【137】 3月16日(木)
小森千晶 細川直美
小森浩平 榎木孝明
本間あかり つみきみほ
田上 渉 筒井道隆
花山信太 林 泰文
宮下みつ 貴島サリオ
上司 小倉雄三(ペガサス時計の浩平の上司)
信太のいとこ 佐藤信一郎
チンピラたち 志賀実
三上壱郎
伊東孝太郎
上戸章
田上伝六 不破万作
小森友行 石坂浩二
・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★
「田上ー!!」信太が叫び、渉はあお向けに倒れ込んでいく。
チンピラたちは「逃げろ!」とあっという間に逃げていく。
浩平と信太が渉の脇下と脚をもち、病院へ運ぶ。
渉が「小森…小森…」と言うのを、浩平も信太も聞いてしまう。
病院・病室。
「渉!」と伝六が駆けつけるが、信太から
「刺されたのはわき腹で急所を外れている」と聞き、お礼を述べ
「何やってるんだ、あの世に行っちまったらな
今度こそ帰って来れなくなっちまうんだぞ…」と渉に話かける。
あかりが来る。「大丈夫だ」と信太が言う。
小森屋。「ただいま」浩平が帰ってくる。
「研究所の者に誘われて遅くなりました」
友行が「一杯、飲もうか?」と誘うが「今日は・・」と断り千晶を部屋に呼ぶ。
「渉君がナイフで刺された」
「なんですって」
「刺されたのはわき腹だが傷はそれほどでもない。 タカシマの藤森病院だ。
博打の金のことでもめたらしい。
偶然居合わせた花山君と病院へ運んだんだ。
病院へ運ぶ途中、途中、彼がお前の名前を二度呼んだ。
刺されたショックと痛みで朦朧となりながら、2回ね。
今お前達がどうなってるのか聞かせてほしい。言えないのか?」
「言います。 田上君私を好きだって言ったわ。
アメリカに行ってそれに気づいたって。
あたしに会うために帰ってきたって」
「それから?」
「それだけ」
「それでどうなんだ? 千晶」
「そんなのどうにもならないでしょ」
「彼にそう言われてどうなんだ、正直に言ってくれ。
結婚する時に聞いたよな、田上渉はもういいのかって。
死んでなかったのか?終わってなかったのか?そうなんだな?」
「わからない
」
「…俺がここまでしてきた事は何だったんだ?
どういう気持ちでスイス行きをやめたと思ってるんだ」
「ごめんなさい。あなた私に少し時間を下さい」
「時間? そうか、そういうことか。いいだろう。
お前の心の中に俺以外の男がいる限り一緒に暮らせない、暮らさない。
今夜から寮に泊まる。…俺の心の中にはお前しかいない」と言い残し、部屋を出る。
茶の間で心配そうにしている友行の前に座る浩平。
「お義父さん、しばらく帰りません」「え、なんだって」
「千晶には何も聞かないでやって下さい。
僕たち夫婦が立ち行くか行かないか今大事なところなんです」
友行は千晶たちの部屋へ行くが、千晶は黙って出て行く。
渉が運ばれた病院。
千晶が病室へ入ろうとすると伝六が出て来る。
「自業自得だ 倅がなに言っても相手にしないで下さいよ、ちょっと先生のとこに」
千晶が病室に入ると信太とあかりが座っている。
「驚いたよ。目の前でずぶりだ。
俺がもっと田上に関わってりゃ良かったんだ」
「あたしがいけないのよ」と千晶。
「誰もいけなくなんかないわ。悪いのは本人だけ。
肝心なのは、夢を持ちつづけられるかよ。
花山くんは観光王、渉くんは映画、千晶は小森屋を、あたしは諏訪に洋装店を・・・
皆それぞれ自分の夢に向かって生きていくの」
「本間、今日はやけに前向きだな」
「私はいつもそうです。」
あかりと千晶は廊下へ。
「主人が家を出たわ」
「どういうこと?」
「私の心の中に俺以外の男がいる限りは一緒に暮らせないって」
「千晶、止めなかったの?」
「こんな気持ちじゃ止められなかった」
「どんな気持ちよ?」
「主人の言うとおり、私の心の中で田上君は終わってないものなのかもしれない」
「千晶…」
「田上が目を覚ました」と信太が病室から出てくる。
(つづく)
小森千晶 細川直美
小森浩平 榎木孝明
