【コピーライターになろう!】駆け出しの頃の取材は……。
おはようございます。
いよいよ今年もあと2日ですね。
新型コロナウイルスに振り回された1年でしたが、新しい生活様式のなかで暮らさねばという覚悟もできました。
大変なことも多いのですが、新しい生活様式になったからこそ実感できたこと、大切にしていきたいこと、たくさん数えていければと思っています。
今日の【コピーライターになろう!】は「駆け出しの頃の取材は……」です。
今でこそ、300社以上の企業を訪問し、1000人以上の方にインタビューさせていただき、取材にも慣れましたが、コピーライターとして経験3年目で、取材に出た頃は、ボロボロでした。
当時は、東京の制作プロダクションに勤め、富士フイルムさんの印刷物の取材とコピーの制作をまかされていました。
実際に機械を導入されている会社やお店を訪問し、導入されたきっかけや使用用途、導入したことによるメリットなどをお伺いし、販促につなげることが目的でした。
北海道から九州まで、幅広い地域を訪問し、一度の取材で訪問するのは1社か2社。
大阪の会社では、4日間で28か所を取材したこともあったので、夢のようなスケジュールです。
社内のカメラマンと二人で企業を訪問し、質問をするわけですが……、
会話が続かない! 広がらない!
沈黙が続き、へんな空気が流れます。
チラシは両面に写真も入りますが、文字もビッシリ入る予定。
なのに、質問してもひと言で終わってしまったり、あいまいな答えしか返ってこなかったり、まったく別の話題になってしまったり……。
取材がうまくいかないと、原稿も内容が薄いものになり、そうなると、クライアントから真っ赤に校正が入った原稿が送り返されてきます。
あるときは、クライアントのバリバリの営業の女性が取材について来られ、
・導入のきっかけは?
・使用用途は?
・印刷する種類は?
・コスト削減の成果は?
などと、5分ほどの立ち話で矢継ぎ早に聞かれ、
「はい、これで原稿を書いてください」と。
書けない〜〜〜と叫びそうになりましたが、そんなことを言う勇気もなく、結局、帰ってから、社長に相談したことを覚えています。
当時の写真がありました。
コピーライターとしては経験3年。お客様からもクライアントからも、
「おっ、いいねぇ」
「いいですねぇ」
と言っていただけるようになっていましたが、取材はまだまだ駆け出し。
取材をする以前は、企業の担当者さんからお話をお聞きしたり、資料をいただいたりしてコピーを書いていましたが、取材はまた違った難しさがありました。
当時は、自分に何が足りないのか、どうすればうまくお話を引き出せるのか、まったくわからず、ただただ自信を失っていきました。
今なら、何が足りなかったか、わかります。
下準備が足りなすぎたのです。
当時はまだインターネットも普及しておらず、今のように情報を簡単に入手できる時代ではありませんでしたが、それでも、業界紙を読んだり、過去の新聞から情報を集めたり、実際に導入されている店舗を見に行ったり、営業の方にお話をお伺いしたり、いろいろと解決策はあったはずです。
今では、取材の前に雑談をして、場を温めてからお話をお伺いできるようにもなりましたが、若かりし頃はガチガチで、名刺を交換してすぐ、取材に突入。会話が続かず、四苦八苦する日々。
その頃、自分だけでは乗り越えられなかった壁ですが、「師」と呼べる方がいれば、また違っていたのかなという気がします。
経験3年目。数をこなすだけでは、取材は上達しないことを知ります。
今、ベテランと呼ばれるようになった私が、取材で自信を失っていた頃の私に会いに行くことができるなら、伝えられることはたくさんあります。
・取材先のことをとことん調べる
・業界全体のことも調べる
・たくさんのインタビュー記事を読む
・インタビューに関して書かれている本を読む
・会話が広がるよう、時事ネタなどもチェックしておく
・「知りません」「わかりません」と言うことをできるだけ避けられるよう、幅広いことに興味を持ち、知識をたくわえておく。
・こちらが話すより、まずは聞くことを大切にする
・原稿の仕上がりをイメージしながらお話を聞く
・あとで調べなくてもいいように、その場で詳しく聞く
・質問シートを用意し、事前に先方にもお渡ししておく
・取材の前日にご連絡をさしあげ、取材前から関係性を築いておく
・当日は早めに現場に到着する
・取材後は、丁寧にお礼を伝える
など、ざっと思い浮かぶだけでも、できることはたくさんあります。
もし、今、昔の私のように、取材の難しさで悩んでいる方がおられたなら、ぜひ、上に書き出したことを一つひとつクリアーしてみてください。
また、これからコピーライターを目指す方は、本を読んだり、知識の幅を広げるなど、今からできることを始めてみてください。
「コピーライターを目指してないんだけど」という方も、「聴く」力は良好な人間関係を築くのに役立ちますので、ぜひ、名インタビューになるつもりで、まわりの方のお話に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
【コピーライターになろう!】