ものすごく良かった
登場する女性達は誰も悪くない
みんな被害者のように見えた
それは自分が女性だからか
男性はこの映画を観てどう感じるのだろう
それを知りたいと思った
Hulu ■■八日目の蟬■■
Yahoo映画の評価(2013年8/11現在) 4.04(5点満点)
私には珍しく、原作を先に読んでいる
原作巻末の解説に(誰が書いたのか忘れたが)
「この映画はフェミニズムの映画であり
登場する男性は誰もダメな男ばかりである」
というようなことが書かれていたと思う...
その解説にかなり誘導されてしまった形の私の感想だけど
ネタバレ感想
誘拐犯の希和子は
既婚者の男性に騙されて関係を続け
中絶手術の末子どもが産めない身体になってしまった
被害者であると思った
映画を観ていると
「悪いやつだ」とか「憎らしい」とか
決して思えない
誘拐した薫への愛情の深さに感動し
逃亡生活が少しでも長く続くように
祈ってしまう
無責任な男の妻は
事件の中では被害者になっているが
希和子に対する非道な嫌がらせや
残酷な言葉で罵ったことを思うと
当然の報いとも取れる
それでも、発端は夫の裏切りなのだから
家庭を守るために
常軌を逸した嫌がらせをしてしまったが
その心理は痛い程分かる
しかし、4歳になった我が子と再会した後も
何事もなかったかのように
普通の幸せな家庭を築くことは出来ない
彼女はやはり被害者であり
同情を禁じ得ない
一方、本当の両親と上手くいかず
「自分は愛されていない」と感じながら
成長した恵理菜(薫)は
自分の父親がいかに卑怯で
母親がいかに酷い言葉を育ての親に投げつけたか
全てマスコミによって知らされ
自分に対する尊厳の気持ちが持てない
更に、希和子と全く同じように
「いつか妻と別れて結婚する」と言い続け
実はそうする度胸の全くない男を好きになり
妊娠してしまう
恵理菜もまた被害者ではないか
希和子も、妻も、恵理菜も被害者で
全ての発端は
嘘の約束をちらつかせ
女性に「待ってくれ」と説得し続けた
男なのではないか
そして、エンゼル・ホームに入所している訳ありの女性達
彼女たちも何かしら男性から酷い目に遭って
逃げて来ている
男性を否定し
女性だけの平和な世界を作ろうとしている
一見、唐突で現実味のない隠れ家の出現に
違和感を感じるが
原作者の一番言いたかったことなのかなあ、とも思う
男性への失望、不信感、拒否
そこは完全に男性から守られていて
平和で、憎しみのない
母性と愛だけのあるパラダイスのようだけど
色彩の乏しい、閉ざされた世界
「八日目の蟬は
他の蟬より1日長く生きた分
それまで見られなかったものを見られたなら
幸せだと思う」
と恵理菜は言ったが
1日長く生きた分
エンゼル・ホームの外に出た分
より広い世界
より、たくさんのものを見て経験したなら
幸せだった
数奇な運命に弄ばれてしまい
孤独や苦しみを抱えてきたけど
様々な人と出会い
いろいろな感情と向き合い
愛しい新しい命と出会えたのだから
普通じゃない自分の人生もそれで幸せだと思う
...と、言っているように感じた
「誰からも愛されていない」と信じて育った恵理菜が
小豆島を訪れて
自分がいかに希和子に愛されて
大切に育てられてきたか悟るシーンが
本当に感動的だった
希和子からの深い愛情を受け取ったから
「自分は八日目の蟬であることが嬉しい」
と、言っているようであった
自分の運命を受け入れ
希和子と出会えたことを感謝さえしているようだった
原作では
希和子と恵理菜がニアミスするシーンがあるんだけど
映画にはなかった
あっても面白いんじゃないかと感じたけど
まあ、無くても
それはそれで、良い終わり方だったと思う
小豆島の風景がとても綺麗で
行ってみたくなったよ~
登場する女性達は誰も悪くない
みんな被害者のように見えた
それは自分が女性だからか
男性はこの映画を観てどう感じるのだろう
それを知りたいと思った
Hulu ■■八日目の蟬■■
Yahoo映画の評価(2013年8/11現在) 4.04(5点満点)
私には珍しく、原作を先に読んでいる
原作巻末の解説に(誰が書いたのか忘れたが)
「この映画はフェミニズムの映画であり
登場する男性は誰もダメな男ばかりである」
というようなことが書かれていたと思う...
