コロナウイルスを詠う
疫病に閉じ込められて過ごす日々……
人を避け人に避けられ雑踏の街をマスクとマスクの孤独
…… (福島市) 美原凍子 朝日歌壇2020.03.15
行き交う人々のほとんどがマスクを掛けている。
無言ですれ違う人と人。人を避け、避けた私もまた避けられている。
行きかう人の中にふと垣間見える、孤独。
マスク、マスク、マスク続きてマスクせぬ夫婦に出会い安堵する道
…… (東京都) 神山明夫 朝日歌壇2020.02.23
マスクをする人が行き交う。異様な光景が繰り広げられる。
「マスクせぬ夫婦」がなんと新鮮に見えることか。
手作りマスクが登場し結構人気になっている。
色のついたマスク、花柄のマスク。閉塞感漂う非日常の中で、ささやかなマスクの自己主張。
疑へば全て罹患者バスの中マスクがマスクを監視している
…… (下関市) 牛島正行 朝日歌壇2020.02.23
乗客同士がマスクで隠した顔の裏側で、
自分以外の人を罹患者ではないかという疑う自分がいることに気付く。
SFに登場する「監視社会」を連想し、「コロナ騒動」の不安の一面を鮮やかに切り取っている。
薬局のマスクの棚の空白に薄き不安が積もりてゆけり
…… (東京都) 水谷実穂 朝日歌壇2020.02.23
マスク、マスク、マスク。店頭にマスクがない。
今日も来てみたがやっぱりマスクがない。心をよぎる「トイレットペーパー騒動」の不安。
昼日中一人球蹴る少年の背中に少し怒りがにじむ
…… (中津市) 瀬口美子 朝日歌壇2020.04.26
少年の背中ににじんでいる小さな孤独、と怒り。
「コロナ騒動」は、じわじわと押し寄せる波のように、私たちの社会を侵食する。
長い時間をかけて築いてきた文明社会が、
意外と脆く、弱点だらけの社会であることを切実に感じる昨今である。
私たちは、少年一人を護ることすらできない非力な存在であることを痛感する。
ウイルスの世界中の広まりに自分だけはないと考えている
… (さいたま市) 高橋健興 朝日歌壇2020.04.26
「自分だけはない……」と、居酒屋に行き、パチンコ店に行き、観光地に行く。
このような心理状態を心理学用語で「正常バイヤス」といいます。
自分にとって都合の悪い情報を無視したり、
「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと過小評価したりしてしまう人の心の特性。
都合の悪い情報は無視してしまうから、
コロナに感染した場合、「多くの人に迷惑をかけてしまう」という気遣いまで、捨ててしまう。
疫病に閉じ込められて過ごす日々人間力をためされている
…… (相模原市) 三木涼子 朝日歌壇2020.04.26
そうだ、いま私たちは試されているのだ。
どれだけ耐えることができるか。「駄目なものは駄目なのです」と、
自粛や中止や休業をそれぞれの事情を乗り越えて、どうしたら一番有効な封じ込めができるのか。
自己を犠牲にすることも必要だが、感染の荒波を乗り越えるための政策に沿って、
一人一人が「ウイルス封じ込め」という目標に向かうことができるかどうか試されているのだ。
どんな攻撃を受けようとも、人間には「英知」という素晴らしい感性がそなわっているのだ。
昨日 今日
新幹線指定席 販売見合わせ。
JR東日本…東北・北海道・上越・北陸・秋田・山形の新幹線の5/28以降の指定席。
中央線 常磐線の特急指定席も。
岩手・盛岡駅…新幹線改札で検温(サーモグラフィーによる)(5/1~5/6まで)
来県を止める趣旨ではなく、注意喚起が目的。
感染が疑われる症状がある場合は、相談先も案内。
沖縄 観光客1千万人割る。
11月の福岡マラソン中止
タクシー会社 雇用維持に合意
① 従業員を解雇せずに雇用を維持する。
② 休業期間中、従業員に休業手当を払う。
③ 退職合意書を出した従業員が希望した場合には、合意撤回を認める。
マスク入荷偽メールに注意
東京都の感染情報
4/29、30日 感染者が50人を割った東京都だが、再び100人を超える126になった。
新たな感染者は、病院内クラスターや老人ホーム等に多い傾向。
(人生を謳う) (2020.5.2記)
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