本間あかり つみきみほ
田上 渉 筒井道隆
花山信太 林 泰文
宮下みつ 貴島サリオ
上司 小倉雄三(ペガサス時計の浩平の上司)
信太のいとこ 佐藤信一郎
チンピラたち 志賀実
三上壱郎
伊東孝太郎
上戸章
田上伝六 不破万作
小森友行 石坂浩二
・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★
「田上ー!!」信太が叫び、渉はあお向けに倒れ込んでいく。
チンピラたちは「逃げろ!」とあっという間に逃げていく。
浩平と信太が渉の脇下と脚をもち、病院へ運ぶ。
渉が「小森…小森…」と言うのを、浩平も信太も聞いてしまう。
病院・病室。
「渉!」と伝六が駆けつけるが、信太から
「刺されたのはわき腹で急所を外れている」と聞き、お礼を述べ
「何やってるんだ、あの世に行っちまったらな
今度こそ帰って来れなくなっちまうんだぞ…」と渉に話かける。
あかりが来る。「大丈夫だ」と信太が言う。
小森屋。「ただいま」浩平が帰ってくる。
「研究所の者に誘われて遅くなりました」
友行が「一杯、飲もうか?」と誘うが「今日は・・」と断り千晶を部屋に呼ぶ。
「渉君がナイフで刺された」
「なんですって」
「刺されたのはわき腹だが傷はそれほどでもない。 タカシマの藤森病院だ。
博打の金のことでもめたらしい。
偶然居合わせた花山君と病院へ運んだんだ。
病院へ運ぶ途中、途中、彼がお前の名前を二度呼んだ。
刺されたショックと痛みで朦朧となりながら、2回ね。
今お前達がどうなってるのか聞かせてほしい。言えないのか?」
「言います。 田上君私を好きだって言ったわ。
アメリカに行ってそれに気づいたって。
あたしに会うために帰ってきたって」
「それから?」
「それだけ」
「それでどうなんだ? 千晶」
「そんなのどうにもならないでしょ」
「彼にそう言われてどうなんだ、正直に言ってくれ。
結婚する時に聞いたよな、田上渉はもういいのかって。
死んでなかったのか?終わってなかったのか?そうなんだな?」
「わからない
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「…俺がここまでしてきた事は何だったんだ?
どういう気持ちでスイス行きをやめたと思ってるんだ」
「ごめんなさい。あなた私に少し時間を下さい」
「時間? そうか、そういうことか。いいだろう。
お前の心の中に俺以外の男がいる限り一緒に暮らせない、暮らさない。
今夜から寮に泊まる。…俺の心の中にはお前しかいない」と言い残し、部屋を出る。
茶の間で心配そうにしている友行の前に座る浩平。
「お義父さん、しばらく帰りません」「え、なんだって」
「千晶には何も聞かないでやって下さい。
僕たち夫婦が立ち行くか行かないか今大事なところなんです」
友行は千晶たちの部屋へ行くが、千晶は黙って出て行く。
渉が運ばれた病院。
千晶が病室へ入ろうとすると伝六が出て来る。
「自業自得だ 倅がなに言っても相手にしないで下さいよ、ちょっと先生のとこに」
千晶が病室に入ると信太とあかりが座っている。
「驚いたよ。目の前でずぶりだ。
俺がもっと田上に関わってりゃ良かったんだ」
「あたしがいけないのよ」と千晶。
「誰もいけなくなんかないわ。悪いのは本人だけ。
肝心なのは、夢を持ちつづけられるかよ。
花山くんは観光王、渉くんは映画、千晶は小森屋を、あたしは諏訪に洋装店を・・・
皆それぞれ自分の夢に向かって生きていくの」
「本間、今日はやけに前向きだな」
「私はいつもそうです。」
あかりと千晶は廊下へ。
「主人が家を出たわ」
「どういうこと?」
「私の心の中に俺以外の男がいる限りは一緒に暮らせないって」
「千晶、止めなかったの?」
「こんな気持ちじゃ止められなかった」
「どんな気持ちよ?」
「主人の言うとおり、私の心の中で田上君は終わってないものなのかもしれない」
「千晶…」
「田上が目を覚ました」と信太が病室から出てくる。
(つづく)