金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ギリシャはユーロを離脱するべきというギリシャ寄りの声

2011年12月05日 | ニュース

「ハフィントン・ポスト」の創設者として有名なギリシャ系アメリカ人のアリアナ・ハフィントンさんが、「ギリシャはユーロを離脱するべきだ。さもないと他の欧州諸国の指導者達から引き続き予算の削減を強いられ、その結果若者の失業率が高止まりし、ストライキや抗議による社会不安が続く」と主張している。 http://www.huffingtonpost.com/2011/12/03/arianna-huffington-greece-euro_n_1127399.html

私はこの話を文京学院大学の絹川教授のfacebookで見て、ハフィントン・ポストを読んだ。

ハフィントンさんはギリシャはユーロを離脱することで、独自の政策を展開できるし、為替が安くなることで輸出競争力が高まると述べるが、一方でギリシャの銀行が崩壊しまた国際的な資金調達はできなくなるかもしれないと述べている。それでも結論はギリシャのユーロ離脱を主張、ということなのだろう。

今週金曜日(12月9日)には、欧州首脳会議が開かれ国債危機に対する具体的な対応策が打ち出されることが期待されている。

だが欧州と一口に言っても経済状態は相当違う。経済状態が比較的良いドイツなど北方諸国が経済状態の悪い南欧諸国に一層の緊縮財政を強いることで景気が一層悪化するとますます財政赤字が拡大する懸念が残る。

因みにギャラップが12月1日に発表した欧州諸国の景況感は次のようなもので、北と南の格差が目立った。

「経済状態が良くなっている」と感じる人のパーセンテージから「経済状態が悪くなっている」と感じる人のパーセンテージを引いた数字が一番高かったのはフィンランド。「良い」が48%で「悪い」の23%を25%上回った。次がドイツで「良い」47%が「悪い」28%を19%上回った。

フランスでは「良い」が30%で「悪い」46%を16%下回る。イタリアは「良い」はたったの9%で「悪い」は61%だ。最悪のギリシャは「良い」は僅かに2%で「悪い」と言う人は81%である。これ程経済見通しが悪いとユーロに留まって経済が収縮するより、離脱を考えるのも一つの手かもしれない。と考える国がギリシャ以外にも広がるとこれは厄介な話である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先週は米国で良いニュース連発、さて今週欧州では?

2011年12月05日 | 金融

先週は米国発の良いニュースが世界の株価を引っ張った。グッドニュースはその前の週末の非常に好調なクリスマス商戦の幕開けに始まり、堅調な雇用統計の発表で終わった。11月の非農業部門の新規雇用数は12万人増は市場予想の12.5万人は下回ったものの、9月、10月の新規雇用者数は上方修正された。

もっとも失業率が9%から8.6%に低下したことについては、若干見掛け倒しの要素がある。というのは求職者の数が減っているため、失業率が低下しているという側面があるからだ。

というような問題はあるものの、エコノミスト誌は「発表された雇用データはanomaly(不調和)なものではない」という。工場部門の拡大を示すデータや堅調な小売りデータと整合するものだからだ。

エコノミスト誌はこの景気の状況を一番良く説明するのは「しっかりした景気の回復は1年前に始まっていたが、一連の不幸な出来事~日本の東日本大震災、アラブの春に続くオイル価格の上昇、国債発行上限枠を巡る米国議会の瀬戸際作戦、欧州の国債危機~が重しになっていた」という考えを示している。

この仮説が正しいとすれば、これらの重し特に今は欧州の債務危機に解決の糸口が見えるかどうかがポイントになる。その点で今週は重要な節目だ。

まず今日(月曜日)フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相がパリで会合し、12月9日に予定されている欧州首脳会議に向けて準備を行なう。観測筋はユーロ17カ国が予算面での連携を高め、緊縮財政を守れない国の制裁措置を定める等具体策で合意がなされると欧州中銀やIMFからの緊急融資の道が開けると予想している。

さて欧州の指導者達は市場の要望に応えてクリスマスプレゼントを用意するのか?それとも瀬戸際作戦を続けるのか?今週もまた見ものである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出光美術館で等伯を観た

2011年12月05日 | うんちく・小ネタ

昨日(12月4日)出光美術館に「長谷川等伯と狩野派」展を観に行った。

Touhaku 日経新聞で連載中の等伯。連載では狩野派との争いが激しくなってきたところだ。

様式美に徹した狩野派とどちらかというと奔放であり、しかも空気感を重視する長谷川派。対比してみると中々面白い。

等伯の代表作である「松柏屏風図」(東京国立博物館蔵)は展示されなかったが、中々良い企画展だったと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする