知らないことはリスクになる。
「無知とは罪」
とは言うが、法律を知らなければ、法を犯す。
赤信号の意味を知らなければ、信号関係なく交差点を渡る。
当然事故も起こすし、人も死ぬが、それは守るべきルールを知らないから。
実際のところ、信号をきっちり守るのは日本ぐらいで、海外では交差点でクラクションを鳴らすのは自分が存在することを知らせないと危険だから鳴らす。
クラクションを鳴らして、煽り運転となって捕まるのは日本ぐらいではある。
自分の身は自分で守る必要がある。
そもそもなんのために法律やルールができたかは、そのルールがないと多くの損害が発生するからであり、必要なければ法律化して縛る必要さえない。
コンプライアンス(法令遵守)は、本来的にはその背景を理解した上でルールを適用して初めて効果があるのだけれど、一般の人は知らない。
なぜ日本の道路は車両左側通行なのかは、しっかりと日本の文化の成り立ちを調べる必要がある。
そのうえで、例えば車両左側通行から右側通行に変えるのであれば、移行期間の事故発生や車両普及やインフラ整備計画を含めて、そのメリットとデメリットをしっかり計算して行う必要がある。
高速道路の反転を伴うし、すべての標識や信号機を設置し直す、右ハンドルから左ハンドルの車両を普及させるなどのコストを計算すれば、そう簡単ではないのだけれど。
一般的な人の物事の決定も、そんなに計算された決定ではなく、ただなんとなく今までやってきていたし、周りもそうだったから、惰性でやっていることが多い。
例えばトイレ。
日本のトイレットペーパーは、当たり前に水に溶けるから、一緒に流して良いし、流さないと捨てる場所に困る。
ところが日本以外では当たり前に水に溶けないトイレットペーパーを使っている国もある。
そのような国では使用後の紙を水に流してはならず、備え付けのゴミ箱などに捨てる必要がある。
日本の習慣を知らなければ、紙を水に流さずに捨てる場所を探し、捨てる場所がなければ床に捨てる。
地方の公共トイレで使用後の紙が床に捨てられているのは、そういった知識がないからだと思っている。
そのような原因だとわかっていれば、多言語で、
「使用後の紙は水に流しましょう」
と日本人にとっては当たり前の張り紙をしている場所の意味がわかる。
それは常識ではないのだから。
現実社会で生活をしていると、どう考えても合理的でない行動をする人がいる。
自分の言っていることと行っていることが、全く逆転してしまっている人は結構いる。
現実認識と行動が全く違う状態で、それは結果的に失敗すると分かるのだけど、ほとんどの人はそのように生きている。
論理的かつ理性的に生きている人は少ない。
仕事は目的が(比較的)しっかりしている。だからやりやすい。
あらゆる因果関係を数値化して、何が原因で現在の状況があるか。
統計の信頼度分析やp検定などデータさえ揃えば分析できるが、個人情報保護の観点から、迂闊に外部に依頼編集できない問題も発生する。
この因果関係を明確にしないと、特に会社などの大きなお金が動く事業などでは、動く確証がなくなる。
計画も何もあったもんじゃない。
だからこのあたり、思慮が浅い人を相談すべき相手と間違えない必要がある。