これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

除草 草刈り 草むしり

2010年03月07日 20時32分04秒 | エッセイ
 先日、こんなものを買った。



「うぶ毛すっきりツイーザー」という、ムダ毛を抜くためのグッズである。上部が細かなスプリング状になっており、ここにムダ毛を巻き込みながら脱毛する仕組みになっている。



 ムダ毛に悩む女性は多い。
 私の場合、腕や足にはほとんどムダ毛がない。しかし、顔は人の2倍、うなじから背中にかけては3倍もの毛が密集している。
 顔のムダ毛の気づいたのは、姉と一緒に初めてパックをしたときだ。2歳上の姉が、美容のためにパックを買ってきた。洗顔後の清潔な顔に均等に塗り、乾いたら剥がすというタイプのものだった。
「もういいんじゃないかな」と、先に姉が剥がしはじめた。ペロペロペロッと、ゆで卵の殻を剥くように素肌がのぞく。私も真似してパックに手をかけた。しかし、チクチクした痛みを感じる。
 パックにうぶ毛がくっつき、剥がすたびに引っ張られて痛いのだった……。
「あはは、アンタは毛深いからね~」
 姉は人の不幸を笑い飛ばしたが、こちとら当事者だ。痛みと闘いながら、無言で休み休みパックを剥がしていった。どうにか終わったときには、刺激で顔が赤くなった。
 美容院に行けば、「うわっ、えり足の毛が渦巻いてますよ」と驚かれる。和装の着付けを頼めば、「必ずうなじを剃ってきてくださいね」と念を押される始末……。とても人目にさらせず、髪を下ろして隠している。

 そもそも、ムダ毛というものは、庭の雑草と同じである。何の害もないけれど、気に病む人は処理するし、気にならない人は放置する。
 処理の仕方も人それぞれで、根こそぎ抜くなら軍手をはめ、腰を落として引っこ抜く。毛抜きを使い、一本一本確実に脱毛するというわけだ。
 しかし、私の場合は絶対数が多いので、家内制手工業ではとても追いつかない。
 円盤状の刃がついた草刈機で、小石をよけながら、地面すれすれの高さから雑草を刈り取るのがよい。つまり、カミソリで剃ってしまうのだ。だが、すぐに伸びてきてしまうし、生え始めがジョリジョリする。手っ取り早いけれども、あまり気分はよくない。
 
 そんな理由もあり、簡単に根元からムダ毛を処理することができるなら、この「うぶ毛すっきりツイーザー」を試す価値があると思った。
 まずは洗顔し、湯船に浸かって毛穴を開く。鏡を見ながら、毛の流れに逆らうように、皮膚にスプリングを滑らせる。
 チクチクと、毛が引っ張られる刺激を感じる。抜けているのだろうか。ツイーザーのスプリングに、毛が何本も挟まっている図を思い浮かべる。



 頬からスプリングを離し、抜けた毛を確認してみた。しかし、どこにもそれらしいものは見当たらない。製品の欠陥か、私の使い方が悪いのか、うぶ毛は引っ掛かっただけで、1本たりとも抜けていなかった。

 どういうこと?

 私は鏡に顔を近づけ、うぶ毛の状態をチェックした。スプリングを何往復もさせたはずの頬には、同じ高さで規則正しく整列したうぶ毛が、ピンと上を向いて生え揃っている。生き生きとして、まるでネギ畑のように広がっているではないか。
 私は激しく失望した。

 しゅ、収穫しなくっちゃ!!

 やっぱり、カミソリが一番かな……。




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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (18)
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