第四回
「守・破・離の遵守」・(1)
本来、「守破離」は能を確立した世阿弥の教えです。
この教えは、柔道、剣道、空手、合気道などの武道に限らず、書道や水墨画などの稽古事にも通じます。
また、茶道、華道、歌舞伎といった伝統芸術の世界でも、広範囲にわたって受け継がれています。
つまり、「守破離」とは、道を極めて行く成長過程を示した概念です。
私たち美容師も、この「守破離」を順守します。
では「守破離」の、それぞれの意味について述べます。
1,「守」は、基本の「型」を見につける段階。
2,「破」は、その「型」を破って応用する段階。
3,「離」は、それらに創意を加え、独自性を追求し確立する段階。
これらは「技術の伝承」という分野にも当てはまります。
どのような職業にも、必ず基本の「型」があります
この「型」というものは、古くから営々と受け継がれ、磨きを加えて出来上がっているものです。
従って、その「道を極める」上で最も効果的な手段と言える訳です。
例えば、茶道には茶道の、華道には華道の、「踏み外してはならない型」が存在します。
囲碁将棋でいえば、定石が「型」に該当します。ある局面において双方にとって最善とされる一定の打ち方・指し方を言います。
これらは長年の研究によって確立されたもので、最も効果的に勝利するための法則です。
「守」は、お手本を見つけて「真似る」段階です。この段階は、師の教えを忠実に守ることが大切です。日々の稽古を続けて基礎となる「型」をしっかり身につけます。
当たり前のことを当たり前に出来るようになるまで、エネルギーを傾けなければなりません。ここは単純な基本の繰り返しですから、飽き飽きする時もあるでしょう。 しかし、この積み重ねが何より大事です。
「守」によって型を体得した後に、身につけた「型」に応用を加える。これが「破」の段階です。
明日に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます