昨日(3月22日)米連銀の連邦公開市場委員会は全員一致で政策金利の0.25%引き上げを決定した。シリコンバレーバンクなどの破綻により起きた金融機関に対する不安を抑えるため、政策金利の引き上げの見送りを期待する声もあったが、連銀は「金融システムの安定」と「インフレ抑制」という2つの相反するマンデートをぎりぎりの綱渡りで凌ごうとしている。
パウエル議長は今回の利上げが当面の最後の利上げになる可能性を示唆した。
政策金利引き上げの打ち止めは、株価にプラス材料であり、実際昨日連銀の声明発表後米国株は上昇した。
しかしその後イエレン議長が議会で「無保険の銀行預金に広範な保証を提供する方法を検討していない」と発言したことを受けて株価は大幅に下落した。
S&P500、ダウ、ナスダックとも1.6%強の下落となった。
無保険の銀行預金に全般的に保証を広げることは、モラール・ハザードを生むので許容されるべきでない、と私も考えている。
一方このイエレン財務長官の発言から、預金者の疑心暗鬼を生み、信用力が低いと判断された銀行からは預金の流出が起きる可能性がある。
米国の銀行システムが安定化するかどうかはもう少し様子を見る必要があるだろう。