That's the Way I Am

私の好きなものについて

映画 ■■テッド■■

2013年01月31日 19時50分54秒 | 映画
想像していた以上に
下ネタ満載だった...



映画 ■■テッド■■



yahoo映画の評価(2013年1/31現在) 3.75(5点満点)




一見、無垢なおとぎ話だけど
実は全く逆


かなり汚いし、品がない
下ネタや、人種差別や
障害を持つ人を揶揄したり
ブラックな内容も多い

テンポがよく
風刺が効いていてたくさん笑えた



コメディとしておもしろいだけでなく
私は、「成長していく上での葛藤」など感じて
おもしろかったなあ




















ネタバレ感想



友達のいない主人公ジョン

まるで人間のように動くようになった
ぬいぐるみのテッドは
ピュアな子ども時代の象徴なのかと思っていたら

実はドラッグ・酒・セックス...という
「大人の欲望」というか
甘えた、弱い部分の象徴だった

子ども時代よりは少し上
無責任にバカ騒ぎを繰り返し
それ以上大人になりたくないと漠然と感じている
学生時代辺りの象徴かな?



社会的責任を避け
毎日短絡的な楽しみにふけっている所は
30代半ばとなると
さすがに痛々しい

なんとかしたいとは思いつつ
テッドとの気楽な日々が居心地良すぎて
変えようとする気が起こらない



しかし、5年もつきあったロリーとは
同じように無責任な日々を続けてはいけない

結婚するか、さもなくば別れるか

そういう選択肢を突きつけられて
ジョンはようやく
学生気分に別れを告げて
責任ある大人として生きていくことを選ぶ



成熟した大人になるためには
テッドとの心地良い関係を
見直さなくてはならない...

幼い頃からずっと一緒に暮らし
苦楽を共にしてきたテッドは
まるで兄弟のような一心同体の親友

2人の絆は
ロリーとジョンの関係と比べると
ずっとずっと長く、深い



ロリーはそんなテッドに嫉妬もある
「どっちが大切?」と、選ぶように迫るけど

ジョンにとってはとても選べない
ロリーとの生活のために
テッドを捨ててしまうなんて出来ない



こういう所
日本だと、マザコン男性の葛藤に似ているな~と
思いました

どちらが大切かなんて、選べないし
母親を捨てるなんて絶対に出来ない

妻の方には
母親と息子がこれまで過ごしてきた年月や
母親の深い愛情を考えると
とてもかなわないと悟っているからこそ
焦りや嫉妬がある



でも、妻と新しい家族を作っていくためには
息子は、最愛の母親とは距離を置かなくてはならない
それは、男性にとって
身を切られるような分離の痛みだけど



この映画では
「母親との分離」は、全く問題になっていなくて
ジョンはもうとっくに
母親からは巣立っていて
話題にも出てこない
そこが面白いと思ったなあ~



アメリカ人と日本人の親子関係のあり方の違いが
出ていると思いました



大人になるために
愛する女性と新しい家庭を築くために
それまで、一番大切だった人と
一心同体であった関係に終わりを告げる...

でも、それは
その大切な人を捨てたり、否定したり
それまでの関係を無にしたり
もう、一切会わなくなる...ということではなくて

いったん離れて
今までとは違う関係を
また作っていくことなのです

今までの濃密な関係を考えると
寂しいことではあるけれど
新しい関係が始まる門出でもある



テッドの身体が引きちぎられ
ただのぬいぐるみ(というか布と綿の塊)に戻って
テッドとの関係も一旦無に返ります



でも、それをロリーが縫い合わせ
「またテッドが元通りになりますように」と
流れ星に願いをかけたのも
ジョンではなく、ロリーだった...というのが

とても象徴的だと思いました



ロリーとの出会いによって
ジョンは子ども時代に別れを告げ

それまで、深い絆で結ばれていたテッドとも
全く決別してしまうのではなくて
ロリーによって
新しい関係を作り上げることが出来ました



大人になることを
卒業とか否定とか別離とかでなく
新しい友情の始まりと捉えた所が
とてもよかったと思います



子どもの頃から友達がいなくて
テッドが唯一の友達だったジョン

私は、たくさんの友達に囲まれている人に
憧れるけど

たった一人の友達と
深い絆を作っていくことも
かけがえのない宝物だと思いました

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