昨日若干取引をしている野村證券から突然電話がかかってきました。電話をかけてきたのは若い男性で「トランプ政権後のアメリカ経済についてお話をしたいので、どこかで30分ほどお時間を頂けませんか?」という話でした。
当然お断りする。理由は明快です。証券会社の人が話をしたいというのは、会社側が売りたい商品をセールスするためで、顧客の運用パフォーマンスを向上させたいからではありません。
またなぜこの時期突然電話がかかってきたのかも不思議でした。
野村証券といえば、今年の夏広島支店の営業担当者が高齢者の顧客宅で放火して現金を奪い強盗殺人未遂などの罪で逮捕、起訴されるという事件を起こしていましたね。数日前には奥田社長が謝罪会見を開き、役員報酬の一部を返上することを発表していました。
証券マンの電話勧誘と証券マンの強盗事件を同列に論じると暴論だ、と批判されるかもしれませんが、敢えていうと私はある共通点があると思っています。
それは「顧客の財産からなにがしかの金品を取ろう」という考え方です。
一番滅茶苦茶なのは、顧客の財産を力で強奪するケースで、次に無茶苦茶なのは、顧客の無知に付け込んで、リスクが大きくて、証券会社の儲けが大きい商品を販売するケース。この二つは犯罪です。問題は「犯罪とまでは断定し難いが、顧客利益よりも自分の利益を優先してセールスするケース」です。
犯罪とまでは断定し難いと書きましたが、Fiduciary duty(受託者責任)に抵触している可能性が高いといえるでしょう。
Fiduciary dutyとは「自分の利益を後回しにして顧客の大切にする」ということです。
私の経験からいうと、証券会社の営業マンが勧めてきた話で長期的に儲かったというものはほとんどありません。何故なら証券会社の営業マンは自分の成績や会社・支店の営業目標を最優先して行動するからです。
そこから得た教訓は「運用パフォーマンスをあげたいなら証券会社に騙されないようにすること」なのです。騙されないようにするなら、ネット証券を使う方が良いのですが、家族の中には物理的な建物がある証券会社の方が安心できるという人もいるので、野村さんともお付き合いしている次第です。
資産運用とは何か?というと「証券売買手数料や信託報酬など確実な出費を支払ながらキャピタルゲインという不確実な収入を狙う事業」と考えてよいでしょう。そこをビジネスにする証券会社などは、不確実な収入をいかに確実なものか?と思わせながらより我々に高い出費をさせるように知恵を絞っているのです。
この罠にはまらないようにするのが、資産運用の第一歩です。
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