この映画を観るまで
「自由黒人」という言葉を知らなかった
奴隷解放宣言以前にアメリカに住んでいた黒人は
全て奴隷だったと思っていた...
映画 ■■それでも夜は明ける■■
☆
Yahoo映画の評価(2014年3/21現在) 4.03(5点満点)
「大統領の執事の涙」に続く
アメリカの黒人差別を描いた映画の鑑賞
中学~大学と、ずっと社会科が大嫌いで
全然興味がなかったのだけど
年取って、面白いと思えるようになってきた
ちょっと、年代まとめてみよう
1841年 ソロモン・ノーサップ誘拐される
(1853年まで)
1861年~1865年 南北戦争
1863年 奴隷解放宣言
1953年~1961年 アイゼンハワー任期
「大統領の執事の涙」のセシルが
ホワイトハウスで働き始めた時期
1841年
奴隷解放宣言が出る20年以上前なのに
ソロモンは「自由黒人」として
立派な家に住み、フォーマルな服を着
高級そうなレストランで白人と同じように食事している
一方、「大統領の執事の涙」のセシルは
1900年前半に(いつ頃なんだろうな~)
幼い頃から綿花農場で過酷な労働に就き
母親は白人の農場主にレイプされ
それに抗議しようとした父親は殺されている
これらの出来事を比べると
1841年に、白人と一見変わらない裕福な生活をしている
「自由黒人」という黒人が存在したことが
驚きであった
で、映画観て、調べてみたんだけど
黒人達がアフリカからアメリカに連れてこられた時は
殆ど、黒人=奴隷だったんだけど
白人と結婚した配偶者とか
白人と黒人の間に生まれた子どもやその子孫とか
或いは、脱走した黒人など
奴隷ではない黒人も、相当な人数がいたらしい
でも、奴隷の輸入が禁止されてからは
南部の労働力が圧倒的に足らなくなり
ソロモンのような自由黒人も
誘拐し南部へ売るために狙われていたそうです
アメリカの歴史について
まだまだ知らないこと多いな~と
改めて思いましたよ
もちろん、自分の国の歴史については
更に全然知らないけど...
ネタバレ感想
原作本は、誘拐された本人が
自分の奴隷経験を綴ったものだから
最終的にはソロモンは助かるのだということは
もう分かっています
ソロモンがどんなに痛めつけられようと
生命が脅かされようと
「でも、死ぬことはないんだ」と分かっているから
少し安心して観られました
買い物を頼まれた時に逃亡しようとしたり
自分が拉致され奴隷として働かされていることを
白人の友達に教えようと
手紙を書いたり
何度か脱出を試みますが
その度に、目論みがばれ
殺されるかも知れないという緊迫した状況に陥ります
その度に諦めて手紙を焼いたりしますが
希望を捨ててはいませんでした
一番耐えられなかったのは
同じ奴隷であるパッツィーを
「血が飛び散り肉が見えるまで激しく鞭打て」
と、命じられて
仕方なく、痛めつける所
私だったらこういうとき
あっさり諦めて、死を選ぶと思うな~
主人に襲いかかって撃たれて死ぬ方がいい
同じ仲間に拷問を加えるまでに
自分が生きることに執着するなんて
恥ずかしい。耐えられない。
首を吊られて
つま先立ちしてかろうじて命が繋がっていたあの時
私だったらもう、足を上げて
死んでこの苦しみを終わらせる方を選びそう
サバイバルしたいとは思わない
尊厳を持って生きたいと思う
「尊厳を持って生きたい」という希望は
やはり、同じような体験をして
死の恐怖、拷問の肉体的苦痛を味わってみたら
変わるのかも知れないな
生きることに執着することは
生物が本能的に強固に持っているものなのかも知れない
もう一度会いたい、愛する家族がいたら
なおのこと執着するだろうし
そして、死の恐怖を感じる程に激しい肉体的苦痛は
「尊厳を持って生きたい」なんて甘い希望は
いとも簡単に吹き飛ばしてしまうものなのだろう
それにしても、自国の負の歴史を
自分たちの手で映画化し
世界中に発信しようとする姿勢は
素晴らしいと思いました
日本にはこういう負の歴史を扱った映画
あるのかなあ?
「ゆきゆきて神軍」なんてあったなあ
他にも結構あるのかも知れない
「自由黒人」という言葉を知らなかった
奴隷解放宣言以前にアメリカに住んでいた黒人は
全て奴隷だったと思っていた...
