時計屋の知人に聞くと「1時間に1本は売れる」時計があるという。ドラマで石原さとみ氏が着用したこともあって急激に人気を集めているのが『ダニエル・ウェリントン』だ。
『ダニエル・ウェリントン』は2011年にスウェーデンで創業した新進の時計ブランドだ。ダニエル・ウェリントンというブランド名は、創業者が世界一周の旅の際にに出会った一人の英国紳士に由来するという。紳士はリボンベルトを着けた古い時計を見事に着こなしており、そのスタイルに感銘を受けて時計を作り始めたのだそうだ。
ちなみに日本の総輸入代理店はシリコンウォッチで有名な『ICE Watch』などを手がけるビヨンクール。
今回レビューするのは、NATOタイプのリボンベルトが特徴的な『Classic Canterbury 36mm』である。ケースはローズゴールドとシルバーのものが存在するが、華やか過ぎないシルバーを選んだ。
36mmはユニセックスタイプになるが、ベゼル部が極端に細く、文字盤が大きめに作られているため、パッと見に「小さいな」という印象は受けない。
ケース素材はSSで、イオンプレーティング処理されている。
ケース厚は6mmですりばち状のケースになっているため、肌との接触部は少ない。すりばち状のタイプのケースは腰高になりがちだが、NATOタイプのベルトでケースは固定されているためフィット感は悪くない。
NATOタイプのナイロンベルトの造りはやや薄い生地が使われているため、耐久性には疑問が残る。ただし遊革の部分には「DW」の刻印が打たれ、高級感があるように思われる。
また尾錠部分にも刻印がなされ、つく棒が入った時にも「DW」が見えるように「D」と「W」の間にスキマが設けられているディティールはなかなか秀逸だ。
ラグはゆるやかなカーブがなされている。このラグ、横幅が1.5cmほどしかなく非常に華奢な印象だ。リュウズもケース径と比較すると小さめに作られているので、デザイン的な意匠として、ケースの円を強調するためと思われる。極端に細いので普段G-SHOCKやハミルトンのカーキを使用している筆者としてはやや心許なく感じられる。
文字盤に目を移そう。文字盤はシンプルさが際立つ2針。インデックスには分目盛りまでついているので視認性は良い。
針と針のクリアランスが非常に小さく、見返し幅も狭い。あえてケースの平面さを強調しているかのようだ。ドイツのバウハウス的なソリッドさとはまた違う温かみが感じられるのは筆者だけだろうか。
ムーブメントはクオーツ式。公式のHPには“日本製クオーツ・ムーブメント”としか書かれていなかったので、裏蓋を開けてみた。結果シチズン系列のMiyotaの「GL20」が入っていることが判明。ムーブメント厚は2.28mmと非常に薄いのが特徴。月差は±20秒以内といった精度なので高級ムーブメントとは言いがたいだろう。
文字盤の径と比べると小さな径のムーブメントが入っていることから、他のモデル(カレンダーがついていない40mmや34mm)にも同様のムーブメントが入っているのではないかと予想される。
『Classic Canterbury 36mm』の価格は2万円(税別)となっている。ムーブメントの価格と造りを考えるとやや割高な印象を持つ。しかし着け心地や見た目は悪くないので、休日などのセカンドウォッチとしては良いかもしれない。
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