小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

緊急告発 ! ついにNHKは報道の自由と義務もスケート連盟に売り渡した!!

2013-12-22 22:31:41 | Weblog
 NHKはいったい誰のために存在する放送局なのか。今日(12月22日)フィギュアスケートの全日本選手権の2日目が行われた(厳密にいうと現在男子のフリー演技が行われている最中である)。今は午後の7時35分。このブログを書き終える時間は最後に記載する。
 NHKは20日のニュース7で、翌日から始まる全日本選手権に出場する有力選手の練習風景の映像を流した。異例中の異例、というよりNHKがフィギュアスケート競技関係の報道ではかつて一度もなかったことである。世界スケート連盟がオリンピックより上位に位置づけているグランプリ・ファイナル(12月初め福岡で開催)については、そうした報道はニュース7でしなかった。
 周知のように来年のソチオリンピックのフィギュア競技には日本は男女ともに3人の出場枠を獲得している。今季からオリンピックの選考基準が変わり、ポイント制になって全日本選手権の優勝者が最大のポイントを獲得することになった。そういう意味でNHKはグランプリ・ファイナルより全日本選手権をニュースとして重要視したのか、と思った。
 今年から大きく変わったことは、ほかにもフィギュアスケートの競技時間が変更になったことである。従来はグランプリ・シリーズもNHK杯を除いては昼間に行われるのが常であった。選手のコンディションや健康問題を考えてのことだったかもしれない。
 実はNHK杯も浅田真央がデビューした年までは昼間に開催され、それをNHKは新聞のラテ欄に「録画」と表示もせずに7時のニュースのあとに録画中継していた。まだインターネットがそれほど普及していなかった時代でもあったから、競技の結果はNHKの録画中継(念を入れて書くがNHKはラテ欄に「録画」と表示していなかった。なおNHKはこのケース以外の録画中継は必ず「録画」と表示している)を見るまでわからないと思っていた。が、NHK杯放送前の7時のニュースの冒頭でアナウンサーが「浅田真央がショート・プログラムをトップで通過しました」と絶叫してしまったのである。
 翌日の新聞ラテ欄にもNHK杯の放送は7時のニュースの直後に予定されていた。そこで私はNHKの視聴者センター(現・ふれあいセンター)に電話をして「今日も録画中継だったら7時のニュースはパスする。結果があらかじめ分かっているスポーツ放送なんか、まえがきで犯人とトリックを明かした推理小説を読まされるようなものだから」と言った。窓口に出たアテンダーは「お調べします」と言って、しばらく待たされたが「今日はナマです。安心して7時のニュースをご覧ください」と教えてくれた。が、それがとんでもない嘘っぱちだった。やはり7時のニュースの冒頭でアナウンサーが「浅田真央が優勝しました」と絶叫したのである。私は怒り心頭で視聴者センターに電話した。アテンダーはすぐ責任者(チーフ)に代わり、責任者は「誠に申し訳ありませんでした。いま確認しましたが、確かにお客様に間違った情報をお伝えしてしまったようです」と平謝りに謝った。
 こうしたケースはNHK杯だけではなかった。全日本選手権はフジテレビが独占しているが、やはり競技は昼間に行われていた。いつだったか覚えていないが、テレビの中継を見ながらインターネットを見ていたら競技の結果がもう流れていた。で、またフジテレビの視聴者センターに電話して「フィギュアの放送のことだけど…」と言いかけたら「番組担当者に変わります」と電話をつないでくれた。電話を代わった女性の番組担当者に「いま放送しているフィギュアは何時に終わったの?」と聞いたところ「これはナマですよ。いま競技中です」と、いけしゃあしゃあと答えた。私は「もう結果がネットで流れているけど…」と言った途端「少々お待ちください」としばらく待たされた挙句、男性の責任者らしき人が電話に出て「彼女はちょっと混乱したようです。競技は○時に終わっております」と答えた。
 NHK杯については私だけでなく、かなりの人たちから抗議の声が殺到したようで、その翌年からナマ放送になった。NHKが昼間に放送するようになったわけではなく、NHKが交渉の結果、世界スケート連盟がNHKの放送時間帯に合わせて競技を行うようにしたからだ。が、NHK杯を除いて昨季まではすべてフィギュア競技は昼間に行われてきた。ところが、今季は事情が一変した。おそらくアメリカ大会やカナダ大会など外国でのグランプリ・シリーズも開催国の視聴者から競技時間を放送時間に合わせるよう抗議の声が殺到したのではないかと思う。これもおかしいのだが、NHK杯は「日本大会」である。おそらく他国の大会も冠がついていると思われるのだが、日本大会だけはNHK杯でとおっている。
 そんな些細なことはどうでもいいが、今季は少なくとも日本で行われる大会は多少視聴者のことを考慮したのかもしれない。福岡で行われたグランプリ・ファイナルもテレビ朝日がほぼナマ放送した。そのためNHKもニュース7ではグランプリ・ファイナルの結果を報道することが出来なかったのかもしれないと私は考えていた。
 そして21日から始まった全日本選手権である。すでに述べたようにNHKはフジテレビが放映権を持っている競技の前日の20日のニュース7で有力選手の練習風景を流した。が、21日の競技は男子のショート・プログラムだけで、しかも競技の開始時間が午後4:45からだった。当然7時のニュースの前には競技は終わっていない。
 しかし今日22日は男女の競技が行われ(グランプリ・ファイナルは重ならないよう配慮したようだ)、男子のフリー演技は午後6:35から予定されていたが、女子のショート・プログラムは午後2:20から競技が行われることになっていた。競技場は同じだから、男子の演技が始まる前には女子のショート・プログラムは終わっているはずである。
 で、私はニュース7が始まる前にネットで確認した。やはり結果が流れていて、浅田真央がトップで通過、2位は鈴木明子、3位に村上佳菜子がつけ、注目の安藤美姫は5位だった。そのことを確認したうえで7時のニュースが始まる前にNHKのふれあいセンターに電話をして最初に出たアテンダーに「非常に重要な件なので責任者に代わってほしい」と伝え、責任者に電話口に出てもらった。私はフィギュア競技のニュース報道についてNHKの視聴者部の山本副部長とのFAXでのやり取りを伝え、「今回の全日本選手権はオリンピック出場の権利を大きく左右する大会であり、だからこそ過去には一度もなかった他局が放送する競技前日の練習風景も放送したくらいだから、当然今日の昼間に行われた女子ショート・プログラムの結果は映像抜きでも字幕で結果を報じるべきだ」と申し入れた。
 が、今日のニュース7ではすでに競技が終わっている女子ショート・プログラムの結果については、字幕報道すらしなかった。ということになると、フジテレビが録画中継する番組の視聴率を高めるために、競技開始前日にかなりの時間を割いて練習風景を放映したのか、という疑問を持たざるを得ない。
 なお山本副部長はFAXで私にNHKのスポーツ報道について今年の4月26日にNHKの報道基準について述べている。すでに11月10日に投稿したブログ『フィギュアスケート競技のNHKニュース7の報道スタンスは偏向しているぞ!』でも抜粋記載したが、要点のみ再び記載しておこう。

