ここ岡山の桜はもうすっかり散ってしまいましたが、今年は23年ぶりに花見を楽しむ事が出来たおかげで、身体も少しずつ風土に馴染んで行く感じがしています。
気がつけば4月も半ばに差し掛かり、5月になれば新緑が目に眩しい、季語の上では初夏となります。このように季節の移り変わりを実感出来るのはまさに日本ならではの事と思います。
話はガラリと変わりますが、もし今、「小学校の卒業証書を提出して下さい」と言われたとしたら、あなたはすぐに出せるでしょうか。私も含めて多くの方々はすぐには出せないと思います。中学校や高校の卒業証書も同様に難しいのではと思います。
多くの方々にとって卒業証書は、最終学歴である大学や専門学校のもののみ手元に置いていらっしゃるのではと思います。
ところが、シンガポール人の場合は違います。面接にアテンドする際は基本的に小学校から大学や専門学校の最終学歴まで全ての卒業証書、成績表を持参します。
お給料を上げる手取り早い手段が転職、と言う捉え方が広く認知されているシンガポール社会独特な面もあろうかと思いますが、彼らは卒業証書や成績表のみならず、これまで参加したり履修したりした、例えばトレーニングの修了証など、どんな些細なものもきちんと一つのフォルダにファイリングして、面接の持って来てくれます。
レジュメ(履歴書、職務経歴書)に関しても折に触れてアップデートして、「面接に来て下さい」とお呼びがかかれば、あらかじめファイリングしてあるそのフォルダーを小脇に抱えてやって来ます。ただ最近では、比較的大きなフォルダーを持って現在お勤めの会社に出社すると、転職活動をしている事が周りから分かられてしまいやすいため、PDF等に保存して事前にメールで送っておく、と言う方法を取る方々もいらっしゃいます。
さて、新しい年度が始まりました。日本とシンガポールとでは転職についての事情や考え方は異なりますが、ふと思い立った時にでも、これまでのキャリアを振り返ったり、キャリアの棚卸しをやってみたり、または履歴書や職務経歴書などを更新しておくのも良いかと思います。もしかしたら、忘れかけていた本当にやりたかった事や、今後進むべき方向性などが見えてくるかも知れません。