GoToキャンペーンについては、先月中旬から書いていますが、全国各地で新型コロナウイルスの新規感染者数過去最多を更新する中、菅首相、政府は、GoToトラベルキャンペーンの対象除外を広げようとしません(東京も対象除外にするとか、高齢者以外にも自粛要請するなどの検討がされているとの報道はありましたが、まだ決定はしていません)。
菅首相は、「GoToトラベルが悪者にされている」とあたかも被害者であるかのような物言いをし、すぐに停止するつもりはないと、自らの看板政策にこだわる姿勢を示しました。首相や政府の言い分の拠り所は、GoToトラベルが新型コロナウイルスの感染を拡大させているエビデンスがない、という一点に尽きます。
確かにGoToトラベル自体が感染を大幅拡大させているわけではないでしょう。しかし、問題の本質はそんなところにはありません。今の日本は、ブレーキとアクセルを両方踏んでいるような状態だということです。感染拡大を受け、不要不急の外出や、会食を控えるように呼び掛けていますが、GoToトラベルでどんどん積極的に旅行に行ってくださいというメッセージを出せば、そんな要請はまったく効果をあげません。現に、最近でも街の人出はまったく減っていません。特に、日本はロックダウンや違反者を逮捕するような強いブレーキはなく、自粛要請という極めて緩いブレーキです。そんなところで、GoToトラベルのように強くアクセルを踏んだら、車は暴走しかねません。
そんなことに気づかない首相、政府関係者は、感度が鈍すぎると思います。自分たちは国会という閉じた場所にいて、今国全体で何が起きているかまったく感じることができていないと思います。街角には「国民のために働く」というキャッチフレーズのポスターが貼ってありますが、その言葉が虚しく響きます。
私も4月の緊急事態宣言の時のように経済を止めることは望みません。しかし、そのためにも、ブレーキとアクセルを上手に使い分けて、車を運転することが欠かせないと思うのです。それが、無免許の無謀運転か、あおり運転か分かりませんが、現在は完全な迷走です。どうか、まともな運転手に国の運転をしてもらいたいと思います。
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