 スポーツ報道の場合、競技映像の放映権の有無により、映像が使える場合、すぐには使えない場合など、さまざまなケースがあります。大会の意味合いや競技結果の重要度、速報の必要性、ニュースの放送時間帯・放送枠などを総合的に勘案し、お伝えしています。早く伝えることが必要と判断されれば、ほかのニュースと同様に映像を使えない場合でも、写真や文字の情報でお伝えしています。
(5月8日。上記に付け加えて)あくまでNHKの自主的自律的な判断に基づいて放送しています。

 なんと白々しい言い分か。居直ることもできず、しどろもどろになった猪瀬前(?)都知事にも劣ると言わざるを得ない。
 私が出した結論はこうである。NHKは視聴者のために存在する公共放送局ではない。NHKは報道の自由と権利・義務・責任のすべてを放棄し、NHK杯の興行権を維持する方を重視していることがはっきりした放送局であると。
 NHKが公共放送局としての矜持を私の爪の垢ほどでも持っていたら、NHK杯の興行権を返上することになったしても公共放送としての義務を果たすべきであろう。
 既存の地上波民放だけでなく、WOWOWやスカパーがうんざりしたくなるほどエンターテイメントのコンテンツを提供している中で、また若い人たちの新聞離れ、パソコン離れが進む中で(インターネットもパソコンからスマホや携帯への移行が顕著である)、公共放送が果たすべき役割はどうあるべきか。ひたすら職員の生活を維持するためにとしか考えられないようなコンテンツ作りしか眼中にない放送局は、もう社会的存在意義を喪失したと言うしかない。(午後10時半脱稿)

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