中国古代の春秋時代、斉の桓公は「善く国を治める者は必ずまず水を治める」と述べ、治水を国家の重要政治課題に掲げた。
またそれよりも千年以上前、夏王朝を開いた禹(う)は、治水の功績により帝位を譲られたという。
禹(う)が行ったのは黄河の治水だったが、今中国で洪水問題が起きているのは長江だ。
今日(7月16日)発表された中国の第2四半期GDP成長率は、事前予想を上回る3.2%だった。中国の第1四半期経済成長率はマイナス6.8%だったので、中国は1四半期でマイナス成長を脱したことになる。
中国はコロナウイルス騒動以降最初にマイナス成長を脱したメジャーな経済圏なのだが、中国株を含む今日のアジア株は水面下に沈んでいる。
株価下落の理由がこれまでアリババの牽引などで上昇していた相場に対する警戒感なのか、それとも他の理由があるのかは私には分からないが、長江の洪水問題も重しになっているのではないだろうか?
長江の洪水問題に関して、うわさが流れているのは三峡ダムの崩壊リスクだ。あるいは三峡ダムに水を貯めすぎると水圧でダムが崩壊する危険性が高まるので、ダムの管理者が早めに行ったため、下流域で想定外の洪水に襲われたといううわさだ。
このあたりはうわさであり、これ以上コメントするつもりはない。
ただし禹(う)の話に蛇足を加えれば、禹(う)の父親は9年間治水事業に取り組んだが、成果を上げることができず、皇帝の怒りをかって誅殺されたという。
うがった見方をすると洪水が猛威を振るう時は誰がやってもうまく治水できないので、禹(う)の父親はスケープゴートにされたということができるかもしれない。
あるいは禹(う)の父は水没地域を埋める工法を取った(禹(う)水はけを良くする工法を取ったという)というから工法が不適切だったのかもしれない。
もし万一三峡ダムが決壊するような事態になれば誰かが政治的なスケープゴートになるかはどうかは分からないが、下流の人民に大きな被害と中国経済に新たな難問が起きることは間違いない。
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