離人っこ

小説 虐待から生き延びた女の子の話

兄弟格差

2019-12-03 13:46:07 | 日記
わたしには

2つ年上の兄と

2つ年下の弟がいた

母親は兄を溺愛して

将来は、医者か弁護士にさせるといいはり

家庭教師や塾などにいかせ

ことあるごとに

父親のように大学のでてない飲食店なんか経営する人になってはだめだと


子供のまえでダンナをあからさまに見下げていっていた

弟は、甘えん坊でいつも母親のおっぱいをさわりすって一緒に寝ていた

そして

わたしには

母親はきつい目で

お兄ちゃんと弟は、ほしくてほしくてたまらなくて生んだけれど、お前はほしくなくて、生みたくなかった!本当は生まないはずだったんだ!お前なんかいらない!とつきはなしていた

わたしはいつも惨めな思いと寒いとお腹がすいたと苦しいと寂しいと悲しいとそんな気持ちしかなかった

父親は、子育てには無関心だった。

父親には10才はなれている美人の姉がいたが、その姉は19才で亡くなり

とても美人で優しかったため

父親のなかで好きな女の人は自分の姉だった

ずっと自分の姉に恋をしていることを
母親は気づいていて

父親のその気持ちに母親は嫉妬していた

わたしは、その姉にそっくりな顔をしていたので

父親は、死んだ姉が生き返った!と喜び

母親は、わたしをみるたび嫉妬の目でにらんだ


わたしは、父親の亡くなった姉にそっくりなため

父親から性的虐待と


母親から殺されそうなほどの虐待を受けるようになったのだった



離人のはじまり

2019-12-02 12:34:42 | 日記
物心ついたころから

父と母が殴りあいをして

家の中で大暴れして

叫び

物を壊し

そこらじゅうが

血まみれになっていた

お母さんの助けて!助けて!の叫びで

子供ながら必死で体をはって

母親の体に身をのせた

それもむなしく

母親は殴られ


血まみれになっていた

そんな光景をボンヤリ眺めていた


ある日から

母親の目付きはわたしに向けられ

両足をつかまれ

床に何度も叩きつけられた

まるでぐったりした人形のように

ばたんばたんと

何度も床に叩きつけられ

暗闇のなかで


何度も殴られた

痛い

悲しい

辛い

もう許してほしい

もうはやくおわってほしい

何度も願いながら 


なんども

許して!と

懇願するが

許してもらえず

殴り続けられた

わたしは

許しを求めても


消して許させないことを

ここで


体で思い知らせられ

許されない絶望から

身をまもるために

あみだした魔法が

離人である

心を遊園地にとばし

殴られている間は

わたしは遊園地であそんでいるので

いたくも悲しくも辛くもない

立派な離人っこが

このときに形成された

そして

離人っこであるがために

幸福と不幸を両方味わう人生を送ることになるのだった

離人っこのはじまりである