ある社労士ブログにこういった不等式が提示されてました。
労働協約 > 労使協定 > 就業規則
労使協定と労働協約の優先順位の説明としてです。現職の社労士さんなら労働法を広く深く学ぶ機会があるでしょうに、この程度の理解しかないのはいささか驚きです。ちなみに「協定違反の罰則」という項目もたてて、協定違反には罰金懲役刑になるというのです。
別記事にも書きましたが、労使協定の法的位置づけを知っていれば、上のような不等式に就業規則につづけて個別労働条件(労働契約)がつくことはあっても、労使協定が並ぶことはないです。労使協定とは、労働法違反となる使用者行為に対し、免罰されることに労側が同意する書面です。
すなわち労使協定を結んで生じる効果としては、法定された範囲の違法行為をする使用者が司直の取り調べをまぬがれるだけで、労働者になんらの権利義務が生じることはありません。36協定でいえば、時間外休日労働に服する義務は、協定締結届け出からは派生せず、あらためて就業規則、労働協約での所定時間超える時間外休日労働につき規定化が必要ということです。よって上の不等式に労使協定が並ぶことはないという結論になります。
協定違反にしても、協定に違反する主体があるとすれば、労使間の締結協定を無視して使用者を立件する司直ということになります。では36協定での限度時間超えて働かせばどうなるかというと36協定違反とか36条違反でなく、時間外労働なら32条等違反となります。
労働協約 > 就業規則 > 労働契約
労使協定
(2024年12月8日投稿)
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