の対応を待つのみです」(竹田さんの代理人)
 そのような状況でも、竹田さんは「圭くんには幸せになってほしい」という気持ちを持ち続けているという。
「佳代さんに対する感情と、圭くんに対する感情はまるで違うのだと思います。世間が結婚問題と金銭トラブルを抱き合わせて捉えていることに対しても、複雑な思いを抱えていました。
 今回の報道に対しても“結婚が決まってよかったね”と声をかけたら、肯定するんじゃないでしょうか。心の内は本人にしかわかりませんが……」(竹田さんの知人)
佳代さんが抱えている“トラブル”は、これだけではない。
「夫の自死後に遺族年金を“不正受給”していたのではないかという疑惑や、職場の洋菓子店との間に生じている“労災トラブル”。先日は“約3年前に傷病手当金を不正受給していたのではないか”とも報じられました。
 お金絡みのトラブルが絶えない小室家に、国民は不信感を募らせていく一方です。'18年に秋篠宮さまがお誕生日会見でおっしゃった“多くの人が納得し喜んでくれる状況”とは、ほど遠い。もはやその状況になることは不可能では……」(前出・皇室担当記者)
一時金を「0円」にすることは可能
 秋篠宮さまからのご要望を“無視”する形で結婚へ突き進まれるおふたりに対し、世間からの風当たりは強まるばかり。
「反発の声は日に日に大きくなりました。“『納采の儀』を行えば、殿下が婚約を承諾されたことになるので行うべきではない”といった声や“結婚を反対する声が多い中、約1億4000万円の一時金が国民の税金から捻出されるのは、納得がいかない”などといった声です。
 眞子さまは、1年半以上前から“一時金を辞退し、結婚関連の儀式は行わない”という意向を示されていたそうですので、早い段階から国民の理解を得るために試行錯誤しておられたようなのですが」(皇室ジャーナリスト)

 そうはいっても、正式な手順を踏まない“異例ずくめ”の結婚は、現実的に可能なのだろうか。
9月1日、『読売新聞』は朝刊一面トップで、おふたりの結婚を大々的に報じた
【激レア写真】眞子さまの義母となる小室佳代さんのウェディングドレス姿
 宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、「一時金の辞退を表明されるのは、眞子内親王殿下の自由」としたうえで、こう解説する。
「『皇室経済法』に皇籍離脱の際には一時金を支給することが規定されており、支給額は『皇室経済会議』で決まります。“眞子内親王殿下が一時金の辞退を表明されているので、皇室経済会議は開催しない”というのは法律違反になります。ただ、皇室経済会議で“ご意向を尊重して支給額を0円とする”と決定しても法律違反にはなりません」
 一時金は、元皇族としての品位保持を目的として支給されるが、過去にも“0円”だったケースはある。
「'47年10月、11宮家51人が皇籍を離れ、一般人となりました。それに伴って開催された皇室経済会議では、元軍人だった男性皇族の一時金を0円にすると判断されたのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
 しかし、結婚によって皇籍を離れる女性皇族に、一時金が支給されなかったという前例はない。
「批判の声は数値化できないため、“世間からの反発を考慮して一時金は半額に”などということは考えられません。支給額は黒田清子さんと同様の1億5250万円か、“天皇の孫”の前例にならって1割減の1億3725万円、または0円という3択のいずれかになるでしょう」(同・前)
 皇室経済会議が行われるタイミングについては、明文化されていない。
「一時金は、女性皇族と一般国民との婚姻届が受理されたことを宮内庁が確認したうえで支給されます。支給日は入籍の翌日が多かったと思いますが、そのタイミングまでは法律で定められていません。
 これまで皇室経済会議は、結婚式の1か月ほど前に開催されていますが、開催の時期に関しての規定はありません。皇籍離脱後に開催し、決定した一時金を支給しても問題はないと思います」(山下さん)