その解説にかなり誘導されてしまった形の私の感想だけど
ネタバレ感想
誘拐犯の希和子は
既婚者の男性に騙されて関係を続け
中絶手術の末子どもが産めない身体になってしまった
被害者であると思った
映画を観ていると
「悪いやつだ」とか「憎らしい」とか
決して思えない
誘拐した薫への愛情の深さに感動し
逃亡生活が少しでも長く続くように
祈ってしまう
無責任な男の妻は
事件の中では被害者になっているが
希和子に対する非道な嫌がらせや
残酷な言葉で罵ったことを思うと
当然の報いとも取れる
それでも、発端は夫の裏切りなのだから
家庭を守るために
常軌を逸した嫌がらせをしてしまったが
その心理は痛い程分かる
しかし、4歳になった我が子と再会した後も
何事もなかったかのように
普通の幸せな家庭を築くことは出来ない
彼女はやはり被害者であり
同情を禁じ得ない
一方、本当の両親と上手くいかず
「自分は愛されていない」と感じながら
成長した恵理菜(薫)は
自分の父親がいかに卑怯で
母親がいかに酷い言葉を育ての親に投げつけたか
全てマスコミによって知らされ
自分に対する尊厳の気持ちが持てない
更に、希和子と全く同じように
「いつか妻と別れて結婚する」と言い続け
実はそうする度胸の全くない男を好きになり
妊娠してしまう
恵理菜もまた被害者ではないか
希和子も、妻も、恵理菜も被害者で
全ての発端は
嘘の約束をちらつかせ
女性に「待ってくれ」と説得し続けた
男なのではないか
そして、エンゼル・ホームに入所している訳ありの女性達
彼女たちも何かしら男性から酷い目に遭って
逃げて来ている
男性を否定し
女性だけの平和な世界を作ろうとしている
一見、唐突で現実味のない隠れ家の出現に
違和感を感じるが
原作者の一番言いたかったことなのかなあ、とも思う
男性への失望、不信感、拒否
そこは完全に男性から守られていて
平和で、憎しみのない
母性と愛だけのあるパラダイスのようだけど
色彩の乏しい、閉ざされた世界
「八日目の蟬は
他の蟬より1日長く生きた分
それまで見られなかったものを見られたなら
幸せだと思う」
と恵理菜は言ったが
1日長く生きた分
エンゼル・ホームの外に出た分
より広い世界
より、たくさんのものを見て経験したなら
幸せだった
数奇な運命に弄ばれてしまい
孤独や苦しみを抱えてきたけど
様々な人と出会い
いろいろな感情と向き合い
愛しい新しい命と出会えたのだから
普通じゃない自分の人生もそれで幸せだと思う
...と、言っているように感じた
「誰からも愛されていない」と信じて育った恵理菜が
小豆島を訪れて
自分がいかに希和子に愛されて
大切に育てられてきたか悟るシーンが
本当に感動的だった
希和子からの深い愛情を受け取ったから
「自分は八日目の蟬であることが嬉しい」
と、言っているようであった
自分の運命を受け入れ
希和子と出会えたことを感謝さえしているようだった
原作では
希和子と恵理菜がニアミスするシーンがあるんだけど
映画にはなかった
あっても面白いんじゃないかと感じたけど
まあ、無くても
それはそれで、良い終わり方だったと思う
小豆島の風景がとても綺麗で
行ってみたくなったよ~
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