少し前から始めた在留外国人向け有料日本語教室の最初の生徒は、建設業の特定技能で在留資格取得目指しているスリランカ人二人です。
特定技能で在留資格を取得するには、日本語能力試験でN4(5段階の下から2番目)に合格することと特定産業分野(この場合建設業)の試験に合格する必要があります。
まったく日本語を知らない中年の外国人が二つの試験に短期間に合格するのは容易ではないと思います。私の方はいかにすれば、効率的に合格点をとることができるか?ということを考えながら学習方法を提案しているところです。
特定技能試験のような択一問題の試験における合格の近道は、実は過去問題を解きまくることに尽きます。同じ傾向の問題が出題されることが多いので、過去問題を解いている中で勘が働いてくるのです。
ところがこれは、我々日本に住み、日本語に堪能で、新聞・テレビなどで建設業についてある程度「耳学問」を重ねている日本人の場合に当てはまる話で、日本に住んだ経験のない外国人には難しいと思います。そうは簡単に過去問を解くことはできません。専門用語が一つの壁になるからです。
日本に住んだ経験がなく、また建設業界に知見のない外国人の場合は、基礎となる用語集が必要だと考えました。
漢字・ひらがな(特定技能試験は漢字+ひらがなです)・用語の英訳・英語による簡単な説明からなる用語集を作ってあげたいというのが私の希望でした。
その希望を簡単にかなえてくれたのが、人工知能AIです。
ベースとなる用語は私が選定しました(AIによる選定も可能でしょうが)。
そして次はAIに対してプロンプトを作成します。
内容は「特定技能1号試験用の用語集。日本語初心者の外国人向け。用語の英訳と内容の簡単な英語の説明をつける。出力はCSV形式とする」です。
特定技能1号とデータベースのリソースを指定したことで、受検に過不足ない説明を伴った用語集をごく短時間で得ることができました。
CSVをエクセルに取り込んだ後はあいうえお順に並べるなど後処理は簡単です。
今日その用語集をベースに建設業界用語について簡単なレクチャーをしました。しかし説明しても「分からないlという答にしばしば出会いました。
そんな時はGoogleの「画像検索」を利用するのが一番です。ここまで段取りができていると学習者さんが自分で検索してくれます。そしてそれが一番勉強になります。
たとえば「盛り土」という言葉があります。傾斜のある土地を平にするため、土砂を盛る工法のことですが、知らない人にはピンときません。そこで「盛り土」+画像指定検索を行うと盛り土の写真やイラストレーションが表示されます。
百聞は一見にしかず、です。語学と技能にかかわる試験が関門になっている在留外国人にとって、人工知能や画像検索そしてスプレッドシートの活用に慣れた人と出会えるかどうかはひょっよすると、ビザの取得時期に関わる大きな問題かもしれませんね。それにしてもAIの活用範囲は本当に広いなぁと感心した次第です。
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