千葉県野田市には、キッコーマンのしょうゆ工場がある。
東武野田線「野田市」駅から徒歩3分と、非常に交通の便がよいので、見学を申し込んでみた。時間帯は9時、10時、11時という具合で1時間刻みになっており、午後もある。私は11時の回にした。
入口で受付をすませ、駐車場を歩いていると、レトロな建物が目に入る。
朱塗りの橋まであって、しょうゆ作りが始まった江戸時代を再現しているようだ。
入口は小さいが、中は相当広い。
エントランスでは、特大のしょうゆ差しがお出迎えしてくれた。
9時、10時の回では小学生の社会科見学を実施したようで、たくさんのちびっ子たちに会ったが、11時の回では、リタイア後のおじいさん軍団と一緒だった。家でゴロゴロせず、仲間と連れ立って勉強に出かける行動派は貴重であろう。うちの夫に見習わせたいものだ。
「ではまず、しょうゆ作りの映像からご覧ください」
見学はDVD鑑賞からである。最初は話し声が聞こえたけれど、「ほら、始まったから静かに」とリーダー格のおじいさんが合図すると静かになった。統制がとれた集団らしい。
15分ほどで映像学習は終了した。
「それでは、館内をご案内いたします。段差がありますので、お気をつけてお歩きください」
「はーい」
おじいさんたちは、どっこいしょと腰を上げ、係員についていった。先ほどDVDで予習したことを、今度は実物で確認していくのだ。
「しょうゆの原料は、大豆・小麦・塩です。1リットルのしょうゆを作るに必要な量は、これだけです」
容器は、左から大豆、小麦、塩の順に並んでいる。3種類を合わせると、容器の8分目あたりまで届きそうなので、意外に量が多いとわかった。同じものがエントランスにもあったが、「食べないでください」の注意書きがあったことを思い出す。見学の大半が子どもと高齢者のせいか、面白半分に味見されることがあったのかもしれない。
しょうゆの作り方をわかりやすく解説してもらった。大豆と小麦を加熱し、混ぜ合わせたところに麹を入れる。3日間培養したら食塩水を加え、数カ月かけて発酵・熟成させて、「もろみ」を作り出す。発酵が終わったら、黒ずんだもろみを布で包み、ろ過してしょうゆを取り出すそうだ。
「しょうゆかすは牛や魚のエサになりますので、ゴミにはしません」
ちなみに、このしょうゆかすを乾燥させて板状にしたものを見せてもらった。手に取ると、クラッカーのような軽さである。「匂いを嗅いでみてください」という言葉のあとに、またもや「食べないでくださいね」と付け足され苦笑する。おそらく過去には、しょうゆの香りに食欲をそそられ、「結構イケるよ、ムシャムシャ」などなった見学者がいたに違いない。
搾り取ったあとのしょうゆは加熱し、酵素の働きをとめれば完成となる。普段、何のありがたみもなしに使っているしょうゆだけれど、長~い時間が必要なのだと理解した。
「こちらは、歴代のしょうゆの容器です。江戸時代は樽でしたが、その後缶になり、瓶、ペットボトルへと変わっていきます」
私の目は、一升瓶に釘付けとなった。そうだ、子どもの頃は、しょうゆといったら大きな瓶だった。母におつかいを頼まれたとき、しょうゆの重さに閉口したことをおぼえている。見なくなって久しいが、こんなところで再会できるとは思わなかった。
このあとは、ろ過後に加熱処理をせず、酵素の働きをとめただけの「生しょうゆ」をおみやげにいただいて終了となった。時間にして50分ほどだったろうか。
館内には「まめカフェ」というコーナーがある。
私は、しょうゆソフトクリームなるものに挑戦した。
受け取って、見た目の美しさに感動する。まるで、店頭にある置物のような巻き具合。これは売り子さんの腕の問題であろう。観光地のバイトと違って、熟練工の仕事という気がした。
お味の方は、しょうゆの風味が生きているバニラなのだが、好き嫌いが分かれそうだ。血液型O型の私には、甘いのかしょっぱいのか、ハッキリしない味だと感じた。みたらし団子並みに、しょうゆの存在感を押し出してほしかった。
でも、この微妙さがいいという人も多そうだ。ほんのりと、しょうゆ色に染まったバニラが奏でる微かな甘さ。これが理解できないなんて日本人じゃないわ、なんてね。ぜひ、お試しのほどを。
ソフトクリームを食べ終わる頃、おじいさん軍団もカフェにやってきて、全員で豚汁を頼んでいた。
そっちにすればよかったかしら。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
東武野田線「野田市」駅から徒歩3分と、非常に交通の便がよいので、見学を申し込んでみた。時間帯は9時、10時、11時という具合で1時間刻みになっており、午後もある。私は11時の回にした。