'90年6月、秋篠宮ご夫妻は結婚に際して『朝見の儀』に臨まれ、両陛下(当時)に感謝の言葉を述べられた
【激レア写真】眞子さまの義母となる小室佳代さんのウェディングドレス姿
 一方、問題なのは“入籍前”の儀式について。眞子さまは、一連の儀式を行わない意向を示されている。『納采の儀』や、小室家の使者が宮邸を訪れて結婚式の日取りを伝える『告期の儀』は行わないとしても、“すべて行わない”となれば、皇室の歴史を否定することになるという。
「宮中三殿で拝礼する『賢所皇霊殿神殿に謁するの儀』と、天皇・皇后両陛下に謝恩の辞を申し上げる『朝見の儀』は、結婚以外の理由で皇室を離れる際にも行われる儀式です。この2つの儀式は結婚に伴うものではないので、行うかどうかは、秋篠宮殿下ではなく、天皇陛下がお決めになるでしょう。
 宮中三殿での拝礼は、天照大御神、ご先祖様、八百万の神に皇籍離脱のご挨拶をする、極めて重要な儀式です。国民からの批判を理由にこれが行われないとすると、天照大御神などにご挨拶もせず、皇室を離れることになります。これは大きな問題になるでしょう」(山下さん)
 いっさいの儀式を行わないというのは、皇室の“汚点”にもなりうるということ。30年間過ごしてきた皇室への不義理をしてでも眞子さまが結婚を急ぐのには理由がある。
「眞子さまは“早く窮屈な皇室を出たい”とお考えのようです。今回のように結婚するにも“国民からの祝福”が必要になったり、常にマスコミから注目される日々はそうとうなストレスになります。
 当初はご両親と同じく、自由恋愛の末に小室さんとの結婚を夢見ていたのは間違いないでしょうが、今では“早く皇室を出て、自由な生活を送りたい”というお気持ちのほうが強いのだと思います」(秋篠宮家関係者)
そんなおふたりが、国民からの逆風を鎮めるための“最後の切り札”とは─。
「秋篠宮殿下が小室さんに求めていらっしゃったのは、記者会見などを開いて自分の肉声で国民に説明することです。昨年のお誕生日会見でも“経緯を含めてきちんと話すことが大事”と述べられていました」(皇嗣職関係者、以下同)
『全国高等学校総合文化祭』にオンラインでご視聴された秋篠宮ご夫妻(8月1日・赤坂)
【激レア写真】眞子さまの義母となる小室佳代さんのウェディングドレス姿
 今年4月、小室さんは金銭トラブルの経緯や見解、言い分などを綴った28枚からなる膨大な文書を公表した。
「その際、宮内庁の上層部からは“当然、次は会見を開くだろう”との声もありました。だからこそ、宮内庁長官と殿下は、文書に対して一定の評価を示し、小室さんが会見などで国民に直接語りかける場を作りやすくしたのです」
小室さんに求められる最大の役割
しかし、自分たちの言い分を押し通す文書内容に国民からの批判の声が相次いだ。
「国民の反発が強い現状でも、宮内庁の上層部からは“小室さんはいずれかのタイミングで帰国して、眞子さまとおふたりで会見を開くべき”という声が上がっています。彼が帰国すれば大騒ぎとなり、会見を行っても“今更遅い”と非難されるとは思います。
 ですが、小室さんが改めて金銭トラブルの経緯や、なぜ解決できなかったのか、将来的にどんな仕事で社会に貢献しようとしているのか、眞子さまとの結婚の意思の強さを自分の声で説明してケジメをつける。これこそが秋篠宮ご夫妻の最後のご希望だと感じています」
 とはいっても、帰国のタイミングも難しい。年末にかけて『新嘗祭』などの大切な宮中祭祀や皇后のお誕生日など皇室の行事が立て込んでいる。
 昨今のコロナ禍においては、眞子さまのみが会見の席にお出ましになり、小室さんはアメリカにいるので“リモート”で同席されるという方法も考えられる。しかし、
「現在は、NYから日本へ直行便で帰国した場合は強制隔離をされることはありません。年末にかけて皇室行事がめじろ押しであっても、眞子さまと小室さんが会見を開く準備は十分に整います。
 眞子さまにとっても小室さんには帰国してもらって、4年前と同じように、おふたりそろって国民に説明をされるほうがいい。それこそが、小室さんに求められている最大の役割なのです」
“一億総ブーイング”を覆す最後のチャンスは、窮余の一策しか残されていないのだ。