5,「本物」
ここで言う本物とは、美容店経営に関する思想のことで、それは「職分に徹したサロン」を言います。
美容業の「職分」とは「美容業に従事する者が守らなければならない職務」のことを指します。つまり、「美容師法・第八条」の中に以下のように規定しています。
美容師法・第八条=美容の業を行うときは、次に掲げる措置を講じなければならない。
一、皮膚に接する布片、及び皮膚に接する器具を清潔に保つこと。
二、皮膚に接する布片を一客ごとに取替え、皮膚に接する器具は
一客ごとに消毒すること。
以上のようになっていますが、その前提として美容師としての「身だしなみ三条件」があります。これらが美容師として遵守すべき「職分」です。
これを徹底して高収益を挙げているサロンは小規模店のほうが多いですが、その原因は小規模サロンが「小回りが効く」という利点があり、早く改革が図れるところにあります。
6,「感性」
時代は、「CS=顧客満足実現」から、「CD=顧客感動実現」の時代へと移行しています。その取っかかりが「顧客親密関係の構築」です。「顧客を満足させる」ということは、顧客の期待値が1のときに、1のサービスを提供するということです。
一方で、「顧客を感動させる」ということは、顧客の期待値が1のときに、1を超えるサービスを提供するということです。
つまり、「まさかの対応」に触れた時、人は感動します。
CD =Customer Delight (カスタマー・ディライト) (顧客感動)を実現するためには、CS=(Customer Satisfaction(カスタマー ・サティスファクション)(顧客満足)を実現する以上の創意工夫が必要となるでしょう。
では、CDを実現するためにはどういった取り組みが必要なのでしょうか。「モノ」や「技術」のレベルが平均化した現在において、他店との差別化を図り競争力を強化する手段は何でしょうか?
美容サロンが提供するサービスついて大別すると「本質サービス・表層サービス」に別けられます。
◎本質サービスとは、対価に見合う当然のサービスのことを言い、
◎表層サービスとは、あったら嬉しい期待サービスを指します。
この表層サービスの充実は顧客満足度をどんどん高めます。
ここで本質サービスと、表層サービスの相違点を比較すると、次のような相違点が見えてきます。
◎本質サービスは=「上手・下手・良い・悪い・環境・専門的」。
◎表層サービスは=「親切・思いやり・気くばり」となります。
つまり、
◎本質サービスの部分は論理的なことが多く、
◎表層サービスの部分には感性に訴えるところがあります。
即ち、精神的な満足の追求が顧客満足度を上昇させるということが言えます。
この「表層サービスの質」を存分に高めることが出来るのが小規模店の強みです。
以上、六つの項目について述べましたが、全てが小規模店に有利になっています。
明日に続きます。