映画 ■■それでも夜は明ける■■
☆
Yahoo映画の評価(2014年3/21現在) 4.03(5点満点)
「大統領の執事の涙」に続く
アメリカの黒人差別を描いた映画の鑑賞
中学~大学と、ずっと社会科が大嫌いで
全然興味がなかったのだけど
年取って、面白いと思えるようになってきた
ちょっと、年代まとめてみよう
1841年 ソロモン・ノーサップ誘拐される
(1853年まで)
1861年~1865年 南北戦争
1863年 奴隷解放宣言
1953年~1961年 アイゼンハワー任期
「大統領の執事の涙」のセシルが
ホワイトハウスで働き始めた時期
1841年
奴隷解放宣言が出る20年以上前なのに
ソロモンは「自由黒人」として
立派な家に住み、フォーマルな服を着
高級そうなレストランで白人と同じように食事している
一方、「大統領の執事の涙」のセシルは
1900年前半に(いつ頃なんだろうな~)
幼い頃から綿花農場で過酷な労働に就き
母親は白人の農場主にレイプされ
それに抗議しようとした父親は殺されている
これらの出来事を比べると
1841年に、白人と一見変わらない裕福な生活をしている
「自由黒人」という黒人が存在したことが
驚きであった
で、映画観て、調べてみたんだけど
黒人達がアフリカからアメリカに連れてこられた時は
殆ど、黒人=奴隷だったんだけど
白人と結婚した配偶者とか
白人と黒人の間に生まれた子どもやその子孫とか
或いは、脱走した黒人など
奴隷ではない黒人も、相当な人数がいたらしい
でも、奴隷の輸入が禁止されてからは
南部の労働力が圧倒的に足らなくなり
ソロモンのような自由黒人も
誘拐し南部へ売るために狙われていたそうです
アメリカの歴史について
まだまだ知らないこと多いな~と
改めて思いましたよ
もちろん、自分の国の歴史については
更に全然知らないけど...
ネタバレ感想
原作本は、誘拐された本人が
自分の奴隷経験を綴ったものだから
最終的にはソロモンは助かるのだということは
もう分かっています
ソロモンがどんなに痛めつけられようと
生命が脅かされようと
「でも、死ぬことはないんだ」と分かっているから
少し安心して観られました
買い物を頼まれた時に逃亡しようとしたり
自分が拉致され奴隷として働かされていることを
白人の友達に教えようと
手紙を書いたり
何度か脱出を試みますが
その度に、目論みがばれ
殺されるかも知れないという緊迫した状況に陥ります
その度に諦めて手紙を焼いたりしますが
希望を捨ててはいませんでした
一番耐えられなかったのは
同じ奴隷であるパッツィーを
「血が飛び散り肉が見えるまで激しく鞭打て」
と、命じられて
仕方なく、痛めつける所
私だったらこういうとき
あっさり諦めて、死を選ぶと思うな~
主人に襲いかかって撃たれて死ぬ方がいい
同じ仲間に拷問を加えるまでに
自分が生きることに執着するなんて
恥ずかしい。耐えられない。
首を吊られて
つま先立ちしてかろうじて命が繋がっていたあの時
私だったらもう、足を上げて
死んでこの苦しみを終わらせる方を選びそう
サバイバルしたいとは思わない
尊厳を持って生きたいと思う
「尊厳を持って生きたい」という希望は
やはり、同じような体験をして
死の恐怖、拷問の肉体的苦痛を味わってみたら
変わるのかも知れないな
生きることに執着することは
生物が本能的に強固に持っているものなのかも知れない
もう一度会いたい、愛する家族がいたら
なおのこと執着するだろうし
そして、死の恐怖を感じる程に激しい肉体的苦痛は
「尊厳を持って生きたい」なんて甘い希望は
いとも簡単に吹き飛ばしてしまうものなのだろう
それにしても、自国の負の歴史を
自分たちの手で映画化し
世界中に発信しようとする姿勢は
素晴らしいと思いました
日本にはこういう負の歴史を扱った映画
あるのかなあ?
「ゆきゆきて神軍」なんてあったなあ
他にも結構あるのかも知れない
あと『アミスタッド』とか『42』とか『インビクタス』とかも加えて年表作りたいですよねw
何が何でも生きたい!っていう強い思いを感じる映画でした。日本人は名誉の死を選んじゃうのかなあ(^_^;)
>自分たちの手で映画化し
>世界中に発信しようとする姿勢は
>素晴らしいと思いました
そうなんですよね。
それが出来るってことは、一つ大人なんだと思います。
『アミスタッド』と『42』は見ていないんですよ~
「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」も面白かったですよ~
http://disney-studio.jp/product/index.jsp?cid=1131
差別って、自分より立場が弱い人をいじめることでストレス発散しているようなもので、アメリカの場合黒人達がスケープゴートになっていたけど、いろんな国で、社会で、そのスケープゴートがいると感じました。
名誉の死を選びたいものだ...と、今は想像して思うけど、実際にああいう肉体的苦痛を味わうと、現実には想像と全く違うことを感じるんじゃないかな~と思います。
原爆や空襲の被害者として第二次世界大戦を描くことが多く、加害者としての日本は、日本人が映画のテーマにすることは殆どないと感じています。
自分たちの誇れない歴史に関しては目を反らしたくなるものですが、目を反らさずに世界中に発信する映画が現れないかと期待しますが...