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映画 ■■汚れた心■■

2012年08月16日 19時36分11秒 | 映画
ユーロスペース久しぶり!
たまには一般の映画館以外でかかっている
映画も観なくてはね



映画 ■■汚れた心■■

☆☆

日本の Yahoo ムービーの評価 3.3(5点満点)



一見、日本映画のよう
役者の殆どが日本の有名な役者で
殆どが日本語の台詞で...

でも、原作者も脚本家も監督もブラジル人



第二次世界大戦後のブラジルの
日系人コミュニティでの実話を元に作られているとか。



当時のブラジルと日本は国交が断たれていて
日本の正確な情報を得ることは
そこに住む日系人達にとって、非常に困難だった

日系人の多くは日本が勝ったのだと信じていて
「日本は無条件降伏して
天皇は人間宣言をした」という情報が舞い込んでも

「日本人の闘争心に水を差そうとする
情報操作、デマに惑わされてはいけない
デマを信じるものは心の汚れた国賊である」
と、受け入れようとしない。

コミュニティの団結力
日本に対する忠誠心
大和魂を守るため
国賊達には制裁を...

日本から遠く離れたブラジルで
愛国心は
日本人同士による新しい戦いを生み出した。





























ネタバレ感想



この時代の移民って...
「日本という国を離れて来たからには
ブラジル人として生きていくんだ」
という意識がなかったのかな

「日系人だ」という
日本民族への誇りは持ち続けていいし
日本で先祖代々受け継がれてきた
習慣や価値観、自然観、宗教観は
その人の大切なアイデンティティとして
大切にしていって良いと思うけど



「郷に入っては郷に従え」なんだから
ブラジルで生きていく限り
そこの習慣、言葉、法律に従わないと...
「嫌なら帰れ」ってことなんだと思う。



排他的な日本人村(コミュニティ)を作って
ポルトガル語を話そうとせず
現地の人たちと交流しようとせず

ポルトガル語を話して
現地に溶け込んで暮らそうとする人たちを
国賊だの非国民だのと言うとは...



日本を遠く離れて
全く違う文化の中暮らしていると
「自分は日本人なんだ」という意識が
自分が生まれた故郷の日本を思う気持ちが
日本に住む日本人以上に強くなるのは
想像できる



異国に住んで
故郷への愛国心を犠牲にすることを迫られたとき
愛国心を守りたいなら
故郷に帰るべきだし

残りたいなら、現地に溶け込む努力は必要
故郷よりも、現地の方が優先されるべき

と、私は考えますが...



「愛国心」の名の元に
切り捨てられる命
切り裂かれるコミュニティの信頼関係
更には、家族の絆や
愛情さえも壊されてしまう



時代と国は違うけど
この映画の中で起きていたことは
「これはジハード(聖戦)なのだ」と
洗脳され、英雄視され
身体に爆弾を巻き付ける自爆テロが
絶えることのない国と、同じだと思った

今、遠い国の
とても理解に苦しむ
狂気に満ちた話だと思ってしまうけど

戦時中の日本も同じだったし
根本的な部分はどの国の人たちも
同じだと思います

一歩引いて見ると「ナンセンス」と
一笑されるものだけど
常識とか良心とかが
機能しなくなる状況は確かにあり
それは一見平和ボケしている今の日本と
実は、紙一重なのだと思いました。



こういう作品が
日本人以外の手で作られたことが
とても興味深いです

外国人が撮った日本人社会なのですが

出演者の多くが日本人だったせいか
不自然さや誤解や誇張などが全然なく
日本映画と全く同じように観ていました

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