入口で受付をすませ、駐車場を歩いていると、レトロな建物が目に入る。
朱塗りの橋まであって、しょうゆ作りが始まった江戸時代を再現しているようだ。
入口は小さいが、中は相当広い。
エントランスでは、特大のしょうゆ差しがお出迎えしてくれた。
9時、10時の回では小学生の社会科見学を実施したようで、たくさんのちびっ子たちに会ったが、11時の回では、リタイア後のおじいさん軍団と一緒だった。家でゴロゴロせず、仲間と連れ立って勉強に出かける行動派は貴重であろう。うちの夫に見習わせたいものだ。
「ではまず、しょうゆ作りの映像からご覧ください」
見学はDVD鑑賞からである。最初は話し声が聞こえたけれど、「ほら、始まったから静かに」とリーダー格のおじいさんが合図すると静かになった。統制がとれた集団らしい。
15分ほどで映像学習は終了した。
「それでは、館内をご案内いたします。段差がありますので、お気をつけてお歩きください」
「はーい」
おじいさんたちは、どっこいしょと腰を上げ、係員についていった。先ほどDVDで予習したことを、今度は実物で確認していくのだ。
「しょうゆの原料は、大豆・小麦・塩です。1リットルのしょうゆを作るに必要な量は、これだけです」
容器は、左から大豆、小麦、塩の順に並んでいる。3種類を合わせると、容器の8分目あたりまで届きそうなので、意外に量が多いとわかった。同じものがエントランスにもあったが、「食べないでください」の注意書きがあったことを思い出す。見学の大半が子どもと高齢者のせいか、面白半分に味見されることがあったのかもしれない。
しょうゆの作り方をわかりやすく解説してもらった。大豆と小麦を加熱し、混ぜ合わせたところに麹を入れる。3日間培養したら食塩水を加え、数カ月かけて発酵・熟成させて、「もろみ」を作り出す。発酵が終わったら、黒ずんだもろみを布で包み、ろ過してしょうゆを取り出すそうだ。
「しょうゆかすは牛や魚のエサになりますので、ゴミにはしません」
ちなみに、このしょうゆかすを乾燥させて板状にしたものを見せてもらった。手に取ると、クラッカーのような軽さである。「匂いを嗅いでみてください」という言葉のあとに、またもや「食べないでくださいね」と付け足され苦笑する。おそらく過去には、しょうゆの香りに食欲をそそられ、「結構イケるよ、ムシャムシャ」などなった見学者がいたに違いない。
搾り取ったあとのしょうゆは加熱し、酵素の働きをとめれば完成となる。普段、何のありがたみもなしに使っているしょうゆだけれど、長~い時間が必要なのだと理解した。
「こちらは、歴代のしょうゆの容器です。江戸時代は樽でしたが、その後缶になり、瓶、ペットボトルへと変わっていきます」
私の目は、一升瓶に釘付けとなった。そうだ、子どもの頃は、しょうゆといったら大きな瓶だった。母におつかいを頼まれたとき、しょうゆの重さに閉口したことをおぼえている。見なくなって久しいが、こんなところで再会できるとは思わなかった。
このあとは、ろ過後に加熱処理をせず、酵素の働きをとめただけの「生しょうゆ」をおみやげにいただいて終了となった。時間にして50分ほどだったろうか。
館内には「まめカフェ」というコーナーがある。
私は、しょうゆソフトクリームなるものに挑戦した。
受け取って、見た目の美しさに感動する。まるで、店頭にある置物のような巻き具合。これは売り子さんの腕の問題であろう。観光地のバイトと違って、熟練工の仕事という気がした。
お味の方は、しょうゆの風味が生きているバニラなのだが、好き嫌いが分かれそうだ。血液型O型の私には、甘いのかしょっぱいのか、ハッキリしない味だと感じた。みたらし団子並みに、しょうゆの存在感を押し出してほしかった。
でも、この微妙さがいいという人も多そうだ。ほんのりと、しょうゆ色に染まったバニラが奏でる微かな甘さ。これが理解できないなんて日本人じゃないわ、なんてね。ぜひ、お試しのほどを。
ソフトクリームを食べ終わる頃、おじいさん軍団もカフェにやってきて、全員で豚汁を頼んでいた。
そっちにすればよかったかしら。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
えっ、伝統的な醤油がなくなるってことですか?
海外にもいくつか拠点を持ち、soy sauceを輸出しているのに。
生醤油にとってかわられる時代なのかしら。
戦争さえなければ、ゆうさんは醤油蔵の跡継ぎだったんですね。
若様とか言われて(笑)
でもまあ、そうなっていたら、今の家族はいないわけだし。
御曹司じゃなくてよかったですね!
何と言っても、食卓、飲食店から醤油差しが消える。ということは、瓶、ペット醤油の存在がなくなるということ。時代なのでしょうかね?
