労働基準監督署、ハローワーク(略してハロワ、正式には公共職業安定所)の上部組織として都道府県ごとに労働局があり、これらは国、厚生労働省の出先機関です。労働基準監督署というところをまちがえて労働基準局という回答をみかけますが、こちらは厚生労働省の一部局で労働局以下を指導監督する部署です。
さらにややこしいのは、都道府県ごとに雇用労働を取り扱いする部局があり、さらに労働委員会という行政組織も都道府県ごとに設けられています。労働委員会は労働組合と事業者の間を取り持つ機関で、行政サービスとして労働組合がかかわらない個別労使紛争をあっせんするサービスをおこなっているところもあります。労働委員会の上部組織は、中央労働委員会になります。一方県庁組織のほうは、産業振興としての労働雇用推進が主眼で、労働相談を受けているところもあります。こちらは国とは関係のない、都道府県庁の一部門 です。
労働相談受け付ける県庁組織や労働委員会は労働問題に詳しいですが、取締り機関でありませんので、はなから事業者取締り処罰を指向するなら、司法警察官たる労働基準監督官がいる労働基準監督署をお訪ねください。
このほか民間でも、労働相談やあっせんをとりもつ組織があります(例:社会保険労務士会等)。昔にくらべ、労働者の困りごと解決の道は、多種多様にアクセスできるようになりました。もちろん例外もあるかもしれませんが、事業者からの労働相談も受け付けています。
全国の県庁のなかでも特筆できるのは、東京都庁の労働法・就業規則に関する資料、神奈川県庁の労働問題対処ノウハウ集でしょう。内容充実しています。
今後もこの手のサービス見かけたら、紹介したいと思います。
(2024年1月15日投稿)