『勤務地シンガポール』

残りの人生どう生きるか迷い続けてこのまま終わってしまいそうです

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

2009年06月21日 | 心に響くことば


    『山川の末に流るる橡殻も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ』

                             空也上人


 「口から仏像が飛び出している」空也上人の彫像は、唱えた念仏が即「阿弥陀仏」となる視覚化されたものでしたが、子供心にとても印象的で、初めて見たときはギョッとしたのを今でも覚えています(笑)。

 この和歌は空也上人の作と伝えられていて、下の句の「浮かむ瀬」というのは、“仏の悟りを得る機縁、成仏の機会”という意味だそうですが、現代では「浮かぶ瀬」とされるのが一般的で、“一身を犠牲にするだけの覚悟があって初めて活路も見出せる”、“窮地から脱して安泰を得る”、という意味で用いられることが多いようです。

 「山川の末に流るる橡殻も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ」。意味は、「山あいの川を流れてきたトチの実は、自分から川に身を投げたからこそやがては浮かび上がり、こうして広い下流に到達することができたのだ」。『空也上人絵詞伝』という歌が出典だそうです。

 身(我や執着心)を捨ててこそ、浮かぶ(開かれる新たな)瀬(道)もある、と言うこと。なかなか考えさせられる言葉です(笑)。また、人生の岐路に立った時、そして様々な意思決定や選択の場面でも、この言葉は一つの指標と勇気を与えてくれるように思います。今週はこの言葉と一緒に一週間過ごしたいと思います。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Regainさんへ (佐藤)
2009-06-23 18:59:40
Regainさん、はじめまして。この度はコメントありがとう御座位ます!

Regainさんのブログも拝見させて頂きました。素敵なところにお住まいですね。

私も同感です。日本には日本人による珠玉の名言が沢山あります。かくのたまう私ですが、つい最近自分も気づいた次第です(笑)。またのコメントをお待ちしております!
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はじめまして (Regain)
2009-06-21 22:48:39
>人生の岐路に立った時、そして様々な意思決定や選択の場面でも、この言葉は一つの指標と勇気を与えてくれるように思います。
初めてコメントさせて頂きます。いつも楽しみに拝読させていただいております。現在 日本在住ですが、つい4年前まで海外駐在の身だったものです。Regainと申します。WEBを彷徨って、こちらに辿り着きました。
おっしゃるとおりですね。海外におられると尚更、日本を意識される事が多いかと思いますが、今回の記事は私の胸にすっと落ちました。各種メンタルマネジメントが叫ばれますが、こうした短い言葉で日本には昔から珠玉の名言があるんですね。。
ありがとうございました!
(http://liferich.net/)
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