自分の親父殿の実家は、かつて栃木にて亀甲一鏡を拝命した醤油蔵でした。戦争により廃業せざるを得なかった事情がありました。いまさらながら、世が世なら自分は御曹司?(=^ェ^=)うーむおしいU+203CU+FE0E
そちらの醤油も伝統の味が期待できそうですね。
一升瓶のほうが美味しい気がして。
ペットボトルは大量生産に便利でしょうが。
私も缶の時代は知らないし、見たこともなかったです。
樽なんぞ、いっそう(笑)
江戸時代は、この樽が空くまでにどのくらいの時間がかかったのかしら。
意外に早かったりして。
楽しいコメントをありがとうございました!
またまた社会見学、しかも食用品は、いっそう楽しそうです。
原材料の多さにびっくり! その割に高くないなあと感激。
うちはいまだに、醸造元から一升瓶で買っています。
でもさすがに、缶の時代は知りません。
生しょうゆはまだ開封していませんが、加熱する料理には向いていない気がします。
Hikariさんがハマるのであれば、早く試したい気持ちになりました。
刺身なんかに向いていそう。
次はビール工場を狙っていますが、甘いものも捨てがたいですね。
カルビーやヱスビーなんかも、見学をやっているんじゃなかったかしら。
ロッテや明治製菓も。
坂戸に工場があったのはどこだったかな…。
お金もかからず、貴重な体験ができる点では、テーマパーク以上ですね。
米どころには多いですね。
葡萄の山地にはワイナリーもあるし。
次回はビール工場にするつもりですが、日本酒も捨てがたい魅力があります。
一升瓶は本当に懐かしかった。
母が子どものときも一升瓶だったそうです。
あるとき、瓶にぶつかり割ってしまったことがあったとか。
うんと叱られたと言っていました。
ペットボトルだったら割れなかったのに。
生しょうゆはまだ開けていません(笑)
冷蔵庫に入れなくても90日間風味が変わらないそうです。
特殊な容器を開発したと、胸を張っておいででした。
しょうゆうことで。
上手いわぁ~(笑)
ヤマサ派でしたか、商売敵ですね。
たしか、ヤマサも銚子あたりで工場見学を受け付けていたような。
こちらも銚子市に相当貢献しているのでしょうね。
わが家の醤油を調べてみました。
生協で買っているのですが、窪田味噌醤油という会社です。
結構美味しいですよ。
こちらも野田市。
醤油作りに向いている場所なんでしょうか。
ここは、生徒を連れて行きたいと思って調べました。
でも、大勢で食事をする場所がないんです。
20人くらいなら、まめカフェも入れるんですけどね。
調べているうちに、自分が行きたくなって(笑)
よくあるパターンかな。
特に、しょうゆソフトには惹かれました。
次はサッポロビールなんぞを考えています。
たしか、足柄のほうだったような…。
できたてビールが飲みたいです。
マヨネーズ工場!
まったくの想定外でしたよ。
サラダバイキングもいいですね。
マヨネーズをかけてもいいのかな(笑)
マヨネーズは卵を使うんですよね。
でも、味の決め手が酢とは知りませんでした。
うちの母はキューピーのマヨネーズが苦手。
酸っぱくてダメだ、とか言っていたけれど、それが好きな人も多そう。
私は酸っぱいのもイケます!
おそらく、ほとんどの工場見学でおみやげがつくのではないでしょうか。
しょうゆ以外のお土産はあり得ませんよね(笑)
お菓子工場にも行ってみたいです。
もちろん、もらえるのはお菓子でしょうね。
ボールペンとメモ帳とかだったりして。
次はビール工場に行ってみたいです。
でき立てのビールはとにかく美味しいと聞きました。
ゴロゴロしてないで学ぶ姿勢は私も見習わねば。
我が家はまさにその生醤油にはまっています。
お料理の味が変わりました。
次はどちらの見学へ?
スイーツ見学のお土産にモンブランをどうぞなんてないかしら(笑い)
一升瓶が懐かしくて。醤油さしも萌です~(*^^*)ポッ
こちら地方はもっぱら酒蔵の見学です。
ぐでんぐでんになって工場を出るおじいさん軍団もいるかと。
お土産の生しょうゆの味はどうでしたか…
野田市内では道端でキッコーマンの悪口を言えないぐらい著しく市の発展に協力してきている良企業だとか
ちなみに私は“ヤマサ”派でして、特に刺身醤油は必須です
砂希さん、守備範囲が広い。
しょうゆソフトは、行ったら食べていたいな。
でも、ホント綺麗ですね。
量もたっぷり。
最近は減塩しょうゆです。
僕はこの夏、マヨネーズ工場を見学しました。マヨネーズの味は酢で決まります…とかで酢も自社生産してるのには驚きました。
見学後はいろいろなドレッシングを試せるサラダバイキング。こちらも面白いと思いますよ。
私の社会見学は新聞社だったので帰りに新聞を頂きました。食べ物の工場とかだったらそこの製品を貰えるのでそちらのほうが良かったな。